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僕の大好きな異世界召喚系です。
読むのは好きだけど書くのは大変ですね。
この物語では……
・理不尽な不遇はありません
・ご都合主義です
・友情系です
の3つをモットーに進めさせて頂きますm(_ _)m
何が起こったか、一同は全く理解できなかった。つい先ほどまでは、いつも通りの日常、下校風景でしかなかったはずだ。仲の良い三人組が、数分後には覚えていないようなバカな話をしていただけ。それだけのはずだったのに……。
ーーーーなんて書き出しはどうだろう? いや、ダメだ。確かに今の状態を的確に表しているが、どれもどこかで読んだことのあるような文章だ。まあこれ以上をこの俺、玻和咲真に要求する方が無理な話なのだが。
……自分で言っていて悲しくなってきたな。さっきの文章は忘れよう。うん、それがいい。
そこまで考えて、俺はやっと周りを見回してみた。どうやら訳のわからなすぎる状況に、脳がパニックになったようだ。
俺の側には男と女が一人ずつ。すでに半黒歴史となったさっきの文章で語った、仲の良い三人組というのが俺を含めたこの三人である。
俺たちの他に人はいるかというと、黒っぽい西洋風?な鎧を着た人たちがたくさん。白衣っぽい服に金色の刺繍がしてある人が五人ほど。それと目の前には豪華な服を着たすごいイケメン青年って感じの人、しかも青髪。
……いや知らない人多すぎでしょ。メチャクチャ怖いんですけど。
「こちらの召喚に答えてくださったこと、感謝します。勇者様方」
爆弾投げ込んできましたね~。イケメンは声までイケメンだとか考えられないくらいの爆弾だわ~。何勇者? 召喚? ハイハイだいたいわかりましたよ異世界召喚系ですね? いやーまさか自分が体験するとは思ってなかったな~ハハハ
「皆様、移動しますので私についてきてください。あ、そうそう、ポケットの中にある箱は無くさずに持っていてください」
また青髪イケメンがしゃべった。箱? ポケットの中にあるって言った? ……あったよありましたよ箱。ズボンの右ポケットの中でしたよ。ガチャガチャで出てくるような大きさのが。がっちり錠も付いてるよ。えーなにこれ。てかなんであることしってんだよ。俺たち言われるまで気付かなかったぞ。それにあんた誰だよ。
「えっと、聞いてもいいですか? 貴方は誰なんです?」
ナイス! 俺も思っていたことを聞いてくれたのは、(多分)召喚された俺の友人である拓武である。身長は俺よりも五センチ高い一七五センチ。今は帰宅部だが、小学生の頃は空手や剣道をしていたらしく、そこそこ筋肉もある。イケメンではないが中の上といった顔で、そこそこリーダーシップもあって、そこそこモテる奴である。
拓武に尋ねられた青髪イケメンは振り返った。
「すみません、申し遅れましたね。私の名前はアルバート・ギアス・エルスザント。このエルスザント王国の皇太子として、皆様を国王である父上のもとまで案内する役を承りました。」
「わ、私たち、その国王様のところにいって、どうなるのですか?」
これを聞いたのは(きっと)召喚された最後の一人、梓である。梓の身長は女子にしては高めの一六八センチで、一七〇センチの俺と並ぶとほとんど違いがない。一応帰宅部ではあるが、いろいろな運動部に助っ人として駆り出されることの多い奴である。長い髪だとダメな部活もあるらしく、髪は短めである。
「父上から説明があるのですよ。皆様、急なことに戸惑っているかと思いますので。その箱についても説明がありますよ。説明を聞いてもわからないところは、父上に直接聞かれても、私に聞いていただいても構いません。」