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パトパト外伝月花録  作者: パトパト(パトパトチャンネル)
4/5

百鬼夜行異変2話「玉藻琥珀」

挿絵(By みてみん)


月花「えっと・・・どうしたんだろう?迷子?」


月花は、自身の服を掴む少女に問いかける


??「迷子ちゃう、でもお腹すいてな~」


金髪の少女はお腹を摩り、お腹が空いているという仕草をする。


セキ「ならわらわのをわけてあげるのじゃ、ほらこっちにくるのじゃ」

月花「そうね、私のもわけてあげる、ほら、はぐれないように気を付けてね」


二人は金髪の少女と一緒に行く、


月花達に離れないようについてくる少女は和装に似合わない金色に髪と目、そして透明感溢れる白い肌、そして・・・狐の耳が生えていた。


だが何故か二人は違和感を感じなかった、何故少女の狐の耳という異質な物を見てもまるでそれが当たり前という認識になっていた。


だがその状態は月花やセキだけではなくすれ違う街の住人全てがそうだった、誰も少女を見ても違和感を感じていなかった。


そして月花達は本来の目的通り、自動販売機で飲み物を買い、ベンチに座って八つ橋を食べる。


月花「えっと、お名前はなんて言うのかな?」」

琥珀「玉藻たまも 琥珀こはく、琥珀は琥珀色とかで使われる琥珀やで、よろしゅうな、えっと・・・」

月花「私は四季月花だよ、月花って呼んでいいからね、それでこの赤いお姉さんがセキって言うの」

セキ「よろしくなのじゃ」


セキは内心先ほどまでの態度とは変わり、少女を怖がらせないようにしたり、セキに対して、『お姉さん』という言葉を使う所を見て(流石月花じゃのう)と感心していた。


琥珀「月花にセキ・・・よろしゅう、本当少ない食料をわけてもらってありがとうなぁ」


琥珀は二人から分けられた八つ橋を数枚食べ、満足していた、小食だったらしい。


月花「それで琥珀ちゃんはどうやってここまで来たの?」

琥珀「えっと・・・それがわからないんや、というよりいつどこで、どこから来たのかもわからんのや」


琥珀の話を聞く月花は考える


月花(記憶消失?でもそれにしては名前も言動もしっかりしてる、それに特にその状況に対して困惑しているわけでもない・・・不思議な子ね)


するとセキは琥珀に話しかける


セキ「琥珀、それではこれからどうするつもりなのじゃ?」


セキは琥珀に問う、そして琥珀はその問に少し困惑する。


琥珀「わからへん、何をしたらええかもわからんし、自分が何なのかもわからへん、やから・・・」


琥珀は口を閉ざしてしまう、考えれば考える程、何もない苦しさや悲しさがこみあげてきていた。


セキ「ならわらわ達と一緒に居るといいのじゃよ、そんな状態じゃと親が干渉しておるとも思えんからのう、どうじゃ月花?」

月花「そうね、私は賛成、とりあえず琥珀ちゃんが納得するまでの間私達と一緒に居たらいいわ、それに私達だって琥珀ちゃんみたいな女の子を一人にさせておけないし、私達と一緒に居たら食事や寝床には困らないわよ」


月花とセキは琥珀にそう説得する


琥珀「うちからお願いするわ、うちは聞かれて気付いたんや、すっごく怖いなぁって」


琥珀は助けを求めるように二人にお願いし、月花は琥珀を軽く抱きしめ、頭を撫でる


月花「よしよし、ならもう怖くないわよ、今からは私達が一緒に居るからね、琥珀ちゃんが何か思い出せるようになると良いわね」


琥珀は月花に抱きしめられ、照れながらも喜びを顔で表す


・・・・・・


そして月花は琥珀を連れて本来の目的に向けて動いていた。


月花「さて、とりあえず交霊術とかに詳しい人が居ないか情報を集めないとね~」


月花はそういうと自分の携帯を取り出し、ネットやSNS等で情報を探る、その間機械に疎いセキは琥珀と話して時間を過ごしていた。


セキ「月花よ、そもそもそれはここに来る間やホテルでも出来たことじゃろう、何故先にやらなかったのじゃ」

月花「うう、うっかりしてたのよ、いいでしょ~私だってミスくらいあるわよ~」


月花はそう言いながら京都の寺等を調べていく、


セキ「そもそも交霊術を得意としている、っとそのネットというものに書くものなのかのう?一般人からしたら胡散臭いと思うのじゃが」

月花「確かにそうね、私達からしたら身近だから理解してたけど普通の人からしたら【交霊術】なんてオカルトくらいの感覚でしかないわよね」


月花はそう言うとネットでオカルト関係で検索を掛けていった


琥珀「月花とセキも人を探してはるん?」

セキ「そうじゃ、じゃが知人じゃないからのう、わらわの目的に適した人物が何処に居るかからなのじゃよ」

琥珀「交霊術?やっけ?そんなのあるんやな、ようわからへんけど」


月花はセキと琥珀の会話を聞きながら少し琥珀について違和感を感じ始めた


月花(そういえば琥珀ちゃんってあんなに小さいのに喋り方が凄く訛りが入ってるわね、今どきあそこまで訛り入ってる子って居るのかしら?それに和装なのに金髪、でも見た感じ外人特融の顔立ちでもない、よく見る日本人特有の特徴を持ってる、不思議なのよね~)


