プロローグ2
月花はセキと少し離れた洋服店でセキの下着等の衣服の買い物をする
セキ「虚しいのう、以前までは少なく共若い人間が多くこの店に訪れておったのに・・・」
月花「今はそれどころじゃないからね、ほら、戻りましょう旅の準備の続きをしないと」
月花がそういうとセキは質問をする
セキ「旅をするのは良いのじゃが、一体どこに向かうつもりなのじゃ?目的もはっきりしておらんのに目的地が決まるとは思えないのじゃが」
セキの言い分に関して月花は「うっ」と息を詰まらせる
セキ「やはりのう、とりあえず今の月花は能力をまともに扱えないのじゃ、そしてこの町は治っておるが隣町はまだ復興が出来ておらん、つまり交通機関は当てにならん、そして四国は島じゃ、本州に行くにしてもじゃ」
月花「はあ、能力や交通機関が使えないって不便ね、こんな田舎なら尚更・・・」
月花は頭を抱えながらこの後の事について考える
セキ「これ!そんな恰好で歩くんでない!乙女ならしっかりとした姿勢で歩かねばみっともないじゃろう!」
月花「はいはい、わかってるわよ」
セキ「返事は一回なのじゃ!!」
セキはどんな時でもセキだった。
・・・・・・
二人は四季神社に帰ってきた、そこには母である礼花が待っててくれていた
礼花「遅かったわね、結構遠くまで行ったのね」
月花「ええ、店はしっかりとしてたけどやっぱり人は全然いないわ、当然だけどね」
月花は少し暗い顔で礼花にそう報告する
セキ「後、交通機関も復興しておらんからのう、旅に出るにも少々弱っているのじゃ」
月花「そうね、それになんというか目標はあるんだけど、目的が・・・ね」
月花は少し罰が悪そうな感じで礼花に話す
礼花「目的ならはっきりしてるでしょう」
月花「何?」
礼花「まずは月花がちゃんと能力を使えるようになること!そしてオーラをしっかり使いこなせるようになること!そしてセキ様を月花の体内に戻す術を探す事!ほら!今だけでも3つの課題が出て来たわよ」
礼花は月花の背中をバン!っと叩き
礼花「しっかりしなさい!月花、私とお父さんは月花の成長と夢を信じて背中を押してあげたの、なのに初っ端から背中曲げてたら威勢を放ったお父さんに笑われちゃうわよ」
礼花はそう月花に言う
月花「そうね、ごめんなさい、少しウジウジしてたわね、しっかり前向いて歩かないと!」
礼花「そうそう、貴女は私の自慢の娘なんだから悩んでもしっかり前を向いて笑顔!絶対に苦しい顔は見せてはいけないわ」
セキ「そうじゃのう、じゃがわらわや礼花には見せていいんじゃよ?その変わり、月花に期待を持つ者の前ではしっかりと」
月花「ええ、わかってるわ、セキ、ありがとう、それは昔からずっとやって来てることだからね、得意よ私」
月花は自分の胸に手を当て、威勢を放つ
礼花「お腹すいたでしょ?ご飯作ったから食べましょう」
月花「うん!セキも一緒に食べよう!」
セキ「そうじゃのう!わらわは礼花の作る料理の味が好きなのじゃ!」
三人は机を囲んで今後の事について話、そして各自お風呂に入り、就寝する
月花「セキ、狭くない?」
セキ「月花こそ狭くないかのう?悪いのう、わらわは下でもいいんじゃが」
月花「ダメ、セキは大事なんだから」
セキ「わらわも月花が大事なのじゃ」
月花「なら一緒に寝るしかないわね」
セキ「そうじゃのう」
二人はそう話すとクスクスと笑いあう
月花「セキ、本当にごめんね、あの時セキを置いてけぼりにしようとして」
セキ「そうじゃのう、あの事を思い出すと今でも泣きそうになるのじゃ」
月花「でも本当にセキが私の傍に居てくれて良かった・・・多分私・・・セキが居なかったら既に折れてた・・・」
セキ「そうか・・・なら一緒に居てあげないとのう」
そういうとセキは月花の頭を抱きしめ撫でる
セキ「ずっとこうしたかったのじゃ、ずっと月花は我慢ばかりしてずっと苦しい事を抱えておったからのう、だからこうやって頭を撫でて褒めてあげたかったのじゃ」
月花「もう、子供じゃないんだから」
セキ「子供じゃなくても褒められたいものじゃよ、じゃから今こうやって月花の覚悟や頑張りを褒めるのじゃ・・・」
セキは優しく月花の頭を撫でる、月花は恥ずかしさと心地よさの中、一日の疲れが襲い、そのまま眠ってしまう。
セキ「寝たのう、やっとこうやって本当の意味で傍に居てあげられるのじゃ・・・わらわが月花の傍にずっと居てあげるのじゃ・・・」
セキは愛おしい娘を見るかのような優しい目で月花を見つめ、そのまま眠りにつく・・・
・・・・・・
翌朝、セキが目を覚ますと横でだらしない格好で呑気で幸せそうな顔をした顔の月花の寝顔があった
セキ「むう、良く寝ておるのう、仕方ない、わらわが朝食の準備をしてあげるのじゃ!」
セキはそう言うとすぐに身支度をし、台所で準備を始める
そして朝食の準備が出来た頃には礼花も起きて来て居間でセキに言われくつろいでいた
だがそうこうしている間でも起きてこない月花を起こしにセキは月花の部屋に向かう
