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あらすじ
主人公たちはとうとう五階層へ!
そうだよね。あれってどう考えてもフラグだよね。
四階層の敵で苦戦した俺たちが五階層のフロアボス相手に余裕? いやいや、その前に五階層の魔物と戦うことを忘れてない? そう、そうなんです。五階層の魔物って、四階層の魔物よりも強いんだよね。
「グオォォォァァァ!」
「うおっ! ちょ、咲真! 弱くして強くして!」
「いやいややってるって! 《エンチャント・パワーダウン・ディフェンスダウン・スピードダウン》!」
「ガァッ!」
今のこの「ガァッ」っていう掛け声みたいなので、せっかくかけた黒魔術のほとんどが消されるんだよ。さっきからこれの繰り返し。でも少しはかかっているから、少しずつは効いてるはずなんだけど……。
まあ初めて見た時からなんか違うとは思ってたんだよ。前の階層よりも少し体が大きくなっただけと思ってたのに、急に剣を振り回し始めたんだから。
「ほら、今ので少しは弱くなったって! 《エンチャント・パワーアップ・ディフェンスアップ・スピードアップ》! 後は頼むぞ、拓武!」
「ああもうっ! 《解放・MP》《魔装》!」
《解放》というのは、俺の指輪のように拓武の箱から出てきた刀のスキルだ。これは《貯蔵》というスキルとセットで、刀で削った敵のHPと、敵が死ぬときに残っていたMP、SPの一割を貯める、任意で引き出すというスキルだ。
《魔装》は、MPを体や武具に纏わせて強化するスキルだ。スキルが無くても纏わせることはできるが、スキルがあると同じMP量でより強く強化される。これはジョブに関係無く練習したらとれるスキルらしいので、俺も練習するようにしている。
「咲真、いくよ!」
「《聖属性・付与》!」「《一文字切り》!」
この《聖属性・付与》は、バルザさんに教えてもらった、白魔術と聖属性の合わせ技だ。
……………
「……サクマ様、サクマ様のジョブは白魔術師でしたね。聖属性はもう持っていますか?」
「えーっと、バルザ、さんでしたっけ。はい、もう持っていますけど……」
「私のジョブは聖騎士。騎士系統でありながら白魔術、聖属性のスキルも持つジョブです。これまでの戦いを見て、サクマ様は白魔術と聖属性の合わせ技を使われないようなので、余計なお世話と思いましたが言わせていただきます。
「白魔術の特性である、活性系の付与と、魔物に対して効果的な聖属性。白魔術の応用でタクム様に聖属性を付与されれば、より魔物に対してダメージを与えられるはずです」
……………
ということがあったのだ。ただ、聖属性の付与はかなり持続時間が短い。さっきのように攻撃スキルにあわせて使わないとあまり効果がでないのだ。
でも助かるのも事実だ。もし魔物からダメージをもらう時に聖属性を付与すれば、ダメージを減らすことができるのだから。
都合上、次更新できるのは水曜日辺りになります。
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