月花はそう考えながら琥珀をずっと眺める


月花(今どきにない和装、白い肌、金色の目に、金色の髪、訛りの強い喋り方、動物の耳・・・)

月花「ん?」


月花は今自分の考えていたことで強い違和感を感じた。


月花「あれ?どこもおかしな所ないわよね?なんで今違和感を感じたのかしら?」

セキ「どうしたのじゃ?月花?」

月花「いや、なんでもないわ、それより琥珀ちゃん、結構歩くけど大丈夫?電車とかも?」

琥珀「電車?うん、多分大丈夫やで」

月花「??、まあいいわ、辛くなったら我慢せずに言ってね、いつでも休憩するからね?」

琥珀「ありがとう、月花」


そう話すと月花は検索を続ける、そしてとある京都の学校のオカルト板で交霊術等の記事が目に留まる


月花(私立伏見暁学園のオカルト研究部の部活動記録か、学生の記録だから信憑性は高くはなさそうだけど、一応今の私達は情報ひとつない状態、藁にでも縋りたい状態・・・目を通すだけでも何かヒントが得られるかもしれないわね)


月花は考えるとその部活動記録を確認する。すると交霊術の歴史に触れた記事を見かける


月花(おお、交霊術に関すること調べてるじゃない!しかも他の記事も見てみたけど地元の歴史と伝統に基づいて調べてたり、歴史的お寺に直接取材に行ったりもしてる、思った以上にしっかりしてる部活だわ、偏見でオカルト部って名ばかりの特に活動しない部活ってイメージだったわ、反省ね)


月花は想定以上に出来の良い記事に感心していた、歴史と伝統に基づいた根拠のある記事、よくある根も葉もない記事ではなかったため、月花の想像以上に有益な情報を得られそうだった。


月花(京都で有名なお寺というより、マイナー、多くのお寺や観光名所とかで完全に名前が埋もれてるような隠れ名所を主に記事にしてるから、かなり有益な情報だわ、特にこの交霊術!)


その記事は現在更新中のため、まだ詳しい詳細が表示されていなかった。


月花(部活動だからね、やっぱり本職と違って更新頻度はそこまで高くないわよね、これは直接伺うしかないかしらね)


もしかすると記事に出来ていないだけで取材等は完了している可能性もあれば、取材予定のお寺等を紹介してくれるかもしれないと考えたのだ。


月花「よし!セキ!琥珀ちゃん!目的地が決まったわよ!」

セキ「おお!それでどこに行くのじゃ?」

月花「私立伏見暁学園!!そしてここは丁度その近く!!」

セキ「学校のう・・・月花よ、今日は普通に平日じゃぞ?」

月花「知ってるわよ、平日に優雅に京都の街を散策出来て優越感だわ!」

セキ「冗談はいいのじゃ、それでどうするのじゃ?」

月花「今はまだ昼前って所ね、それじゃあ今のうちにその学校に行って、アポを取るしかないじゃない!いきなり放課後に行って職員さんや部員の人を困らせたくないもの!」

セキ「そうか、それじゃあ、早速行くかのう」

月花「その後はどうせ時間あるし観光と行きましょ!」

セキ「ちゃっかりしておるのう、まあわらわも気にはなるがのう」

月花「じゃあ琥珀ちゃん!一緒に行こう!」

琥珀「うん」


三人は目的の学校に向かい、数十分の移動で到着する

そして学校入り口には警備員が居たため、月花は要件を話し、オカルト部に放課後話せないかと相談する


警備員「そうですか、私は少しそのような事には疎いので、少々ご確認致しますので、お時間を頂いてもよろしいですか?」

月花「はい、数十分前にこの学園の事務所にはご連絡させて頂いておりますので、要件と私の名前を言ってもらえれば話は通じると思います。お忙しい所すいません。」


月花は先ほどとは違い、お淑やかな雰囲気を出し、手の仕草から目線の誘導、ひとつひとつの動作から完璧にこなし、警備員に話す、それだけで【只者ではない】という雰囲気を相手に本能的に植え付けることが出来る。


琥珀「月花、さっきまでとは全然違うやなぁ」

セキ「わらわの努力の賜物じゃよ」


セキは琥珀にドヤ顔を見せる。


月花「それじゃあ私は事務室に行ってくるから少し二人で待ってて」

セキ「わかったのじゃ、しっかりやるのじゃぞ」

月花「わかってるって!」


月花はそう言うと同時に警備員が校内から出て、手招きをする


月花「それじゃ行ってきます!」


月花は学園の事務室に行き、職員と話し、職員の同行を条件に学生からのお話を聞く事、情報漏洩しない事を条件に話を聞ける約束を取り付けた


そして月花は校舎から出て、セキ達の居た場所に戻る、だがそこに二人の姿はなかった。


月花「あれ?二人共いないわね?どこに行ったのかしら?」


月花が周りを見渡していると、セキのオーラを感知した。


月花(セキのオーラ!?まさか襲撃!??この時間帯で!?まずい!行かないと!!!)


月花は急いでセキの元に向かう


そしてセキの気配がする場所に向かうとそこには琥珀を守るセキとセキに向けて銃口を向けている少女の姿があった。


月花「セキ!!!」

セキ「月花!近づくんじゃないのじゃ!!」


銃口を向けている少女は月花に視線を送り、月花に話しかける


鏡月「なんやねん、お仲間かいな、はぁ、とりあえず原因を庇うんならウチは容赦せえへんで」


そして少女は二丁持つ拳銃をセキと月花に向ける。

挿絵(By みてみん)



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