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あらすじ
主人公たちはレアアイテムを手に入れた!
「ハアァァァア!」
拓武が持っている刀でゴブリンを切り裂いた。
「おぉーナイスゥ」
「いやいや、そんな棒読みで誉められたくないんだけど、咲真?」
「なんだとお前、せっかく人様が褒めたっていうのに」
「ちょっとバカ共! ゴブリン二体、来たわよ!」
怒られてしまった。まあゴブリンに気付かずに話続けていたのが悪いのだが。頑張って挽回するとしよう。
「先に右ゴブからいくぞ! 《エンチャント・スピードダウン》
拓武! 《エンチャント・パワーアップ、スピードアップ、ディフェンスアップ》!」
これが基本的に俺の仕事。二体以上の敵が来たら、一体を除いて黒魔術でスピードを下げ、白魔術で拓武のステータスを上げることだ。一応ケガを治すのも俺の仕事なのだが、いまだに拓武はケガをしていないのだ。
「ハアァァァア! ……ふぅ、そろそろ帰ろっか」
「えぇ、いいと思うわよ」
「俺も賛成~」
近くの拠点に戻ると、見た目四十代前半といったおっさんが出迎えてくれた。この人の名前はウェルダンといい、騎士団長にして二つのスキルを持つ、Lv60越えのめちゃくちゃ強い人らしい。
「お疲れ様ですな、勇者様方。あちらに御部屋を用意してあります。」
部屋についた俺たちは、ステータスの確認を行った。
[サクマ 白魔術師/黒魔術師 Lv5
HP 365/365
MP 419/683(+100)
SP 107/210
力 21
耐久 20
敏捷 25
器用 30
魔力 63(+15)
《スキル》
白魔術 黒魔術 魔方陣作成]
このステータスの横の+は指輪の数値である。どうやら、指輪の上昇値はLvに関係するらしい。
実践でわかったが、魔力は、一回の魔術で使える最大MP量だった。魔術の効果が使用したMP量に依存するなら、魔力はなんなのかと思っていたがこういうことだった。
新しいスキル、魔方陣作成は、紙などに魔方陣を書いて魔力を流すだけ。あとは任意で発動できるから、MPが余っているときにできるだけ作るようにしている。それにこの魔方陣、複数を同時に使えるのだ。普通に白魔術を使うと回復するのは 36 だが、二枚の魔方陣を同時に使うと 72 も回復する。黒魔術の場合は、作成した時に使った魔力で威力が決まるが、同じように同時に使うことが出来る。
「咲真。明日は午前中だけ戦って、午後からお城に戻るみたいだよ。ウェルダンさんが早く寝ろって。咲真の寝室は向こうみたいだよ」