外伝・大和(贖罪)編
「ああ!目が覚めたようですわ!」
獣人の娘が俺の前で涙を流しながら喜んでいた。
見覚えがある部屋だが、そこには俺以外に3人の存在があった。
2人はマリアと獣人の娘だ。もう1人は見たこともなかった。
「うむ…勇者ってのは皆、頑丈なのか?あの毒で生きていられるなんて。」
「隊長…そういう問題ではないと思いますが?」
「そうか?それはまた別の機会に検証しよう。話し合えそうかな?」
騎士団の恰好をしたヒョロオ。でも、ものすごく頭がよさそうな感じがある眼光を放っていた。そいつはこちらの出方をうかがっていた。
「…もしや、シャーロット家の生き残りか?」
「ああ。その様子では僕の名前も知っていますね?」
そう言いながら、彼は王族らしいお辞儀をした。
「アルヴェルト・E・シャーロットと申します。まあ、今は「ヴェルト・A・スカーレット」と名乗ってます。ご存じだとは思いますが、件の平民騎士団長です。」
「朱里が話していたな…騎士団長の中で唯一わいろを受け取らなかった奴がいると。どう自分側に取り込もうかといろいろ画策していたぞ。」
「それは…うれしさ半分めんどくささ半分ですね。」
「で…お前さんの武器は?見た感じ、剣ではなさそうだな?」
「ええ。正直、まだみなさんのことを信用しているわけではないのでその公開は…」
「それで問題ない。とりあえず助けてくれてありがとうな。」
「…こちらはそこまで大変ではありませんでしたから。ですが…あなたが倒れられている間にきな臭くなってしまったんですよ。」
「…何があったんだ?」
「あなたに報告すべきことは2つ。一つは南から高速で飛来してくるものがあること。もう一つは…あなたのお仲間が、彼女を監禁しました。その際、彼女が大けがを負わされたとの報告を聞いています。」
「ちっ。その方面は俺が対処する。キミは避難、いや逃げ出す国民たちの安全確保を騎士団のメンバーで取り組め。マリア!お前はお父さんが使用としていたことを引き継ぐんだ。それと…治癒師のキミは…」
「サラ・F・ウッドフォードです。私はあなたが心配なんですけど。」
「…ついてきてくれ。たぶんだが、キミの助けが必要だ。」
彼女はうなずいた。俺たちはこうしてこのクーデターを開始したのだった。




