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第十話

 俺たちはダンジョンを進む。Aランクのダンジョンと言われたから期待していたが、予想以上にここは弱そうだ。


「のぉ、ブリッツよ」

「何だ?」

「パワーレベリングはあまり……」

「コイツラが弱すぎるのがいけない。それにめんどくさい。それにあんたも弱すぎだ。なんとかならんのか?」


 そう、このギルドマスターも期待していたが、全く期待はずれ。一体どうしてくれようか。


「とりあえず、なんとかして頑張れ。俺は知らん。とりあえず、レベル300ぐらいにはしてやる。お前が先に進むならもっとレベルは上がると思うがどうする?」

「いやいやいや、そんなことをしていたらいつ帰れるかわからないではないか」

「心配するな。転移を使う。一部転移できない箇所があるが、そこは俺が倒す。だから問題ない。スキルの育成もしたいしな」

「……もう何も言うまい」

「……にしてもこの辺りじゃまだヴァルキリーのレベルは上がらないか……もう少し進むか」


 俺はそう言うと更に奥へと向かっていく。ちなみにモンスターはさっきから俺に襲いかかってこない。当然だ。気配を消してるからな。後ろで何やら騒いでいる団体と、俺の召喚したヴァルキリーが攻撃しているが、そんなことは些末なことだ。


「おい、ほら、何やってんだ、さっさと次行くぞ」

「ちょっと待ってよ!アイテムの回収もしないといけないのに!」

「こんな階層で取れるチンケなもの集めてどうするんだ?まぁ、構わないが、それだけレベルアップが遅くなるぞ?」

「ブリッツ君、ちょっと待ちなさい。この階層はすでに未知の階層じゃ。私も入るのは初めてじゃ」

「……だからやけに宝箱みたいのが多いのか?」


 すると全員が固まる。


「そういえば、宝箱とあまり層群しないのぉ?」

「ああ、最短ルート行くと何故か宝箱の無いルートが多いんだよな」

「ちょっと待ちたまえ。どこに宝箱があるか把握しておるのか?」

「だから、さっき言っただろ?索敵持ってるって。魔物の位置もわかってるし、宝箱の位置も。次の階層への近道も。全部だ」


 すると戦乙女のリーダーが文句をつけてきた。


「ちょ、ちょっと!宝箱を無視するって、あなた正気!?」

「正気も正気。何か問題が?」

「おおありよ!ダンジョンは初めての階層で開ける宝箱は特殊なの!強い装備品や良いアイテムがゴロゴロ出てくるのよ!それを避けていたですって!?」

「俺への依頼はレベルアップだ。それ以外のことは知らん。まぁ、ダンジョンの最奥に居る、ボスみたいなのを倒して、その奥に眠るお宝には興味があるけど、それ以外は見たってしょうがないだろ。それにここ言うほど強いダンジョンじゃないしな」


 全員が絶句する。


「そんなことより、先に進むぞ……こっちだ……おい、どこに行く?」

「宝箱を探しに行くのよ!」

「無駄だからやめとけ。お前らの鍵開けスキルじゃ罠なんか解除できない」

「っ!だったらあんたはどうなのよ!?」

「開けられるが、構わないのか?俺が総取りするぞ?」

「興味ないんじゃなかったの?」

「興味は無いが、俺が苦労して宝箱の中身を手に入れて、あんたらに持っていかれるのは癪に障る。それに、お前らの装備品がそれ相応にはなるだろうが、そんなのに頼って本当に強くなったと言えるのか?まぁ、このパワーレベリングもある種そう言えなくもないが、レベルという概念がある以上、それを上げれば確実に強くなる。装備品が壊れてもなんとかやっていけるようにレベルを上げている。それだけだ」


 戦乙女のリーダーは歯ぎしりをしている。


「まぁ、落ち着きなさいな。わかった。とりあえず、レベル上げを最優先にしてくおくれ。それから宝箱を取りに今度は自分たちで来れば良いだけの話ではないか」

「……わかりました」

「話がまとまったなら行くぞ。全く無駄な時間を過ごした。こっちだ」


 そう言って俺は奥へと進む。



 何度も何度も戦闘を行い、全員のレベルを上げていく。そして、どんどん奥へと向かっていく。


「ん~そろそろ休憩を取るか」


 全員がへばってる。


「や、やっと休憩……助かった……」

「私も結構たいへんじゃったぞ」

「夜になったし、一旦自分の家に戻ろうか。そういや俺宿とってないけどどっかいいところ知らないか?ギルマス?」

「ギルド内に泊まれる場所がある。そこはどうじゃ?」

「ああ、構わない。じゃあ、転移するぞ。そして、明日は日の出と共に出発する。装備の手入れは怠らないようにな。【転移】」


 街に戻ってくる。


「じゃあ、解散。日の出前に待ってるからな。それとギルマス。部屋を借りるのは構わないが、少し俺は出てくるが構わないか?」

「い、今から出かけるのか?」

「ああ、ちょっと用事があってな」


 俺は部屋を確認し、転移で飛ぶ。強そうな魔物の気配の所へ。


「さてと、この辺りで良いか?ちょうど海もあるし。全員カンスト組以外を召喚してレベリングするか」



 こうして俺は、一晩中レベリングを行った。ちなみに、俺はその間、召喚獣を置いて、部屋に戻って寝た。



 次の朝。召喚獣達は順調に育っているようだ。


「この分じゃ、あのダンジョンより強くなってしまったな……みんな……ま、いっか」


 と独り言を言っていると、みんなが集まってきた。


「よし、全員いるな?装備もちゃんと手入れしたようだな。じゃあ、今日も夜まで頑張ろうか」



 こうして、ダンジョンでのレベリングは1週間ほど続いた。

お読みいただきありがとうございます。

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