表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/27

15

お待たせして申し訳ありませんでした!



あらすじ


五階層の敵の強さを体験した主人公たちは、新たな力を手にしていた!

「ここ、だよね?」


「ここ、でしょうね」


「ここ、なんだろうな」


 今、俺たちの前には、見上げるほど大きな扉があった。縦3メートルくらいとか、何が通ることを考えたんだろうな。

 五階層の探索中に、浮かび上がるように現れた黒い扉。赤とか金とかで、いかにもって感じの装飾がしてある。

 多分、ここがーーー


「「「ボス部屋」」」


 ゆっくりと扉を開ける(拓武が)。これまでとあまり変わらない感じの薄暗さ。でもこれまで見たこと無いくらい広い部屋だ。それに足元もすごいゴツゴツしている。というか、これは、


「これ、魔物から出る箱? ここの床全部!?」


 そうだ。魔物を倒すと出てくる『赤い箱』が床全体を埋め尽くしている。ダンジョンの魔物は地上の魔物と違って、倒しても確定で箱を出す訳ではない。五体に一体くらいで出てくるのだ。もしこの箱全てがダンジョンの魔物だったとしたら、誰かが魔物を何百体も倒したことになる。

 自分の踏んでいた箱を開けてみると、中からは『小鬼の牙』が出てきた。これはゴブリンのドロップアイテムだ。

 もしかしたらここは、大量のゴブリンの巣穴だったのだろうか。それで通りかかったすごい強い人が全て倒したとか。そうじゃないとしたら、これは


「ねえ咲真、梓。あれ、友好そうに見える? そもそも人、だよね?」


 拓武が言っているのは、この部屋の中央に立っている人影のことだ。俺たちが入ってきてから一歩も動いていない。それ以前に、箱のゴロゴロしている部屋に居ること自体が異常だが。

 少しずつ近づいていくことでわかる、その人影が剣らしきものを持っている。


「ウ……ウウ……」


 黒がかった緑色の肌に、一七〇センチほどの背丈。これまでも何回も戦ったこの姿は、そう………


「ギシャー!」


 ゴブリンだ。かなり刃こぼれした血濡れた剣を肩に担いで走ってくる。これまでのゴブリンとはスピードが桁違いだ。これでも五階層に慣れてから来たはずなのに、眼で追うのがやっとだ。でも他の二人は違った。


「《魔装》!」「《裂傷》!」


 正面からゴブリンを押さえにかかる拓武と、毒を使っていく梓。二人が動いてくれたおかげで、俺も自分のすべきことを思い出した。


「《エンチャント・パワーダウン・ディフェンスダウン・スピードダウン》! 《エンチャント・パワーアップ・ディフェンスアップ・スピードアップ・聖属性》!」


 聖属性も始めから使っていく。これさえ欠かさなければ、貰うダメージは少なく、与えるダメージは多くなる。


「《飛燕》!」


 これは拓武の刀技のひとつだ。飛燕は相手の攻撃を避けて自分の攻撃を当てる、カウンターに近い技だ。相手が武器を振り切った所に攻撃を持っていく、限りなく避けにくい技だ。だがそれを、ゴブリンは首を捻って避けた(・・・・・・・・)

 あり得ない。さっきあのゴブリンは拓武に向かって剣を振り下ろした。体は下方向に流れているし、すぐには次の動きができないくらい思い切り振っていた。そこにカウンター。見えたとしても、反応はできないはずだった。それを最小限の動きで回避した。

 拓武の攻撃が止まって見えるほどに相手が強いのか。それとも、全力に見えたほどの力が実は軽く振っただけだったのか。どちらにせよ、一番身体能力に優れている拓武よりもはるかにステータスが上。拓武よりも強いなら、俺なんて一撃でやられかねない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