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六、ウワサ話

嫌がらせがパタリと無くなり、平和な日常が戻ってきた。

嫌がらせで思い出した過去の日々は自分の可愛さを妬まれたが、今は咲仁との仲を妬まれていただけのようだしよかったと安心しきっていた。

『地味なのに、咲仁様と仲の良いからと言って黒川さんを嫌がらせしてはならない』と親衛隊からの掟として出回っているらしいとの噂を耳にした。咲仁からの脅しが相当効いたらしい。

それと同時に噂になっているのが咲仁の、彼女についてだ。うわさの彼女は実は地味子ではないかと広まり始めていた。

「噂聞いた? 咲仁の彼女の話」

「あぁ、それがどうかしたのか?」

「いや、うわさ話まとになったのって咲仁の態度からなんだろ? ほら今も」

うわさの彼は今もまさに絡みに行っている。相手にされていないのに絡みに行くその姿が「彼女なのでは?」と噂されている。

「さーやなちゃん、俺と放課後デートして」

「・・・・・・いつものことじゃん」

「いつものじゃなくて。放課後────」

「・・・・・・いつものじゃん」

だが、彩那の態度が変わらぬので誰もが、違うのかもしれないけど、絡みに行く人は彼女のみなので彼女が例の美少女?と。だが、話は解決にいたってないので、地味子が何か関係あるのかという噂もたち始めている。地味子の変身だと言うことにたどり着けたものはいない。

噂の真偽は解決せぬまま時間だけはすぎていく。彼ら本人と咲仁の友人二人のみしか知らないまま、噂は飛躍していっていた。

『やっぱり、他校に彼女だよ』とか、『えー、咲仁様も顔いいから兄弟だった説』など色々な噂が飛び交い、そのひとつひとつに彼らは気にもせず日常を送っていた。


「なぁ、お前らの関係のことどう思われてるか知ってるか?」

ふと、隠す必要も無くなった友人、(わたり)に言われた。彼らは、隠す必要も無くなったことで、放課後の咲仁たちの日課に加わることが、あるようになった為、今は4人で話している。

「⋯⋯関係?」

「あぁ、腐れ縁で仲良くしているだけ」

「実は例の美少女は咲仁の姉」

面白おかしく友人達は話している、彼ら2人で顔を見合わせながら1つずつあげていくように。

「⋯⋯俺、姉なんて居ないけど」

「知ってるよー、噂だから〜」

「あと、こんな噂もあるよね、実は黒川が美少女を隠している」

的をついた噂も存在していたらしい。彩那と咲仁は噂を無視していたので知らなかったらしい。

「⋯⋯お前ら喋ってないだろうな? それ」

「喋ってねぇ! それだけは誓う!」

「そうそう、謎の美少女と地味な黒川と両方と仲良くするお前を見ての妥当な噂だろ」

どうやら咲仁の態度に問題があるようだ。だからといって変えるつもりもない。

「咲仁に告る女子が、そんな噂してるんじゃない?」

「そうそう、絶対彼女意外と仲良く出来ないって断るもんね〜」

断り方にも感づかれるる要素があるようだ。友人たちの暴露によって、いろいろ噂の気づかれる原因を作っているのは咲仁だとわかった。

「⋯⋯あと、噂の美少女が黒川さんだったなら許すわ。あの見た目はヤバすぎ。お似合いだもん」

「わかる〜、写真も出回ってるもんね、デート中の咲仁様と美少女のやつ」

「「⋯⋯⋯は?」」

突然の事実にカップル2人は間抜けた声が出た。

写真が回ってる?

デート中の2人?

例の噂の根源はそこからなのか、咲仁の態度のか分からない。

「だからね〜、写真だよほら」

携帯画面を見せてくる、設楽。

「なんでお前も持ってんだよ」

「回ってきたからー。これ1枚でこんな話が進んでるらしい」

「⋯⋯だから、今だったら実はワンチャン認められるよ、黒川さん」

心を揺さぶられそうになる事実だった。

いじめにあった当時は咲仁とも付き合っていなく、男がよってくる状態だったので、虐められたが今なら違うかもしれない。

「⋯⋯でも⋯⋯。隠すのややめてまた虐められたら⋯⋯」

「そんなの俺が守る。それに、こいつらも。心強い味方になると思わない? まぁ、1番は俺だけど」

迷いを打ち砕くような、咲仁の言葉に彩那は驚く程心を押された。このまま彼らの言う通りいけるのか。不安は変わらない。

「あら! 心強い味方があなたに増えたのね。隠す必要ないじゃないのー?」

そこへ会話に入ってきた母にも背中を押される。確かにこんなに味方してくれる人がいるならいけるかもしれない。

「だけど、そんな急には⋯勇気が⋯⋯。あと、咲仁が嫉妬するんじゃ」

「⋯⋯俺のことは気にするな。確かにそうなんだけど、彩那が本来の自分を見せれるならそれでいい」

彼の一言は彼女の心に刺さる。一言一言が、背中を押されて自分を変えるきっかけになった。

「⋯⋯じゃあ、やってみようかな」

「おぉ、じゃあさ、一気には勇気いるけど、ちょっとずつは?」

「ちょっとずつ?」

「そ、例えば〜、そのメイクからとか?」

元に戻すための方法を提案してくれる、亘。

「そうだね、メイクをしないで格好はいつも通り」

賛同して詳しく説明してくれる設楽。

1つ地味にさせている要素を取り除いていく提案。それなら、一気に解く勇気はないのでいけるかもしれない。そして彼女の魅力に気がついたもの達が騒ぐかもしれない。その時はきっと彼らに守られて、隠さなくても過ごせる日が訪れるのかもしれない

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