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 やっぱりこの冷固之結界が惜しいな。何処で使うんだよこんなの。あれ? そういえば創る結界の効果って自由に決めれんの?


〔そうだな。まぁあんまり効果が複雑すぎると、一回張るのに凄い量のMPを持ってかれたり、そもそも形にならなかったりするけど基本的には自由だ〕


 となると、今のうちにいくつか便利な結界を創ったほうが良いな。今の俺は一人(と幽霊)。攻撃のスキルはパッと見無かった。この状況と俺のラノベ知識を活かすと……


「《反射之結界(はんしゃのけっかい)》《探索之結界(たんさくのけっかい)》」


 すっげぇー! 本当にラノベみたいになった! 俺を中心に半径一メートル位の半球が出来てる。MPを使えばもっと大きくなりそうだ。一旦半球の外に出てこれを叩いてみると、なんとなくダメージがこっちに来てる気がしないでもない。反射之結界はダメージの相手に跳ね返すイメージで作ったが、よくわからないな。もし石なんかが手に入ったら投げ付けてみよう。

 本当に凄いのは探索之結界の方だ。これはゲームなんかで見るマップをイメージした。この結界内に入ったらすべての動きが俺に筒抜けになる! みたいな感じだ。反射之結界よりもかなり広い、半径五メートル内の事が、頭の中に浮かんでくる。それに結界自体透明だから、頭に浮かぶ範囲からこれくらいの広さだろうと思っただけ。もっと広げたらもっと便利になりそうだ。


〔便利そうなの創ったな。でもお前、攻撃手段が反射だけってどうかと思うぞ。接近戦用のスキルも持っとくべきだな〕


 そうか? 敵の攻撃の瞬間に敵の攻撃力を上げて耐久力を下げれば倒せそうじゃないか?


〔そんなに上手くいくか? まぁ上手くいかなくてもその時でいいか〕


 なんか含みのある言い方だな。あれ?


〔なんだ? どうかしたか?〕


 いや、さっきから探索之結界を広げてたんだが、なんか反応があったんだよ。でもこれ魔力しかわからないみたいでさ、何なのかまではわからないんだよな。


〔どうする? いつまでも此処にいる訳にもいかないし、向かってみるか?〕


 そうだな。あ、危ないかもしれないから一応反射之結界を張り続けとこう。




〔で、その反応って何処にあったんだ?〕


 ここから直線距離で20メートル位だけど、かなり曲がりくねってる道みたいだからかなり有るかな。あとさっきから全く動いてないから動物とかじゃないかもな。




 ここの角を曲がればすぐ目の前だな。物音一つしないし本当に生き物じゃないかも。


〔油断するなよ。反射之結界は切らすな。今のうちにバフを掛けとけ。相手にかけるデバフの準備も〕


「……《エンチャント・フィジカルアップ》」


 そして角を覗き込んだ俺の目に入ってきたのは……


「ガイコツ? スケルトン!?」


〔いや、これはただの骸骨だ。なんの変哲もない、魔力なんて()()()()()()()()、な〕


 そんな筈はない。今も探索之結界は目の前に魔力の塊が有るって知らせてくる。


〔その探索之結界だが、もっと狭く出来ないか? 俺が創った結界は基本的に、素の状態よりも狭くすると効果が高くなったんだ〕


 言われて狭くしてみると……。魔力を持っているのはガイコツじゃなくてガイコツが身に付けているものだとわかった。

 ガイコツが身に付けているのは、大きな紫色の宝石を3つ、(ほそ)くて(こま)かいチェーンで繋いだネックレスと、骨の体をすっぽりと覆うほど大きな黒いマント。あとそばには黄ばんで表紙のボロボロになった本が3冊ある。


〔そのネックレスは知っているな。あれは宝石部分に魔力を貯めておくものだ。あれだけ綺麗な紫なら、相当な魔力が貯まっているだろう。魔力は多分、何らかの付与がされているとは思うが、それが何かはわからん。とりあえずネックレスをありがたくもらってMPを回復しておけ。結界の維持はかなり消耗する〕


 俺は恐る恐るガイコツの首からネックレスを外し、それを自分の首に掛けた。すると宝石部分にとんでもない程の魔力が集まっていることがわかった。吸収してみると、


[MP678/14060


MP14060/14060]


 と全回復してしまった。それと同時に右端の宝石が少し赤色に近づいた気がした。


〔このネックレスは便利でな。MPが満タンの状態から自然回復で出た余剰分だけを吸収する。お前のMPが決して無駄にならないんだ〕


 めちゃくちゃ凄いと思う。勝手に貯まって好きに引き出せるんだから。


「そういえばこの人、どうやって此処に来たんだ? 俺みたいに転移で跳んできたのか?」


 探索之結界で把握した範囲を含めて外に繋がる場所は見つかっていない。


〔どうだろうな。お前は此処に、座標を設定しないで跳んできた。転移の時に座標を設定しないと、世界中の何処に跳ぶかわからない。最悪、水の中に転移してそのまま溺死する可能性もあった〕


 え、それってめちゃくちゃ危ないんじゃ……。


〔そうだな。でもお前は生きてるんだし、これからも生き延びなきゃいけない。まずはここから外に出ないとな〕

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