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パトパト外伝月花録  作者: パトパト(パトパトチャンネル)
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プロローグ1

挿絵(By みてみん)


月花はパト達を見送った、それは成長をするための旅、そしてそれは自分自身にも言えることだった。


セキ「月花、準備はまだかのう?わらわの衣類、これだけでは心持たないのう」


【セキ】赤色の髪、赤色の目、ハーフロングの髪型で少し古臭い喋り方をする女性が月花に話しかける


月花「セキはそもそも朱雀だったんだから服がないのは当たり前じゃない、というか今着てる服みたいなのでいいじゃない」

セキ「馬鹿を言う出ない月花よ、これはわらわの羽毛で編み上げたものじゃ、実質裸と変わらないのじゃ」

月花「でも今この町はさっきまでの争いのせいで、呑気に買い物行ける程の余裕なんてないわよ」

セキ「わかっておるのじゃ、じゃからお主の母親の礼花に何着かおすそ分けしてもらってほしいのじゃよ」

月花「お母さんの?でもお母さん昔から全然老けてないから服のセンスあまり変わってないわよ?」


月花はそう言いながら、自分の古着をタンスの中から探す。


月花「とりあえず私とそこまで身長変わらないし、私の服で我慢してよ」


月花は自分のタンスから適当な服を見つけ、それをセキの近くに投げる

そしてセキは少し不満そうに月花が投げた服を掴み、広げてみる


セキ「若すぎはせんかのう・・・わらわは朱雀で1000年を生きた鳥じゃよ?」

月花「そうでも今の見た目は私と対して変わらないくらいの女性なんだからそれくらいのおしゃれをしても問題ないわよ」


・・・・・・


四季 月花


年齢18歳


白髪、片目青色、片目桃色のオッドアイを持つ、髪が肩に掛かるか掛からないくらいの長さで前髪がパッツンの女の子


ついさっきまでは両方青色の目をしていたのだが、パトにキスをしたのが原因で片目が桃色に変化したのだ、セキはその拍子に月花の体内に居た朱雀という神鳥は種族という分野から大幅な進化をして、【赤帝聖神鳥】という種族の神鳥に進化し、人の姿を手に入れたのだ。


月花の家系は【四神】と呼ばれる4大神獣を祀っている神社で、代々四季家は四神と共鳴力が高いポテンシャルの高い子供に四神を憑かせ、四神の力を扱える神主、巫女を継いできた。


月花もそれは例外ではなく、月花は【朱雀】を生まれて間もない頃に憑かせ、18年間朱雀は月花の面倒を見てくれていた。

月花は先代の四季家以上の共鳴力を持っており、本来憑いてもそれを認識するのは不可能なのだが、月花は最初から朱雀と話す所か、存在を認識し、触れる事まで出来ていた。


つまり四季月花は四季家代々の中で最も優れた巫女なのである


・・・・・・


月花「とりあえず!セキに似合う服は旅先で選ぶから今は私の服で我慢して!」

セキ「わかったのじゃ、これ以上わがままを言っても仕方ないからのう」


セキは諦めたような素振りを見せながら広げた服を華麗に畳み、カバンの中に仕舞う。


セキ「それで月花よ、下着はどうしたらいいのじゃ?」

月花「ええ、セキでも流石に私の下着をつけるのは嫌でしょ?」

セキ「そうじゃのう、それは流石にわらわ専用の物が欲しいのじゃ、それも流石に買えないのかのう?」


セキは困ったような素振りで月花に問う


月花「仕方ないわね、今世界中被害を受けてるからまともに宅配が届くかも怪しいし、こればかりは買いに行くしかなわいね、ちょっとささっと買ってくるわ」


月花はそういうと自分の財布を持って、窓から出て行こうとする。だがセキは慌てて止める


セキ「待つのじゃ!今わらわは月花の体内に居ないのじゃから能力は使えぬぞ!?」

月花「え!そうなの!?」


月花はセキの注意を聞いた時には既に2階の窓から飛び出していた


月花(大丈夫!これくらいの高さなら全然問題ないわ!)「っていたたたたたたたた!!?」


月花は上手く着地が出来ないままそのまま一階の庭へ落ちる


セキ「月花!大丈夫かのう!」

月花「ううう~~、大丈夫だけどなんで~~」

セキ「今の月花も人ではなく神に進化しているのじゃ!じゃから人である頃に感覚のままでは上手く体内のオーラを扱えないんじゃろうな、それに加え、わらわが月花の体外に出ておるから能力も扱えない、つまり今の月花は普通の一般人と変わらぬというわけじゃな!」

