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Fire Kings  作者: ワンシア
一章
5/9

五話 雷vs水

投稿遅れて申し訳ないです。

「戦闘の時はやる男」「これがエリートナイツNo.2の(ヒュードル)です」


「開始!」コンパトーニの声が響いた。

ブロンテは構えを取る。手が震えている。(落ち着け、相手の動きを見るんだ……)

ヒュードルがゆっくり歩み寄る。「さっき、僕の攻撃をかわしたね」いつものだらけた口調じゃない、力がある。「すごいよ。でも」ヒュードルの目が鋭くなった。「次は当てる!」その瞬間、「水爆弾(ウォーターボム)!」ヒュードルの手から水の塊が飛んだ。「!」ブロンテは横に飛んで避けようとしたが…遅い。水の塊が胸に命中した。その瞬間、バシャァァァ!水が高圧で弾け、ブロンテの体を吹き飛ばした。

「がっ………!」地面に転がる。(痛い…水なのに…痛い…)観客たちはどよめきを起こす。フランメが身を乗り出す。「ブロンテ!」ヴァントも心配そうに見てる。「大丈夫か……?」だが、ブロンテは立ち上がった。膝がガクついてるが、目は諦めていない。

「まだ……終わってない……!」

ブロンテは息を整えた。(受けてるばっかじゃ…勝てない)拳を握りしめる。(攻撃しないと……)ヒュードルが次の攻撃を準備している。(今だ!)「稲妻(いなずま)!」ブロンテが手を突き出した。指先から青白い雷が迸った。バリバリバリッ!雷がヒュードルに向かって走る。ヒュードルは避けようとしたが「⁉︎」間に合わない。ビシッ!雷がヒュードルの肩に命中した。

「うっ……!」ヒュードルが一瞬、体を強張れさせる。

「結構……パワーがあるね……」腕がジンジン痺れる。「僕も…負けてられない」ヒュードルが地面に手をつける。「水波・小(すいは しょう)!」足元から小さな波を発生した。それは広がりながら、ブロンテに向かってくる。ブロンテは飛び退こうとしたが………

「あぶな……!」足を取られそうになり、バランスを崩す。フランメが拳を握った。「くっ、ブロンテ踏ん張れ!」


ブロンテは体勢を立て直した。(まだまだ、だ……!)

稲妻二式(いなずまにしき)」今度は両手から雷を放つ。二本の稲妻が、ヒュードルを追尾する。

「追尾型か……」ヒュードルが冷静に判断する。(なら、防ぐしかない)「水陣壁(すいじんへき)!」ヒュードルの前に、分厚い水の壁が現れた。バリバリッ!

雷が壁に命中するが……壁は壊れない。雷は水に吸収され、消えていく。「な……!」ブロンテが驚愕する。


ヒュードルが壁越しに言った。「一般的に、水は雷に弱い、それは事実だ」壁が消える。ヒュードルが涼しい顔で立っている。「でも、この水は純粋だったら、雷を通さない」ブロンテが食いしばる。(くそ……防がれた……!)ヒュードルが微笑んだ。「ブロンテ、君の攻撃をもっと見せてくれ」その言葉は、挑発ではなく

純粋な期待だった。

ブロンテは拳に力を込めた。(諦めない……!)

電撃・拳(ショックストライク)」右拳に青白い雷を纏い、突き進む。距離を詰めて、直接殴る!

ヒュードルが水の壁を作ろうとするが、バリバリッ!

雷を纏った拳が、壁を貫通した。「⁉︎」ヒュードルの目が見開かれる。ドンッ!拳がヒュードルの腕に命中した。「ぐっ……!」ヒュードルが後ろに下がる。

腕が痺れている。「今のは……痛いね」ヒュードルが腕を見た。少し焦げている。「ブロンテは、能力の火力が高い、パワーがある」フランメが立ち上がった。

「おお!当てた!」ヴァントも興奮している。「やったぞ!ブロンテ!」だが、脳裏に幼い頃の光景を思い出す。「ブロンテ、俺の攻撃を避けろ!」父が拳を振るう。「雷撃・拳(ショックストライク)」バシッ!

「うわっ!」避けられなかった。頬が痛い。涙が出そうになる。


現在に戻り、ブロンテは拳を握りしめた。(なんで…嫌な思い出が……)胸が苦しい。そして、ヒュードルが体勢を立て直した。「そろそろ、決着をつけよう」「これが本気だ!」ヒュードルが両手を前に突き出した。

「水波・中!」今度の波は、桁違いだ。

高さは肩まで。速度は鳥の飛ぶ最高の速さ。

ゴオオオォォッ!轟音を立てて、波が迫ってくる。

ブロンテの顔が青ざめた。「ど、ど、どうしよう……」

足が竦む。体が動かない。(逃げられない……!)

波が目前に迫るその時、再び、ブロンテは昔のことを思い出す。


「っし、今日も稽古やるぞ」父の声。(ブリッツ)が嬉しそうに答える。「早く、やろ父さん!」「じゃ

あ、オレの攻撃を避けろ。」父が拳を振るう。(さっきと同じ記憶…)まずは、ブロンテに向かって。「雷撃・拳」雷を纏った拳が幼いブロンテの頬に、バシッ!

