思わぬところに協力者がいた。
私の殿下に興味が湧いた発言から灰になってしまったお父様だったが、すぐに立ち直ったかと思うといそいそと工房を出ていった。
取り残された私は、お父様が帰ってくるまで待っていたほうがいいのかそれとも退出してもいいのか分からずしばらく、お父様の工房に並んでいる魔導具などを見るとこにした。
この世界はゲームのタイトルでお察しの通り「科学」ではなく「魔法」が発展しているファンタジー世界でもある主に貴族や宮廷魔術師として働いてる人たちは個々に工房を持っている、その他市民に関しては共同の工房が提供されている。
工房とは、簡単にいえば魔法の研究所だ。それ故に貴重な研究資料がたくさんあるため工房自体に封印や罠が仕掛けられていたりはたまた家全体にそれが及ぶことがある。
なので、工房のものを触ることは危険だが見ることは可能だ。
お父様は、公爵で王国では王家の次に力を持っている。すごい地位にいるためかその椅子を狙ってお父様を狙うものや私やルーに取り入ろうとする貴族は数知れず。
うん。このせいもあってかゲーム上のメアリーは悪役令嬢と言われるにふさわしい子に育ったんだろうな〜。気をつけないと……
「お待たせメアリー!!工房から出てきて応接室に行こう」
「おかえりなさいませ、お父様。応接室……どちらにいかれていたのですか??」
「うん?ちょっと王宮まで」
「はい?」
体感時間にして15分程。帰ってきたお父様は一体どこまで行ってきたのかうっすらと額に汗を滲ませて、応接室へ移動しようと言う。
それに、どちらに行っていたのか問いかけるとなんとなしに王宮に行ってきたと言う。この短時間で王宮までいって一体何をしてきたの!?
開いた口が塞がらず、その場から動かなくなった私の手を引いて応接室へと移った。
「さぁ、メアリー。ご挨拶しようね」
「……はっ!あ、え、はじめましてメアリー・アルデバランです。よろしくお願いいたします。」
思考停止しいている中、またお父様の声によって正気を取り戻した私は、ぎこちないながらも言われた通り目の前にいるであろう人物に挨拶をした。
顔を上げていた人物は、王妃様だった。
「あら、クロスに聞き及んでいたとおおり可愛らしいお嬢さんね?」
「えぇ、えぇ!そうですとも!!さらにルートヴィッヒと並ぶとそれはもう可愛さ倍増ですぞ」
「いいわねー私もできるなら双子ちゃんがよかったわ〜二人いれば王位継承についても少しは尊重できるのに……」
「それは陛下と励むしかありませんな!わはははは」
「……お、お父様。どうして王妃様が我が家へ?まさか、無理矢理連れていたらしたのですか??」
「あぁ、すまないねメアリー。つい君たちの話に熱中してしまって、王妃様をお連れしたのはね殿下のお母様だからだよ」
それは知ってます!だから何故連れてきたのですか?王妃様もお暇ではないでしょうに……少し申し訳ない気持ちになった。
「クロス。それだけじゃメアリーちゃんには伝わらないわよ?私は、クロスにメアリーちゃんの相談にのって欲しいって聞いてきたの」
「あっ、それは……殿下に、お礼の品をと思って……」
「えぇ、えぇ!!あなたに興味を持ってもらえてとても嬉しいわ!あの子ったら王宮に引きこもり気味で将来どうなるのか困っていたのよ〜」
殿下ってこの時まさかの引きこもりだったの!?そこは、お忍びで城下に出かけていたりーとか婚約者探しの場にたくさん出ているものと思っていた意外だし、王妃様の言葉から政略結婚には後ろ向きのような感じがする。まさかこんなところで協力者がいたなんて!