第六話
区切れなかったので、増量ちう。
「……ギルド前宿屋……本当にあったし」
宿屋に来ていた。
「あの~、すみません、門番さんにここの宿屋がいいと言われて来たんですけど、泊まれますか?」
すると恰幅のいいおばちゃんが出てきた。
「あいよ!泊まりかい?」
「あっ、はい。とりあえず一週間ほど」
「じゃあ、銀貨7枚だよ」
「前払いですか?」
「何を当たり前のことを言ってるんだい?」
「いや、私、とある場所に引きこもっていて世情に疎いもので」
「はぁ、というかあんた、お金持ってるのかい?」
「はい。ありますよ。先程冒険者ギルドで換金してきましたので」
「それならいいけどね。とりあえず、あんた名前は?」
「ブリッツです」
「ブリッツ……っと。えーっと、部屋はそこの階段を上がって右側、3番目の部屋だよ。はい。これが鍵だよ」
と言われ、板切れを渡された。
「これが鍵ですか?」
「ああ、そうだよ……まさか、あんた使い方知らないんじゃ?」
「ええ、わかりません」
「はぁ、本当に世情に疎いんだね……その板と扉が一つのセットになっていてね。それを持ったままじゃないと開けられない仕組みになっているんだよ」
「魔道具ってやつですか?」
「ああ、そうだよ。まさか、魔道具を見たことないとか言うんじゃないだろうね?」
「見たことありません」
おばちゃんは絶句を通り越して、呆れてる。しかも、ため息までついて。
「まぁ、いいさね。魔道具はいくら普及しているとは言え、貴重品には変わりないから気をつけなさいよ。その鍵を失くしたら、銀貨10枚だからね!」
「あっ、はい。気をつけます」
そう言うと俺はストレージに入れた。
「おや?収納の魔法か何かかい?」
「ええ、まぁそんなところです」
「だったら安心だけど、ちゃんと扉を開けるときには取り出して持っていないと開かないから気をつけなさいな」
「ありがとうございます」
俺はお礼を言うと、二階の部屋まで行こうとする。
「ああ、ちょっと待ちな」
「はい?」
「銀貨7枚は素泊まりだからね?魔法使いだからいらないとは思うけど、お湯をつかったりランプをつかったりするなら別途お金がかかるからね」
「わかりました。あの、お風呂はありますか?」
「公衆浴場は宿を出て、左側、少し歩いたところにあるよ。後、ここでご飯を食べるならそれも別途料金がかかるからね!」
「ありがとうございます」
とっさに風呂って言ったけど、何年ぶりになるんだろうか……水浴びは風呂とは呼ばないし、この世界来てから初めての風呂か……。
俺は一旦部屋を覗いた後、すぐに公衆浴場に行った。
「ふぃ~、癒やされる~」
風呂に浸かりながら今までの過酷なレベル上げを思い出す。そして、この世界に来る前のことにも思いを馳せる。
「にしてもきついレベル上げだったな~……まぁ、夢中になってたから過酷だったけど、言うほど辛くはなかったかな~……それに、風呂といえば元の世界か~……酒は好んで飲まないし、タバコや博打もやらなかったし。生きがいはこのゲームだったからな~……というか、タバコや博打に使う金があったら課金するって」
とか、言ってるうちにのぼせそうになったので、公衆浴場を出て宿屋に戻る。
「はぁ~、気持ちよかった~」
「おや?あんた、早速公衆浴場に行ってきたのかい?」
と宿屋のおばちゃんが声をかけてきた。
「ええ、気持ちよかったですよ~。いいところを教えていただいてありがとうございます」
「そうかい、そりゃ良かった。ところでうちはご飯にも自信があるんだけど、どうだい?」
「おお、そうなんですか……では、いただきましょう」
「あいよ!」
その後宿の食堂で食事を取り、部屋に戻ってその日は寝た。
次の日。
「さてと、これからどうしようか?」
悩んでいた。特にやることもなく、困り果てていた。
「ん~一応一週間ここに泊まるのはいいとして、何してよう……」
幼女に無理やり転移させられたわけで、特にやりたいこともない。
「ラノベみたいに異世界に転移したんだから、普通の人間として力を隠して冒険者っていうのをやってみてもいいかもしれないな」