セキ「月花!!いつまで寝ておるのじゃ!起きるのじゃ!!」
月花「う~~ん、後数十分・・・」
セキ「却下なのじゃ!!ほれ!起きないと~~」
セキは寝ている月花の脇腹辺りをコチョコチョっとくすぐる
セキ「ほれほれ~~早く起きんとずっと続けるのじゃよ~~」
月花「あっひゃぁぁぁぁぁぁぁ、わかった!起きる!起きた!目が覚めた!もうシャキ――ン!!」
月花がセキのくすぐり攻撃に屈し、起き上がる
月花「もう、毎度毎度その起こし方は辞めてほしい・・・」
セキ「羽毛がない分効果が薄れたのが惜しいのう、ほれ、服がはだけて胸元が見えておるぞ、しっかりせんか」
月花「セキがくすぐるからでしょ~~ふぁぁぁ~~」
月花はのそのそと着崩れた服を整え、そのまま居間に向かう
月花「おはようお母さん」
礼花「おはよう、ほら、早くご飯食べて準備しなさい、今日出発するんでしょ?」
月花「うん」
礼花「行き先決めたの?」
月花「とりあえずセキを私の体内に戻す方法を見つけるわ、そのためにはまずは京都、なんか交霊術とか詳しそうだしね」
礼花「京都ね、確かにあのあたりなら本職の人も多いし、ありね、」
セキ「交通手段はどうするのじゃ?月花?」
月花「とりあえず本州に入るまでは自力でどうにかするわ、オーラが使えれば多少はどうにでもなるし、それにセキは普通に能力使えるんでしょ?」
セキ「そうじゃのう、確かに普通に使えるが・・・ならわらわが月花を連れて行くのはどうじゃ?」
月花「そうね、それは本州に入ってからお願い、それまでは自分を鍛えなおすって意味で頑張ってみるわ」
月花は一応就寝前に今日からの課題について考えていた
月花「まず私は昔からだけど、セキや能力に頼った生活をしていた、だからいまこうやって全部失ってから苦労してるだからとりあえず自分の力、オーラを使いながらどうにかする手段を身に着けたいの」
礼花「そうね、それらの技術は私が教えてるから大丈夫よね?」
月花「うん、とりあえずやり直すならまずは基礎から!ってね!」
月花はご飯を食べ、立ち上がりドンっと胸を叩いて見せた
月花「さあ!セキ!荷物を持って!出発するわよ!!」
セキ「その前に食べ終わったら【ご馳走様でした】そして作ってもらったのじゃから恩返しに片付けをする、何度も教えたはずじゃよ?月花?」
月花「ブレないわね・・・」
月花は朝食の片付けを終え、旅の荷物を持ち、セキと共に四季神社を後にする
礼花「頑張って来なさい、月花」
月花「お母さんもこんな広い神社に一人にして本当に悪いけど、お願いね」
礼花「私は平気よ、それを言うなら今までずっと東京の学校を寮も借りずに実家から通っててくれた月花の思いやりにお母さんは嬉しく思うわ」
月花はずっと四季神社の跡継ぎとして育てられたが、別に寮を借りて東京に住んでいてもよかったのだがそれをしなかった、それは母がひとりぼっちになってしまうからという月花の気遣いから来ていたものだった。
月花「行ってきます!」セキ「行ってくるのじゃ!」
礼花「行ってらっしゃい!」
そして二人は京都に向かうためにまずは一番近い橋を目標に向かう
月花「えっと、京都なら【大鳴門橋】か【瀬戸大橋】か・・・」
セキ「一番近いのは【しまなみ海道】じゃのう、」
月花は考えどの橋から本州に進むか考える
月花「あまり時間はかけたくないからとりあえず真ん中くらいにある【瀬戸大橋】にするわ、そこから岡山についてから兵庫~ってね」
セキ「了解なのじゃ!」
月花達は京都までの道のりを決め、歩き出す
・・・・・・
数時間後
月花がまともに使えないオーラを使って走っていた
セキ「ほら!しっかり走るのじゃ!この程度で休むのならわらわが能力で京都に連れて行くのじゃ!」
月花「だめーー!!お母さんの前でかっこつけておいてそれは絶対ダメーー!!」
遡る事数時間前
・・・・・・
月花「ああは言ったけど、ただ歩いてオーラの調子を伺うのも暇ね、何かすることないかしら?」
セキ「何を言っておるのじゃ月花、基礎からやり直すと言ったではないか、つまり体力作り!走るのじゃ!マラソンなのじゃ!!」
月花「いいわね!セキは知ってると思うけど私運動神経も抜群なんだから!そんなことしたら今日中に四国抜けちゃうかもね~」
セキ「知っておるぞ、オーラをまともに使っていた時代の月花ならそれくらい容易いじゃろうのう、じゃが、今はどうかのう」
セキは月花に挑発的視線を送り、月花がそれに答える
月花「上等じゃない、そこまでセキになめられてるとは心外ね、見せてあげるわ、私の本気」
・・・・・・
現時点
月花「ごめん!ごめんなさい!許して!!許してください!!休ませて!!ギブ!ギブ!横腹がーーー!!」
セキは月花の疲れ切った顔も見て、満足そうに
セキ「喋る元気があるなら平気じゃ!あと1時間は走るのじゃ!ペースは落としてもよいが歩いてはダメじゃ」
月花「鬼ーーーーー!」
セキ「鳥じゃあ!!」