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『この滅び行く世界に祝福を』  作者: 早稲農家
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~克己(竜騎士)編第一章~

 翌朝、俺たちは早朝から狩りに向かった。しかし、その日は何かおかしかった。今日は菜々子が鹿を食べたいというから、鹿を狩りに向かったのだが、いつも彼らがいる場所にはただ血が広がっているだけだった。それにウォッカも同行しており、『こんな光景は見たことない。何かが現れたのか?』と言っていた。肉食の生物、『ランドラプトル』に狩られたのかと思い、俺はテイラーにまたがり、その営巣地にむかった。しかし、そこに広がっていたのは『ランドラプトル』の死体の山だった。


 「こいつはまさか…」

 「ウォッカ?何か心当たりがあるのか?」

 「ゴブリンです。奴ら、自分たち以外の種族は何でも喰うんですよ。もしかしたら…」

 「一旦、里に戻ろう。ジャックと話し合わないと。」


 ウォッカはうなずき、彼の竜にまたがった。俺もテイラーにまたがり、里に飛び立った。

 俺たちはまだ知らなかった。この時、『ヌマナマズ』という巨大ナマズを捕まえに別働隊で動いていた2人がゴブリンに殺害されていたなど。



 俺が村に到着した瞬間、ジャックが俺を待っていたかのように出迎えてきた。

 

 「出迎えか…最悪の展開みたいだな。」

 「モリブとアッシュが捕獲中に死んだ。」

 「…冗談だろ?あの二人はナマズ狩りだけはうまかったじゃないか。」

 「サーシャ様が降りてきたんだ。竜の気配が消えたと。」

 「間違いじゃないんだな。他のみんなは?」

 「戻ってくれたらいいんだけど…少し時間がかかりそうだ。」

 

 そのとき、マック、里に住む10歳の子どもが『あー!!』と叫んだ。


 「マック?どうした?」

 「こっちに向かってくる…何体も人型の奴らが!!」


 俺たちは顔を合わせた。間違いなく緊急事態だった。


 「ジャック!竜笛を吹け!そのあとは竜の巣にみんなを退避させるんだ。」

 「キミは?」

 「あいつらを食い止める!急げ!」


 竜笛とは緊急事態を知らせる合図のようなものだ。これでみんなは戻ってくるはずだ。俺はすぐゴブリンたちを殲滅できるようにもう剣を抜いた状態で里の入口に立っていた。もう迫ってきているのが視認できた。


 「テイラー!ドラゴンブレスで焼き払え!」

 

 遥か頭上にいる俺の相棒は先鋒部隊を『ドラゴンブレス』で焼き払った。先鋒部隊は遠距離攻撃が可能な武装を携えていなかったようでそれで片付いた。その頃、竜笛を聞いた里の男たちが戻ってきた。


 「カツミさん、何事ですか?」

 「魔物たちが襲ってきた。ここは俺が抑える。断崖絶壁を登れるとは思わないから、西側を抑えに向かってくれ。何名かはジャックと一緒にみんなを竜の巣に避難する手助けを頼む。」


 到着したばかりの彼、トラントはうなずいた。彼はすぐ地上戦闘が得意な奴らで西側を警備するように言い、騎乗戦が得意な連中をジャックたちのほうに送っていた。テイラーがこのタイミングで降りてきた。


 『増援は弩やスリングショットを持ってきていた。どうする?』

 「射程外から攻撃できるか?」

 『何をしてもいいなら可能だ。』

 「任せた。責任は俺がとる。」

 

 テイラーはうなずいて空高く飛び上がった。何をするのかと思えば、山の岩をその翼で斬り落とし、それを抱えて奴らの真上に落としていったのだ。テイラーはそれだけやるとまた戻ってきた。


 『俺の息では仕留められない。まだ火力が足りないんだ。岩の陰に潜んでやり過ごした奴を確実に仕留めてほしい。』

 「わかった。乗るぞ。」


 俺はそう言ってテイラーの背に乗った。テイラーの背に乗りながら、西側の様子をよく見て確認した。ゴブリンたちはこちら側と同じように攻めあぐねているようだった。それを見て少しほっとした俺は『ドラゴンブレス』で灼熱の環境に変わった場所でまだ生き残るゴブリンどもに斬撃を加えていった。



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