と思った時に大事なことを忘れていた。
「そう言えば、冒険者ギルドってのはいいけど、どういう仕組なのかよく知らない……冒険者ギルドに行って色々聞いてこよう」
そう思い、俺は行動に移す。
そして、冒険者ギルド。
「あの~すみません、昨日冒険者ギルドに登録したものですが……魔石を売っぱらっただけで、詳しい説明をいただけないまま今に至るのですが……誰か説明をお願いできないでしょうか」
「あ、貴方は昨日の……少々お待ちください。当ギルドのギルドマスターが貴方にお会いしたいとのことですので、奥の部屋まで来ていただけないでしょうか?」
「あっ、はい。いいですよ」
そう言われて、奥の部屋とやらに連れて行かれる。すると受付の人がとある部屋でノックする。
「ギルドマスター、昨日の魔石の方がいらっしゃいましたので、お連れいたしました。入室しても大丈夫でしょうか?」
「……少々待て……………………入ってよいぞ」
「失礼します」
そう言うと、受付の人が扉を開ける。そして俺は部屋の中に入った。
「お主が昨日魔石を千個持ってきたアホであるか?」
ギルドマスターと言われた人は、厳密には人ではないようだ。年齢は20代ぐらいの若い女性だ。だが、耳が尖っている。所謂エルフという種だと思われる。
「アホとはいきなりですね」
「魔石を千個も持ってくるアホが居たら見てみたいわ!私がギルドマスターになって、数百年。千個の魔石を持ってきたものなど、大規模スタンピードがあった300年ぐらい前の話じゃぞ。それが、スタンピードの気配もなく、お主のそのステータスで魔石を千個集めたという。お前は一体何十歳だ?」
「そう言われましても……この1,2年ぐらいで集めました」
「ということはそのステータスは隠蔽のスキルか?」
「まぁ、そういうことになるんじゃないですかね?」
吊目のきつい視線を受ける。
「いや、隠蔽のスキルをつかっていたらなにかまずいんですか?」
「私の鑑定スキルはレベル98じゃ。それよりも高いレベルを持っているなぞ聞いたこともない」
「……あんた、なにげに酷いな」
「……仮にもギルドマスターの私にそのような物言い、無礼じゃと思わんのか?」
「まぁ、アホ呼ばわりされましたから」
「む、そう言えばそうじゃの。許せ」
「いや、上から目線で許せとか……ないわー」
「……すまなかった。謝罪する」
「……こちらも、物言いが失礼でした。誤ります」
「うむ。では、本題に入ろうかの……報告によればまだお主は魔石を所持しているとのことじゃが、あと如何ほど持っておるのかえ?」
「ちょっと待ってくださいね…………えーっと、約3億個ぐらいですかね?」
「……三億か……嘘をついているというわけではなさそうじゃな」
「ええ、事実ですよ。今確認しました」
「……一体何処でそれほどの魔石を入手したのじゃ?」
「色々なところでです。詳しいことは言えませんが」
「……詳しいことは言えないとはどういうことじゃ?何かやましいことでもあるのかえ?」
「いや、能力隠蔽している意味がなくなるだけです」
「なるほど、そういうことか。じゃったら話はせんでよい」
「ありがとうございます」
「それにしても3億個か……これが市場に出回ったら大変なことになるのぉ」
「まぁ、それはなんとなく察します」
「お主の実力じゃと最大級の魔石を持っておっても驚かんな」
「最大級の魔石と言うと、どのくらいの大きさですか?」
「30センチほどの大きさじゃ」
「……持っていますよ?それに、そのくらいの大きさの魔石は俺が持ってる魔石の中でも中の上ぐらいの大きさです。もっと大きのもありますよ」
「……お主、何を言っておるかわかっておるのか?」
「いや~、軽く最大級の魔石とやらを凌駕する大きさの魔石を持っているってことぐらいちゃんと理解していますよ」
「……まぁ、よい。とりあえず、今回ここに呼んだのは他でもない。ギルドのランクを上げるためじゃ。実際のステータスを見て決めようと思ったのじゃが……もう最高のAランクの申請を出して良いかもしれぬな」
