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『この滅び行く世界に祝福を』  作者: 早稲農家
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~直樹(帰還者)編第二章~

この話は少々R-18に引っかかるかもしれない表現があります。


「今日の依頼は…『ニジクジャク』の巣の掃討だと?」

 

 目の前の冒険者は怯えていた。冒険者の階級は最高ランクがSである。そこから、A、B、C、Dとなるのだが、この『ニジクジャク』はAクラスでなければ、依頼を受けることもできない。なのに、この『救国の英雄』たちは4人でそれをこなそうとしていた。


 「それは危険すぎる!こちらで至急Aクラスの手の空いている冒険者を派遣させるから、行かないでくれ。」


 大和はニヤリと笑った。また強い冒険者を殺せる。彼はそう思った。


 大和たちが冒険者を殺すようになった背景は物凄く根深かった。彼の美人局である大塚朱里は王様が死んだ翌日、王女がいなくなっていることを隠していた侍女を右大臣が怒りのあまりに殺害してしまうのを目撃してしまったことから始まる。その怒声を聞いていた彼女は『私なら彼女を王女にできますよ。』といって彼女の骨格を再構築することで王女そっくりにしてしまう。それを見た右大臣は『王様と王女が亡くなった。』と発表したのだ。そこから、右大臣は内政のことを彼女に相談するようになった。それを逆手に取り、『1年間、税金を取らない代わりに喪に服すよう、国民にお触れを出した。これで騎士が役割を果たさなくなり、地方は国に依存するだろうと思ったのだ。しかし、地方の町村はそこに住む冒険者によって魔物たちの進行を防ぎながらその日暮らしの生活を行っていた。それでは大和たちが『王国の全員が絶対必要な存在』と認めることはないと考えた彼女はまず自分たちを『救国の英雄』と大々的に発表し、地方にいる冒険者では倒せない魔物の討伐を引き受けると言った。その際、彼らにその地で強いと言われる冒険者を一緒にお供させた。そして、狩りの際に一緒に殺害した。こうすることで地方の冒険者の弱体化を図った。これにより、冒険者たちが毎回少なくされていたため、協会は勇者の依頼の際に人材は派遣しないという形になった。しかし、派遣しなくなった瞬間、彼女は協会に出していた資金を打ち止めにし、王国からの依頼をすべてなくしたのだ。その対応に協会は驚いた。すぐ抗議の通達を行うが、王国はそれを取り消すことをしなかった。それどころか、それに拍車をかけるように王国の冒険者センターに放火しようとしたのだ。それはたまたま現場にいた『剣聖』と呼ばれるようになった杉野によって未遂となったが、その犯人が冒険者に対して恨みを持つ者だったために冒険者に対する風当たりが強くなっていた。こんな情勢のせいで冒険者たちは次第に数を減らしていった。


 そんな中、冒険者センターはある村に注目していた。滅びかけていた村を復活させ、その村の村長となった男。正体がわからないが、彼はその村を大きくすることにも成功しており、王国の領土内で辺境にある村が消滅している状況下を打開できる希望のように考えられていた。



 「どうだい?あいつらはいるか?」

 

 意地悪い大和の声が響く。冒険者の男は注意深く覗いていたが、いるようには見えなかったのだろう。しばらくして首を振った。


 「…じゃ、出て探してこい。」


 瀬戸はその男の首を掴み、放り投げた。その瞬間、周囲の風景と擬態していた『ニジクジャク』が現れたのだ。その数、2体。放り投げられた男は『ニジクジャク』に踏みつぶされてしまった。『あーあ。もったいねえな。』と瀬戸が言いながら、ラウンドシールドを構える。突進して『ニジクジャク』の足を砕くつもりなんだろう。しかし、それは不発に終わる。どこからか現れた少年2人がその『ニジクジャク』を討伐してしまったのだ。しかも、その1人は獣人だった。その光景を見て大和は思わずにやりと笑ってしまった。


 「これはこれは…どこに所属の方ですか?」

 「所属?何のことかわかんないな。こっちから質問だ。なんで殺した?」

 「…人の質問にしっかり答えろ!」


 獣人の少年の顔面を大和は殴ろうとした。しかし、その拳は届くことなく、彼が放ったサマーソルトキックが大和の顎を捉えてしまった。


 「そっちがそうなら、俺たちは退散させてもらうよ。あいにく、殺しが目的の人たちと一緒に行動するのは好きじゃないんでね。」

 「それは困りましたね。ええ。動けるならの話ですが。」


 その瞬間、そう言った保木は魔法を発動し、彼らが立っていた地面が急にぬかるみ始めた。獣人は避けたが、その相方はそれに嵌ってくれたようだった。大和はすぐ瀬戸に合図し、待ってましたと言わんばかりに瀬戸は突進した。


 「カイン!今すぐ逃げろ!」

 「ちっ…カンタ。ごめん。」


 自分は助からないとすぐそうカンタと呼ばれた少年が叫んだ数秒後、少年は瀬戸の正面衝突によって全身の骨を砕かれ、各関節があらぬ方向に曲がった状態でそのまま、死亡してしまった。


 カインは逃げた。しかし、その行く手をいくつの魔法陣が防いだ。でも、私、大塚朱里の特製回復魔法に関しても彼は危険だと判断したのか、回避してきた。どんな洞察力なのだろう。追いかけるのが楽しくなっていた。大和と瀬戸はもう限界のようで、保木に関しては『女の子の匂いがする』とどこかに行ってしまった。なので、仕方がないのでここらで終わらせることにした。


 カインがその範囲に入った瞬間、周囲の木から蔦が伸び、彼の首を絞め上げた。それでも、彼は逃げようとするので逃げられないように四肢を蔦で締めた後、首の拘束を外し、四肢を締めている蔦をさらにきつく締め上げ、そのままの態勢でその骨を粉砕した。

 彼の悲鳴が聞こえる。その少し前に女の子の悲鳴が聞こえたから、あいつは女の子を見つけてしまったんだろう。かわいそうに犯されて殺されて、また犯される。そんなの、私は絶対に経験したくない。にしても、彼はもう逃げられないってのにまだ何か諦めていないような視線を向けてきた。追い回す時間が長かったからだろう。大和は彼を掴み、腰に差していた短剣で左腕を打ちつけた。重要な血管を傷つけたのだろう。血がいい感じに噴出していた。そのまま、四肢を木に打ち付けた。彼の顔は苦痛にゆがんでいたが、まだあきらめていなかった。


 「さてと…ダーツゲームだ!」

 

 大和のゲームが始まった。ルールは簡単。殺さないように矢を投げる。命中で+10、頭部では+50、とどめは-100。どれだけ殺さないようなヒットを頭に当てるというゲームだ。まず、私の一投。私の狙いは彼の大きい犬耳だ。ヒット。これで60ポイント。ここから省略するが、私と瀬戸が3本投げ、大和が矢を構えた時、そいつは笑ったのだ。それが気に喰わなかったのか、大和は本気の一投をその額に向けて放ち、彼はそのまま、力を失った。


 「大和?」

 「ちっ…今日のあれは最悪だった。朱里。帰るぞ。」


 これは今夜が楽しみだ。

私の体でうっぷんを晴らしてくれるのだと思うとおなかがキュンキュンしていた。


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