月花「そ、そんな~~」


月花は自分の腰を摩りながらジャンプで2階の自分の部屋まで飛ぼうとするが、やはりまったく飛べていなかった


月花「これは・・・かなり重症ね・・・」


月花は自分の身体能力の劣化を感じ、どうしようもないためそのまま玄関から自分の部屋に向かうそこで月花の母親、四季礼花が話しかける


礼花「ちょっと!何があったの!?さっき裏庭の方から月花の悲鳴が聞こえたけど!?」

月花「ちょっとね・・・」


そう言いながら腰を摩っている月花の姿を見た礼花はなんとなく状況を察した


礼花「まさか上手く能力が使えなかったの?」

月花「・・・はい、まあ、原因はわかってるんだけどね、ほら、セキが今私の外に居るでしょう?だから今の私は能力が使えない状態ってわけ」

礼花「能力が使えない?でもオーラは扱えるでしょ?」

月花「それがちょっと今までとは要領が変わっててオーラが上手く扱えないの、つまり割と大変な状態ってわけね!」

礼花「わけね!じゃないでしょ!貴女!能力もオーラも扱えない状態で旅に出るつもり!?」

月花「ええ!時間は有限だし、パトはもう前に進んでるんだよ!これくらいのことで立ち止まってなんか居られないわ!それに能力に関してはセキを体内に戻せば問題ないし!大丈夫大丈夫!」


月花はそう礼花に言っている間に自分自身に疑問を抱く


月花(あれ?そういえばどうやってセキを体内に戻すんだろう・・・)


月花「お母さん、セキってどうやって私の体内に戻るか知ってる?」

礼花「知るわけないでしょう・・・朱雀様本人に聞いてみたら?」

月花「そうね、最悪お父さんに聞けばいいか!」


月花はそういうとそのまま自分の部屋に戻る


礼花(あの子大丈夫かしら・・・)


月花は自分の部屋のドアを開ると動揺したセキが自分の部屋であたふたしていた


セキ「月花!大丈夫だったかのう!怪我は~打撲しておるのう!ほれ!おしりを出すのじゃ!わらわが治療するのじゃ!」


セキはそう言うと月花を無理矢理ベットに押し倒し月花の履いていたズボンをお尻が見える所まで下げ、すぐに治療にかかった


月花「ちょっと、他人にお尻を見せるのってすっごく恥ずかしいんだけど・・・」

セキ「何を言ってるのじゃ、そんなの普段から毎日見ておるから全然気にならないのじゃ、なんなら一人であんなことをしてることじゃって」

月花「あーー!あーー!いいの!そんなことまで言わなくても!!もう・・・わかっていたとは言え、人の姿で口で言われると凄く恥ずかしい・・・」


月花が顔全体を真っ赤にしている間に打撲の治療を終える


セキ「ほれ、治療完了したのじゃ、わらわも一緒に行くから少し待っておれ」

月花「はあ・・・年頃の乙女の秘密をセキに知られてるなんて・・・絶対に他人に言わないでよ!!」

セキ「安心するのじゃ、それに自慰行為は身体が健全の証!恥じる事ではないぞ!もちろん他人にそんな事を言うほどわらわは常識外れではないぞ!今まで誰が月花に教育してきたと思っておるのじゃ!」

月花「でも以前お父さんとお母さんの前で何か言おうとしてなかった?」

セキ「ああ、あれは月花が恋焦がれているパト坊と恋仲になってあんなことやそんなことをしている妄想をして顔真っ赤にしながら枕を抱いている恒例行事を・・・」

月花「それもアウトなやーーーーつ!!!!」


挿絵(By みてみん)


月花は大声でセキにツッコみを入れる


月花「ほら早く着替えて!難しいなら私が手伝ってあげるから!」

セキ「その時は頼むのじゃ」


セキはそう言うと慣れた手付きで軽やかに着替える、その様は作法を全て理解した者が扱える所業、一種の芸術とも思える仕草だった。


月花(流石セキね、私の態度に日頃からネチネチと文句をつけてくるだけあって、動きに気品がある、初めてとは思えない人間の動き・・・本当につい最近まで鳥だったのよね?)


月花はセキの着替えを見ながら自分のだらしなさにガッカリする


セキ「ほれ、月花、準備出来たから行くのじゃ!財布はちゃんと持っておるかのう?」

月花「ええ、それよりセキ?セキってどうやって私の中に戻るの?」

セキ「さあのう、今までこんなことはなかったからわからんのう」

月花「セキでもわかんないんだ、とりあえず行こうか」


二人はそのまま家を後にし、商店街まで徒歩で歩く


四季神社、月花の家は日本の四国地方にあり、自然豊かで都会とは違い高い建物がまったくない町がほとんどの場所で育った。そしてお店も都会とは違い若者向けな綺麗で豪華なお店ではなく古き良き雰囲気を出した年季の入った建物が多く立っていた。


月花「やっぱり町は綺麗になってもそこに居た住人がいない分寂しい感じになっちゃったわね」

セキ「そうじゃのう、ほとんどシャッターが降りておる、このままじゃと少し離れた洋服屋に行くしかないのう」

月花「そこも怪しいと思うけどね、でも町の外見が完全に復興したおかげでガスや水道関係がちゃんと使えるようになったのは良かったわ」

セキ「じゃが工場が以前より活発に動いておらんから、電気もカツカツな上に、食品関係や日用品関係は時間の問題じゃよ」

月花「そうね、人員不足・・・こればかりはすぐには無理ね、専門職の人も居るだろうし、これからここだけじゃなくて、日本、いや被害を受けた世界全域が苦労すると思うわ」


月花はこれから先の問題について考える、それだけで心の奥底が暗く沈んでいるのが自分自身でもわかった


月花「でも今こうやって生きている私達が踏ん張らないと・・・だもんね」


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