「あっ、そうでした。そう言えば、ギルドの詳しい話を聞きに来たんでした。一応魔物などを換金できるから登録しただけで、この街のことも何もわからないんですよ」
「わからない?これまたけったいな話じゃの」
「えーっと、朝起きていきなり神様を自称する幼女の声が頭に響いて、問答無用で人里のところに転移させられたもので。ここがどういう国か、冒険者ギルドとは一体何なのかとか全然わからないんですよね~」
「……お主、頭は大丈夫か?」
「まだボケるには早いと思いたいです」
「……その話も本当なのじゃろうな」
「まぁ、そうですね」
「こともなげに……まぁよい。では少し説明しようではないか」
「おお、説明していただけるのですか……ありがたい」
「まずはこの国のことについてじゃな。この国はランデル王国と言う。その中でもここは近くにダンジョンが3箇所あり、国で最も大きな街じゃ。この町の名前はリュカ。迷宮都市リュカとも呼ばれておる。先程この国で最も大きな街と言ったが、それは先程言ったダンジョンが原因じゃ。本来はどの国も首都が一番大きいのじゃが、ここは迷宮産の宝や魔石などが手に入り、冒険者の数もかなり多い。というわけで発展しすぎて今では王都よりこちらのほうが大きくなってしまったのじゃ。もちろん、王都も人を集めるために色々画策しておるし、うまくいっておるのじゃがな。それよりこの街に一攫千金の夢を抱く若人が集まり、王都への移住者よりこの街への移住者の方が多いという話じゃ」
「なるほど」
「これで大体概要はつかめたかの?」
「ありがとうございます。大体わかりました……大体は」
「わからぬことがあったのか?」
「えっと、ダンジョンていうのはなんですか?」
「ふむ。ダンジョンは私達からすれば財産と言っても過言ではないかのぉ。まぁ、その顔を見れば聞きたいことはわかりきっておるから、端的に言おう。何処からか湧いてきた魔物が徘徊し、なぜか宝箱が存在し、人間の死体を食らうモノ。それがダンジョンじゃ」
「なるほど……イメージとそう変わりはないか……」
「ほぅ、ダンジョンについては知っておったのか?」
「いえ、知りませんでしたが……なんと説明すればいいのかわからないんですけど、そうですね、昔ダンジョンというものが出てくるおとぎ話の書かれた本を読んだことがありまして。それに似ているなと」
「本……お主は教養があるのかえ?」
「まぁ、一応」
「……まぁ良いわ。で、じゃ。次に冒険者ギルドについて説明をしよう。まぁ、お主も利用したが、基本的にはダンジョンで入手した宝を売ったり、魔石を売ったりするのに利用する施設だと思えば良い。もちろん手に入れた宝を売る売らないは当人が決めるがの。それ相応の強さに応じてランクがある。これはなんのためか。戦力を大まかに測るためじゃ。冒険者は魔物を退治して生計を立てる。つまり戦いじゃな。戦争になったときなど、冒険者が駆り出されることが多い。そうなってくるとランクが大まかな目安となり、国はそのランクに応じて金を支払う。もちろんランクが上がれば上がるほど報酬は上がる。
ランクについてじゃが、戦闘をするとレベルが上がるじゃろ?レベルが上がるとランクも上がる可能性が増える。レベルが上がると、今まで勝てなかった魔物にも勝てるようになる。強い魔物じゃ。その強い魔物が落とす魔石は更に上質な大きなものになっていく。これがまず1つ目のランクの上げ方じゃ。
次に依頼についてじゃ。先程も言ったがスタンピードと呼ばれる魔物の大量発生が稀に起こる。すると魔物が外に出てきて、街を襲ったりするのじゃ。そういった魔物が外に出ないようにある程度間引く必要がある。そのためギルドと言う組織は冒険者として登録している者たちに依頼をする。魔物を間引けと。そして、持ってきた魔石や、倒した魔物の素材によってはランクが上がることもある。これが、2つ目じゃの。ちなみに、ランクが上がらないと受けられない依頼とかもある。これは一種の救済措置じゃの。無駄に命を散らせるわけにはいくまい?
