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第1話 帰省

「Macho!Macho men!I got be a macho! I got be a…」

ピッ

騒がしいアラームを止めて、のそのそとふとんから出る。今日は待ちに待った閉寮日。やっとあの監獄から出ることができる!喜びを噛み締めて僕は点呼に向かった。点呼が終わり、すぐさま寮を出て駅に向かう。田舎である島根県の中でもさらに田舎に属している町に俺は住んでいる。もちろん電車は2、3時間に1本ほどしか来ない。電車を待っている間、俺はぼーっとラインを見ていた。


「ねえねえ、にいちゃんいつ帰ってくるの?」


「明日だよね!」


「早く帰って来てね!」


ラインがうるせえ。1分間に13件もラインがきてやがる。コメントが多すぎるので上は一部のみを抜粋しているが実際は相当多い。電車が到着するまで間、実に60件以上来ていた(途中から数えるのが面倒くさくなったので60くらいで数えるのやめました)。確かに、寮とは名ばかりのあの監獄にいるのも辟易するが、実家に帰るは帰るでなかなか問題がある。送られてくるラインの量に少しげんなりしながら僕は夜行バスに乗った。


東京渋谷。夜行バスの到着地点。そこから僕は実家へと歩を進める。妹は朝が弱いのでライン爆撃は一旦止んでいる。きっと、妹が起きる頃には家についているだろう。とその時僕は思っていた。しかし、現実はそう甘くはなかった。俺がインドア派だったのも手伝い、道に迷ってしまったのだ。いや、道に迷ったというのは正確な表現ではない。俺が乗りたい電車線が渋谷駅になかったのだ。しかし、Yahoo!路線図にはしっかりと“渋谷駅”と書かれていた。これはどういうことだ!俺はどうすればいいんだ!Google先生には頼れない。このスマホはとうの昔に低速にかかっている。かといって親にも頼れない。バカにされたくないからだ。結局僕は駅員さんに駅まで案内してもらうことになった。ようやく俺が家の近くの駅についた時、時計は昼の12時をまわっていた。


駅から家までの帰り道。高校に行くまでは毎日のように通っていた道もなんだか随分と懐かしく感じる。やっと帰ってきたんだという実感が胸いっぱいに広がる。家に着き、管理人さんがやってきて自動ドアが開く。友達からラビリンスと言われた廊下を歩き部屋のインターホンを鳴らす。すんなりとドアが開いて、家に入る。やっとあの監獄から解放された!という喜びから思わず、大きな声でただいま!と言ってしまった。その刹那、勢いよく俺の部屋の扉が開く。


「お帰り!にいに!」

初めての長編ですこしドキドキしながら投稿しています。楽しんでくれていたら幸いです!

現実の体験度60%

脚色度40%

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