「うわっ!」避けられなかった。頬が痛い。涙が出そうになる。「まだまだだ。しっかりできるようになれ」父の目と声は冷たかった。次は兄の番。同じ技が繰り出せれる。が……「瞬雷(しゅんらい)!」

兄の体が青白く光った。残像を残して、高速で移動する。父の拳は空を切った。「よくやったな!」父が笑った。さっきとは全く違う、温かい笑顔。そして、ブロンテを見た。「お前も、これくらい出来るようになれ」冷たい目。そして「今日の午前の稽古は終わりだ」と去っていく。ブロンテの兄がブロンテをバカにしながら得意げに言った。「こんくらいやれよー」

幼いブロンテはただ、俯くだけだった。


現実に戻る。(なんで……今頃になって兄さんのことを思い出すんだ……)(兄さんのこと……大嫌いで…忘れたはずなのに…)悔しそうに顔を俯く。だが、(あの技…)

顔を上げる。(使えるか……?見たことあるだけで)(迷ってる暇はない。やるしかない!)ブロンテが叫んだ。

「瞬雷ッ!」その瞬間、ブロンテの体が青白い光に包まれた。ビリビリビリッ!雷が全身を駆け巡る。

世界が一瞬遅くなった。迫り来る波が、スローモーションのように見える。(これが、瞬雷……!)足が、勝手に動いた。シュンッ!ブロンテの姿が消えた。「⁉︎」

ヒュードルが目を見開く。波がブロンテのいた場所を飲み込むが……。そこにいたのは、残像だけだった。

残像が、波と共に消えていく。「な………!」次の瞬間。ブロンテは波の向こう側に立っていた。(……できた。)自分でも信じられない。手が震えている。

静寂。そして、「おおおおおおッ!」会場が熱気と興奮で爆発した。フランメが飛び上がる。「すげぇ!ブロンテ、すげぇぞ!」ヴァントも興奮している。

「なんだぁ今の⁉︎瞬間移動⁉︎」ルアームが驚いた顔をしていた。エリートナイツの生徒たちも、口々に叫んでいる。「嘘だろ⁉︎」ヒュードルが初めて驚愕の顔を見せた。そして笑った。「臆病なところはあるけど技術は一流だ」ブロンテを称賛する。

ブロンテは嬉しそうに微笑む。


ブロンテがまた息を整えた。(正直今の……結構能力量(エネルギー)使った……)体が重い。もう、あと何回も使えない。ヒュードルも、それに気づいていた。

「これが本当の……最後だ」「まさか、この技を使う相手が……。大会で使おうと思っていたくらいだ。」

ヒュードルが両手を大きく広げた。「水波・大極(だいごく)!」ゴゴゴゴゴオォォッ!巨大な波が…立ちはだかる。高さ6メートル。幅は練習場全体を覆うほど。「嘘だろ……」フランメが呟いた。「あんなん、人間が出せる量じゃないだろ」「どうやって…避けるだ……」ヴァントも青ざめている。「ブロンテ……!」

ルアームが立ち上がった。「ヒュードル、やりすぎだ!」だが、もう止められない。波がブロンテに向かって崩れ落ちる。さっきとは桁違いの速さ。ブロンテはそれを見上げだ。(もう、瞬雷は使えない。でも)

拳を握る。(ここで諦めたら、僕は何も変わらない)

雷鎧(ライトニングイージス)ッ!」ブロンテの全身に青白い雷の鎧がつく。バリバリバリッ!雷を体に集める。全身が痛む。「うおおぉぉおッ!」ブロンテが更に「電撃・全(でんげきぜん)」全ての雷を右拳に集める。腕が痺れる。そして、波に向かって突進した。だが、ドゴオオオォォーン!波がブロンテを飲み込んだ。「ブロンテ!」フランメが叫んだ。


バッシャアアアアアンッ!

水が弾け、練習場全体が水浸しになった。静寂。

誰も、息していない。水が引いていく。その中心にはブロンテがいた。腕はもうボロボロ、「まだまだ!」ブロンテが言った瞬間、ブロンテは地面に倒れ込んだ。フランメが駆け寄ろうとするが「待て」コンパトーニが「まだだ」その時、ブロンテの指が、わずかに動いた。「……っ」腕が震える。そして、立ち上がった。もう、立っているのでやっとの状況。「まだ……」

ブロンテが呟いた。「まだ……僕の最後の攻撃……」

右拳を前に突き出す。雷がわずかに宿っている。

「雷撃・全…」だが、パタッ!ブロンテが前にのめりに倒れた。コンパトーニが手を上げる。「終了!勝者ヒュードル!」会場は拍手と心配で溢れていた。


しばらくして、ヒュードルが、倒れたブロンテに歩み寄った。手を差し伸べる。「ありがとー」いつものだらけた口調に戻っている。「僕は勝ったけど…中身は負けたよー」ブロンテが顔を上げた。「え……?」

ヒュードルが微笑んだ。「君は最後まで諦めなかった。それってー、すごいことだよー」「感心、感心」

ブロンテの目が潤んだ。(認めて……くれた…)フランメが駆け寄ってきた。「ブロンテ!」ヴァント続く「すげぇ戦いだった!」ルアームも近づいて、言った。

「いい組み手だった。君は強い。」ブロンテが嬉し涙目を堪えながら、小さく頷いた。フランメ以外の大勢に褒められたのは、認められたのはブロンテにとって初めてのことであった。


これを聞いたブロンテはヒュードルに「この人、戦闘の時以外怠けすぎだろ!」とツッコむルアームが

ブロンテに「テキトーに言ってるように聞こえるかもしれませんがヒュードルは、本当にすごいと思ってます。」 「実際すごくいい組み手だった」と褒める。

次回フランメ対ルアーム


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