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第3話 這い寄る!俺の妹!

いる。ナニカガイル。そんな、あり得ない。俺の心臓は、まるでロックバンドのドラムのような早さでドクドクと脈打った。


体が動かない。重い。何で。何で、妹がここにいるんだ! 俺は確かに一人で寝たはずだ。妹がここにいるということは俺が寝ている間に布団に入ってきたということの証明に他ならない。夜這い。その言葉が頭をよぎる。慌ててベッドから飛び降りる。衝撃が足を襲ったが、あいつがいたことの衝撃に比べれば小さなものだ。


結果から言うと、俺が危惧していた事態はおきていなかった。


「久しぶりのにいにを堪能したかっただけだよ〜」


十二時になってやっと起きてきた妹は山姥のような髪を振り乱してニコッと笑った。俺は恐怖を覚えた。


兄弟とはいえ、思春期真っ盛りの男女二人。間違いが起こらないとも限らない。まあ、俺から手を出すことは妹が整形しない限り絶対ないが。その逆が絶対ないとは言い切れない。母さんが止めてくれればいいが、十時以降の母さんはナマケモノの如き状態だ。援護は期待できない。どうしようか。そんな悩みを抱えながら、俺は妹を追い払って着替え始めた。


目の前に置かれた巨大なスパゲティ。そう、今日の昼ごはんだ。妹が作ってくれたのだがこれがまた凄い。茹でたスパゲティにチーズとピザソースをぶちまけただけのシンプルな料理。重さを測ってみると、三百グラムをゆうに越えていた。だいたい一人前が九十〜百グラムだということを考えると衝撃の数字だ。いや、多すぎるだろと突っ込んだのだが、当たり前のような顔で


「私、毎日これくらい食べてるけど」


という回答が返ってきた。だから、重いんだよ! 兄より重い妹とか有り得んだろ! まあ、いいや。これ言うと怒るし。前回、言ったときは、


「兄ちゃんのバカ!」


と言いながらポカポカとパンチが飛んできた。ポカポカという表現をしたが、これはあくまで妹からみての話であり、結構重い。


アニメのヒロインがするポカポカパンチくらいの速度で、男どうしのドッヂボールの時と同じくらいの衝撃が一回のパンチでくる。この威力が皆に伝わるだろうか。


すまない。話が逸れた。俺が言いたかったのは、妹が色々とぶっ飛んでいるということだ。


話を戻すが、例のスパゲティは半分くらいで断念した。妹は俺の分と自分の分両方(合計4.5人前くらい)を平らげた。凄い。色々とビッグになるわけだ。もしかしたら、妹の高身長、高体重の秘訣は、沢山食べて沢山寝ることかもしれないな。


そんなことを思いながら、俺は洗い物を済ませ、バックを持って玄関に向かう。


「にいに?どこか行くの?」


「うん、友達の家に行ってくる。」


これがあの大惨事に繋がることをこの時の俺はまだ知らない。

この時ばかりは終わったかと思いましたよ……。(遠い目)


現実度 95%

脚色度 5%

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