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パトパト外伝月花録  作者: パトパト(パトパトチャンネル)
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百鬼夜行異変1話「京都到着」

月花はセキの訓練の厳しいリハビリを文句を言いながらこなし、時間をかけながら確実に京都へと着々と到着に近づいていた。


月花「まあ、多少は戻ってきたわね、慣れたらそうでもなかったし、流石私!」

セキ「そうじゃのう、最初こそは文句しか言って居らんかったがよくぞこの短期間でここまで調子をもどしたものじゃ!」


挿絵(By みてみん)


セキはそう言いながら月花にペットボトルを渡す

月花はセキから貰った飲み物を少しずつ飲みながらタオルで汗を拭う


月花「まあ、別に基礎体力とか、筋力が落ちたわけじゃないしね、オーラなしでも一般男性以上の体力とか筋力はあると思うし」

セキ「そうじゃのう、礼花には感謝せねばのう」

月花「鬼のような訓練を文句言わずにこなした私も充分偉いと思うわ」


月花は飲み物をその場で飲み干すと身体全体にオーラを纏い、移動を開始する、能力こそ使えないが、移動速度はかなり早くなっており、早ければ次の日の朝には京都に到着する予定だった。


・・・・・・


月花とセキが移動し続け、そして想定より早く京都に到着した。


月花「思ったより早く到着したわね、後はビジネスホテルでダブルの部屋があればいいんだけど」

セキ「そうじゃのう、生憎ここまでの道のりを見て来たがまったく被害がなかったからのう、それは少し安心したわい」

月花「そうね、日本でもっとも被害を受けたのは四国地方と関東地方、元々関東地方、主に首都狙いだったのと、テロリストが私達四季家を標的にしたことが原因だからね・・・」


月花は悲劇を思い出していた


・・・・・・

(回想)


全世界で起きたテロ、元々その報道は知っていたが、四国はそれまで不自然な変死体こそ出ては居たが、災害などはまったくなかった、だが、テロリストの首謀者である『ラウダー・オッフェンス』『ダンテ・ヘルビネート』の二人が地球防衛軍第二隊長、月花の父である『四季 凍夜』の家族をみせしめとして殺害する目的で四季神社が襲撃され、その周辺の街もテロの被害を受けた


ダンテは悪魔導士、結界から下級悪魔を多数召喚し、街の住人に襲わせ、『音』を操るラウダーはあらゆるスピーカーや、人間の鼓膜から精神を狂わせる音を発し、住民同士が襲撃しあい、殺し合うという地獄絵図を作った、そんな首謀者を当時その場に居た月花と、妹の『四季 芦花』が首謀者二人を討伐し、世界テロは終焉を迎えた。


そして冥界で同じく世界テロを阻止していたというパトと2人の妹『四季 雪花』『四季 桜花』からパトが精神を壊し、廃人状態になっていることを知り、現状の街の状況と自分が愛した男性の生命の危機を迫られ、悩んだことも覚えている。


月花(あの時、私はお母さんに相談した、私は四季神社の後継者、街の状況だって最悪だった、人だって少ない中、私やお母さんのような能力者はかなり貴重な人材だったのも知っていた、それに芦花が首謀者の一人と戦って、片目を潰されるという重症を負って、内心気持ちはかなり切羽詰まっていた・・・)


だがそんな中、月花の背中を押してくれたのは礼花と芦花の二人だった。


礼花「街だって、住民だって、重症の患者を治すことだって、凄く大事な事・・・だけどそれ以上に家族を助けるのは何よりも大事な事よ、それが今出来るのは月花しかいないのなら、貴女は全力で雪花達の手助けをしなさい!」


そして雪花の説得で天界に行くことを決めた芦花からは


芦花「最初はあまり気乗りしなかったよ、でもね、雪花姉凄く必死だったんだ、それにパト兄のことで一杯一杯のくせに私の心配までしてくれた、抱きしめてくれたんだ、だからさ、私が力になってどうにかなるのなら全力で尽くさないとな~って思ったんだ、悪いね月花姉、月花姉だってパト兄の事好きだったのにね」


首謀者を倒した芦花は間違いなく強かった、だがその芦花を姉妹の中で一番の落ちこぼれだった雪花が四季第二開放を使って芦花を倒したと聞き、『雪花にはあって、自分にはないもの』が微かに感じ始めた記憶もあった。


そして雪花が天界でパトを救い、専属神となり、自分が好きだったパトと添い遂げる事になった現実と天界出発前ではまだ雪花より圧倒的に強かった自分だったが、天界の頂上で会った時、雪花に全て抜かれたことを目の当たりにし、天界前に感じた物の正体を実感した。


『一つの事に必死になること』


私は昔からなんでも出来た、自分が優秀である自覚もあった、なんでも持っていた故に『ただ一つの事に対して必死になること』がなかったのだ。


だが次女 雪花は、生まれから不運が続き、自分とは違い、何も持ち合わせず、努力をしても努力をしても実らず、勉学も平凡以下、一時は修行をサボっていた雪花の双子に妹である桜花に負けたこともあった、雪花は間違いなく『何も持ち合わせていなかった』故に『たった一つの成果に必死に頑張っていた』


結果、その絶対的な強い意志が今の現状を生み出し、全てが逆転した。

今となっては雪花が自分の欲しいものを全て手に入れ、私は今、何も持っていなかった。


(回想終了)

・・・・・・


月花は今までの事を思い浮かべ、先ほどまではなかった自分の手のひらに広がる汗を眺める、


月花(これは報いなんだ・・・だからこそ、自分の力でこの状況をどうにかして、パトの隣に立つに相応しい自分になる、そのチャンスを貰った以上、絶対に無駄にしたくない!!)


