第40話 鳥の巣はどこにある?
姫はどこにいるのか?
問題はそこである。
アーネット王の手紙には、王がルナエの軍勢を率いてきたこと。
森の中に潜伏していて、いつでもゾンダークを包囲できるということ。
内部にも手が入り込んでいて、ゾンダーク王の首はすでに取ったも同然だということ。
ただし、アリス姫が見つからない限り、手を出すことはできないということ。
プラス、協力者や合図など、その他もろもろの事柄について。
それらが詳細に書かれていた。
「なるほど……」
アーネット王の手紙を燃やしながらため息をついた。
まさかここまでルナエの手が入り込んでいるとは夢にも思わなかった。
ゾンダーク王が警戒して私を送り込んだその直感は正しかったのだ。
私は取り込まれてしまったわけだが……。
まあ、罪悪感は一切無い。
ゾンダーク王には元から嫌気がさしていたし、アーネット王が国を取ると言うのなら、アリス姫を救う手段がそれしかないと言うなら、それに乗るだけだ。
……そう、問題は姫なのだ。
姫の所在。それがわからない。
姫の収監を取り仕切ったのは護衛騎士長だ。
彼が部下に命じてやらせたこと。
おそらくは彼自身も姫の居場所を知らない。
彼はあの時の茶番に気づいている。
一度だけそれとなく確認に来たから間違いない。
だから、姫の尋問には手心を加えてくれているはずだ。
姫は城のどこかにいる。
それは確かだ。
城の外へそれらしいものが出ていったという報告は受けていないし、そもそも護衛騎士長からも連絡は受けていない。
彼は政治的な判断を嫌う。
それは護衛騎士としての自身の職責を越えるということだろう。職務に忠実なのだ。
だから姫は城内のどこかにいる。
これまでの捜索でわかったのは、私が知っている牢獄には収監されていないということだけ。
しらみつぶしに牢獄を探しても姫は見つからなかった。
つまり姫は牢獄ではなく、隠し部屋、秘密の牢獄に捕らえられているということだ。
この城のどこかに……。
アーネット王が人手を貸してくれるなら捜索の手を広げることができる。
だが、城は広大だ。
闇雲に探しても見つかるはずはない。
だから。
「まず……、罠を用意しないとな」