そして、最後に3つ目のランクの上げ方じゃ。ギルドマスターは最低でも鑑定スキルのレベルが70を超えないとなることはできない。理由は簡単じゃ。今お主を鑑定したように、そのもののステータスを見て判断するのじゃ。其の者の適正をな。故にギルドマスターが直接ランクを上げるには、ありえないほどの武勲を上げるか、常識はずれな行動を取った場合じゃの。お主は後者じゃ」
「言われなくても常識はずれなのは理解している。さっきも言ったが、人っ子一人居ないところから転移させられたからな。世情には疎い」
「はぁ、まぁ、そういうわけじゃ。何か質問はあるか?」
「ランクってやつの上げ方はわかった。が、上げる必要ってあるのか?」
「……お主、ランクを上げれば富と名声を得ることができるのじゃぞ?最高ランクであるAランクまで上げることができれば、何処の国に言っても国賓扱いじゃ」
「ちなみに今の俺のランクってのはどれくらいなんだ?」
「お主……ギルドカードを貰わんかったのか?」
「もらったが?」
「まだ見ていないわけじゃな?」
「……ギルドカードに書いてあるのか?」
「……はぁ~」
ため息を疲れた。俺はストレージからギルドカードを取り出す。そこにはこう書いてあった。
【冒険者ギルドカード】
名前:ブリッツ
性別:男
職業:サモナー
種族:人種
ギルドランク:G
職業レベル:125
種族レベル:125
(裏面)
備考:一度に魔石千個納入。ランク考査案件。
なるほど。現在Gランクというわけか。というか、いつの間に書かれたんだ?裏面の備考。
「Gランクですね。そして、裏面にランク考査案件って書いてありましたね」
「じゃろうな。でなければお主をここに呼んだりせんわ」
「……」
「それでじゃ。お主を見破れなかったわけじゃが……最低でもお主の隠蔽のスキルレベルは99ということになる。そのような者が最高ランクに到達していないのは適正ではない」
「それでAランクって事ですか?」
「うむ。まぁ、色々と聞くことができたし、ランクはAで良いじゃろう。もちろん知らせを出さねばならぬが、お主の功績を考えるとAランクで問題ない。もちろん私が見抜けなかったという事実も添えるでな」
「はぁ、まぁ、わかりました」
「Cランク以上になると強制依頼と言って、必ず受けないといけない依頼が入ることがある。戦争などがそうじゃな。じゃが、Aランクというのはどいつもこいつも規格外ばかり、Aランクも本来は強制依頼を受けねばならぬのじゃが、受けなくても問題がない。なにせこれ以上強い者はそうそう居ない。罰を与えようと思ったとて、どうしようもない。ギルドが何らかの罰を通達して暴れられでもしたら、殺すことは可能じゃろうが、それまでにどれだけ被害が出るかわかったものではない。現実的ではないのじゃ」
「ってことは俺も強制依頼ってのが入ってきても?」
「ああ、受けなくてもかまわない」
「それは楽でいいな。変な依頼は全部断れるわけか。じゃあAランクにしてくれ。金ももらえる額が増えるんだろ?」
「まぁ、そういうことじゃな」
「じゃあ、宜しく頼む」
「うむ。それでは手続きをする……おい!誰かおらぬか!」
するとノック音が聞こえ、先ほどとは違う人が入ってきた。
「この者のランクをBまで上げておけ。Aに上げるには少し時間がかかる。まぁ、せいぜい数日と言ったところだろうがな」
「はっ、かしこまりました……それではギルドカードを」
「あっ、はい」
俺はギルドカードを渡す。
「それでは暫くお待ち下さい」
そう言うとその人は出ていく。
「いきなりAランクはやっぱりまずいのか?」
「そうじゃの。前例が無いからのぉ」
「へぇ~」
「まぁ、問題はなかろうて……世情に疎いということじゃからもう少し話をしておこう。現在この国にはAランクの冒険者は3名おる。この世界には全員合わせても二桁に行かないと言われておる」
「そんなのに俺がなってもいいんですか?」
「問題ないじゃろ。少なくとも私はお主と戦うのは嫌じゃ」
「まぁ、かなり隠蔽の数値抑えていますからね」
「おお、そうじゃった。平均的なAランクのステータスを教えておくから今のうちに直しておくとよい」