月花は無意識のうちに握りしめていた手をほどき、セキに話しかける


月花「セキ、ここからが本当の始まりよ、今までの慢心な四季月花はもういない、ここに居るのは『何も持たない 四季月花』、だからこそ、髪も切ったし、学校も辞めた、捨てれるものは全部捨てた。」


セキは月花の暗い表情から今までの事を思い返していたのだと理解した。


セキ(月花、そこまで自分を追い込む必要はないじゃろう、お主だって何も努力をしなかったわけじゃない、お主は誰よりも責任感が強く、それゆえに姉妹の長女として恥じない優等生を演じて来たではないか・・・何故全ての自分を否定するのじゃ・・・)


セキはずっと月花の傍に居たが故に理解していた、セキから見たら月花は努力していた、

自分の気持ちを抑え続けながら、妹達が自由に生きられるようにと昔からずっと努力していた。


だがそれが仇となってしまったのも事実だった。セキから見れば月花はただ不運だったのだ。

だからこそセキは月花が望む道を傍で見届けたいと考えていた。


セキ「そうじゃのう、再度頑張ると決めたのならやり切ったらいいのじゃ、わらわはそれは誰よりも近い所で見守っておるからのう」


セキは微笑みながら月花に言い、月花はセキの表情を見て、決意を再度固める


日本 京都


ここでまずセキを月花の中に戻す手段を見つけ、本来の能力を取り戻す、そこから当初の目的通り、自分の可能性の旅を始める。京都はその大舞台の最初の舞台だった。


秋の心地よい金木犀の香りを纏った夜風の中で月花とセキは互いを見つめあう。


月花「ホテルに入ろう、明日から本番よ!」

セキ「そうじゃのう、頑張るのじゃぞ!月花」


そうして二人は空いているビジネスホテルを見つけ、ここまでの道のりの疲れを癒し、次の日に向けて準備をする。


・・・・・・


【京都 深夜】


まだ満月になりきっていない月の灯りの下、一人の人物が京都の街を眺める


鏡月「嫌な空気やな、ほんまにこのままやと起きてまうで、百鬼夜行が・・・」


そう呟くウサギの耳を生やした紫髪の短髪少女は険しい顔をしながら高台から街を眺める


鏡月「こないな所で百鬼夜行が起きてもうたら・・・ここ周辺の種族間の戦争が起きてまう、因幡も例外やない、早う対策せな、最悪関西エリアだけじゃのうて、九州や、東北、関東地方の組織も絡んでくるで」


鏡月はそう言いながら目を赤く光らせ、空中に漂う妖怪を狙い射撃する。


鏡月の一撃は漂っていた妖怪の頭部に命中し、妖怪はそのまま消滅する。


それを夜風を浴びながら眺める鏡月はボソっと呟く


鏡月「早う原因を見つけなあかんな・・・」


・・・・・・・


京都 朝


月花はいつも寝起きが悪く、いつもならセキに起こされるのだが、今回は自分から起きて準備をしていた。


セキ「月花、おはようなのじゃ、今日は珍しく早いのう」

月花「ええ!やっとここから始まるんだから!気合が入るってものよ!」


月花はそう言いながら服を着替え、髪を整え、支度を終える


月花「さあ!セキ!準備はいい?まずは情報集めよ!」


月花は張り切っていた、そして昨日の夜とは違う月花を見て内心安心するセキは「頑張るぞ!月花!」と一緒に気合を入れた


・・・・・・


京都 街中


挿絵(By みてみん)


月花「わあ!活気に溢れてる!流石京都!」

セキ「わらわは地元の方が好きじゃのう、静かな方が居心地いいわい」


セキは人混みに当てられ、少し疲れているように見えた

月花はというとそもそも学校が東京の女子高だったため、人混みにそこまで抵抗はなかった。


月花「さて、はしゃいでばかり居られないわね、八つ橋はどこかしら?」

セキ「月花よ、目的を見失っておらんじゃろうのう?」

月花「っは!!なんてこと!!私としたことが身体が勝手に甘いお菓子の事を!!?」


月花はそう言いながら八つ橋を売っている店を探し始めた。

セキ「お主・・・」

月花「セキ、食料調達は立派な作戦よ!」

セキ「ならお主はこの京都で常に饅頭を食べるということじゃのう?」

月花「それは流石に飽きるわ、でもまずはこの頭脳を働かせるための糖分!これだけは譲れないわ!」


セキはやれやれと言いながら月花の後を追い続ける。

そして八つ橋を売る店に辿り着き、月花が多くの種類がある八つ橋を選び悩んでいた


セキ「月花よ、悩んでないで黒ゴマを取って早く会計するのじゃ」

月花「なにサラッと自分の分をチョイスしてるのよ!だってどれも美味しそうなんだもん~~」

セキ「ならば何種類も入っておる奴を買えばよかろう、わらわは黒ゴマだけあれば」

月花「それもそうね、セキの黒ゴマ味も単品で買えばいいわよね?」

セキ「うむ!任せたぞ!」


月花はそういいセキと自分の分の八つ橋を買い、店の外で待つセキと合流する。


月花「さて、とりあえず座って食べれる所と自動販売機をっと」

??「お姉さん、お姉さん、よろしければそのお饅頭を少し分けてくれないかな?」


ふいに後ろから月花の服をクイクイっと軽く引っ張られた、そして月花が振り向くとそこには小さな金髪の少女が居た


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