~康夫(魔族)編第ニ章~
僕は遠吠えをあげて眷属に襲わせる明石を見てくだらないと思ってしまった。ゾンビみたいに復活もしなければ、あいつらみたいに集団で同時に殴ってくるわけでもない。そう。単純な奴らなのだ。最初に飛びかかった奴は回避しながら、剣の柄で脳天を強打した。その次に飛びかかってきた奴は脳天を強打し、伸びた奴の体で受け止め、踏み込みながら2人そろって斬り捨てた。明石はそれを見て『グルグルル』と俺たちにはわからない言葉を吐いていたが、思い通りならなかったようでかんしゃく起こしていた。
「何がうまくいかなかったのか知らないけど、そんなかんしゃく起こすなよ。」
『みっともないな。』って言ってやろうとした瞬間、残っていた3体で僕に襲い掛かってきた。
なんでうまくいかないのかがまったくわからなかった。俺にはあの村で増やした仲間がいる。こいつは一人だ。なのに、こいつは余裕な態度を一切崩さない。俺たちは3人がかりでこいつに襲い掛かったのに、こいつは全く俺を見ない。俺の仲間もだ。かわりがわり攻撃するのにこいつは攻撃も一切しなくなっていた。
痺れを切らした俺はこいつよりも先に美香の奴を殺してやろうと思い、そちらに飛びついた。でも、俺の体はあさっての方向に飛んでしまった。なぜなら、目の前の男が俺の胴を薙いだから。でも、俺の前にはあの村で俺が眷属に変えてあげたはずの女の子がいた。彼女に美香を襲わせればいい。そう思い口を開こうとしたが、その前に彼女は俺の口に両手で抱えなきゃいけないくらい大きい岩を振り下ろした。何が起きたのかわからなかった。でも、もうしゃべれない。口の中は血の味しかしない。歯も何本か折れていた。
「こんな痛みで終わったと思うな!」
彼女はまた俺に石を振り上げ、衝撃を加える。あれ?俺、この子にこんなことされるようなことしたっけ?俺は…そんな恨まれるようなことをしてないぞ?
俺は手を伸ばした。こいつに問いただすため。でも、それはかなわなかった。彼女は持っていた石を俺の顔面にとどめと言わんばかりに投げつけたのだ。それは俺のこめかみに直撃し、俺は頭が割れた気がした。俺はこんなところで死ぬの?
最後の光景は両手を血まみれにした犬耳の女の子が俺を踏みつけるシーンだった。
私の背後で悲しい殺人が行われているころ、康夫君も残った2体を片付けたようで私が警戒していう方向を一緒に見ていた。その方向には奴らが近づいてきていた。
「どうする?20匹近くいそうだけど。」
「どうするもなんも、あれはアリとそう大差ないさ。岩を落としてやればいい。」
そう言って彼は切り立った崖を切断魔法で崩し、その落下物でそう簡単にこちらに来られないようにしてしまった。私はその様子を見ている間、彼は明石の亡骸をまだ攻撃していた彼女を止めたようだった。彼女の泣き声が聞こえる。よっぽどなことがないとあんなに…死体を攻撃することなんてないはずだった。そんなことをさせたあいつらを私は少しも許す気がなくなった私は、奴らが後退できないように退路を灼熱の炎でふさいだ。そんなとき、風のマナが散り、美香が生まれたままの姿で出てきた。