そう言われ色々と詳しく聞いて、ステータスを直した。ちなみに、その時指摘されたのだが、能力限定(隠蔽と同様の能力までステータスを下げる)スキルを持っていないため、スキルガチャを回した。入手にはさほど苦労はしなかった。そして、最終的に偽装ステータスはこうなった。
【ステータス】
名前:ブリッツ
性別:男
職業:サモナー
種族:人族
職業レベル:320
種族レベル:320
HP:575,000/575,000
MP:575,000/575,000
攻撃力:32,000(+88,000)
防御力:32,000(+92,000)
魔力:32,000(+68,000)
幸運:220
【種族スキル】
【魔法スキル】
サモンLv1
生活魔法Lv42
【通常スキル】
索敵Lv56
鑑定Lv70
気配遮断Lv57
罠解除Lv52
刀術Lv56
一閃
鉄鋼
金剛
夢幻
居合
一之太刀
奥義
百花繚乱
装備
・天羽々斬(攻撃力:88,000,000(隠蔽時:88,000)魔力:68,000,000(隠蔽時:68,000))
・特殊超合金プレートアーマー(防御力:92,000,000(隠蔽時:92,000))
これくらいがAランクの普通らしい。ちなみに、ギルドマスターは呆れていた。なぜならこれ以上のステータスを持っているとわかったからだ。理由は簡単。隠蔽のスキルは自分のステータスより低い数字じゃないと表示できないためだ。
「まぁ、これでいいじゃろ」
「ありがとうございます」
「いや、もうなんかのぅ、私は疲れた」
「それはお疲れ様です」
「誰のせいじゃと思っておる!」
と言っていると、ノック音が再度聞こえた。
「入って良いぞ」
するとさっきの人が戻ってきた。そして俺にギルドカードを返す。
「これが新しいギルドカードになります。ご確認ください」
そう言われ、俺は確認する。
【冒険者ギルドカード】
名前:ブリッツ
性別:男
職業:サモナー
種族:人種
ギルドランク:B
職業レベル:320
種族レベル:320
(裏面)
備考:一度に魔石千個納入。ランク考査案件。
リュカの街のギルドマスター、リア・マルス・エル・リュカの鑑定スキルでも看破不可能。ランク考査案件。
なんか進化している。嫌な方向に。
「これが新しいギルドカードですか」
「はい。なくさないようにしてください」
「はぁ、わかりました」
「うむ、すまなかったな。お主は持ち場に戻れ」
「了解です」
そう言うと、ギルドカードに色々付け足してくれた人は居なくなった。
「さて、私は聞きたいことも聞けたし、これ以上はなにもない。帰っても良いぞ」
「わかりました。では失礼します」
「うむ……っとちょっと待て。お主には言っておく。暫くはAランク用の依頼を受けてほしいい。これは強制ではないが、この街を守るためには必要じゃ」
「ん~、わかりました」
「引き受けてくれるか!助かるぞ!」
「まぁ、何するあてもない。暇なんで大丈夫です」
「そうかそうか。では、この街に居るBランク冒険者を何人かつけよう」
「Bランクの人達って結構多いんですか?」
「そうじゃの。結構多い。ちなみにお主につける冒険者はその中でも評判がよく、パーティーメンバー全員がBランクの戦乙女に頼もうと思っておる。まぁ、明日またギルドに来てくれると助かる」
「わかりました。その連中をAランク並になるまで俺が育てろってことか。わかった。善処しよう」
「……まぁ、そのとおりなのじゃが、良いのか?」
「だから、さっきも言ったけど、何するあてもないわけで。暇つぶしにちょうどいいんでいいですよ。別に」
「それは助かる。どうかよろしく頼む」
こうして、ギルドマスターと会話を終え、俺は退出して、宿屋に戻る。そして、宿のご飯を食べ、公衆浴場でお風呂に入り、寝た。寝る時にずっと考えていたことがある。
(はて、ギルドマスターの名前って……貴族っぽいけど……一体何なんだろうか?)
お読みいただきありがとうございます。
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