子猫とほのぼの
続編書いてみました。
あったかい、、
大きくて優しい手が私の頭を撫でていく、、
ふわふわ ふわふわ
とても安心する、、
私はその手に滑らすように身体を擦り付けた。
だんだんと意識が浮上し目を開けると朝陽にぬれた艶やかな黒髪が見えた。
愛おしさでいっぱいになった私はそっと彼の唇にキスをした。
「おはよう」
彼はそういって私を抱きあげ、テーブルについた。
「今日の朝御飯は君の好きなミルクリゾットだよ」
木製の小さなスプーンでリゾットをすくい、息を吹き掛けて冷ますと彼は私にそのスプーンをむけた。
確かにミルクリゾットは私の大好物だ。
ほんのり甘くて柔らかく、なによりケインが作ってくれたから、幸せの味がする。
最初の頃は恥ずかしくて自分で食べるのだとスプーンを避けていたが、あまりにもしつこいので諦めて食べさせてもらう日々が続くと、
ケインがとても幸せそうな顔をして私を見つめていることに気づいた。
その頃には私の最大の幸福はケインを癒し、孤独に寄り添うこと出会ったので私は積極的にスプーンを受け入れることになった。
朝御飯を食べ終わったら基本的にいつもケインは私のブラッシングをしてくれる。
これがもううっとりするほど気持ちいいのだ。
ケインは私にブラッシングをするとき優しい金木犀の香りの香油を使ってくれる。
暖かい部屋で優しい香りに包まれ、大好きな彼に気持ちいいブラッシングをしてもらえるこの時間はご飯を食べた直後だということもあるが、うとうとと微睡み、私は夢の世界に身を任せてしまう。
最高に幸せな一時である。
目が覚めるとだいたいいつも14時くらいだ。
まぁ朝起きてご飯を食べたのが9時くらいだから、小腹がちょっぴり空いてくる時間帯。
いつもケインは部屋にいなくて、私は暇をもて余している。
しかし私は最近この時間の有効な使い方を覚えたのだ。
それは本を読むこと。それもただの本ではない。魔法書である。
魔法が使えるこの世界では人間でなくともあらゆる動物が魔力を持っている。
中でも魔力が多大にあり、魔法が使える動物は主を決めるとその主の使い魔となることができるらしい。
使い魔になると、主と心を繋げることができ、会話出来るようになるし、なにより主に自分の魔力を受け渡しすることができるので、主の役に立てる。
ケインは魔力が人並み以上にあるが、あまりにも多すぎるので魔力を使うのに適していない。
しかし私が使い魔になることで彼の魔力を私に一旦預け、それから適量に調節した魔力を私が彼に渡すことで彼は魔法を使えるようになるのではないか。
そう考えた私は必死に魔法書を読んで勉強をしているのであった。
ふんわりと魚の焼けるいい香りがしてくる。
どうやらわたしは魔法書を読んでいる最中に寝てしまったようだ。
そっとベッドを降り、猫用扉をぬけ、ケインがいるであろうキッチンにむかう。
彼はこの国の王子様であるが、この世界で忌み嫌われている黒を生まれながらにして持っているので回りの人に避けられがちな人生を送っていたらしい。
そのせいか、彼は自分のことは全て侍女に任せず自分でしている。
ケインのもとへ行き、足に身体を擦り付ける。彼は私に気付くと
「もうちょっとでご飯できるから、大人しくまってるんだよ」
と私に言い聞かせた。
もちろん待つとも。大好物なケインのお願いだ。つまみ食いなんかしないよ。私は言うことを聞くいい子だからね。
数分して彼がテーブルに夜ご飯を持ってきた。
今日はサーモンのグリルだ。猫になってしまってから魚に目がなくなってしまった私にいつも魚料理を出してくれる彼は本当に優しい。
夜ご飯を食べたあと、ケインはお風呂に入る。
もう何回も見ているが、彼の美しい身体や黒髪が水に濡れている姿は目に毒である。
とても妖艶な雰囲気を醸し出していて、いつもなれない。鎖骨に流れる水滴や、上気した頬が色気を増幅させている。
細身であるが意外と鍛え上げているのか筋肉質であるのもまたその原因であろう。
彼は髪を乾かすと、私と一緒にベッドに入る。
彼の美しい腕に抱かれ暖かい布団で眠るこの優しい時間は私にとって最高に幸せなものだ。
ケインの柔らかな視線を感じなから私は深い眠りに落ちていく。
「おやすみ。また明日ね。」
ケインがそう言って私の頭を撫でていった。
私の世界は彼を中心に回っている
この幸せな時間がどうか一生続きますように
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