表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『この滅び行く世界に祝福を』  作者: 早稲農家
28/144

~康夫(魔族)編第一章~

康夫編第一章完結です。

次は克己編になります。

 「うぐ…こうもとどめを刺されないというのはつらいことなんですね。」


 モルガンはあの3人をこの建物で最も高い場所、煙突の先に移動させた後、すぐ自分を刺したゾンビを処理し、刺さっていた剣を抜いた。立っているのがやっとの状態だ。でも、自分にはまだやらなければならないことがあった。この研究所の破壊。自分の研究はなんとしてもあの『グレイブウェイカー』には見せるわけにはいかなかった。死体をゾンビにすることやそれを強化することは禁止されていた。自分たちが若かった頃、その技術でこの世界が崩壊しかけたからだ。その時、今は亡き王国の王と魔王、そして先代の竜王が手を取り、奴らを排除したのだ。奴らを倒すために私はその敵の解析を行った。その残りかすこそ、彼が落ちた場所にいたゾンビどもだった。その解析結果がまだこの研究所にはある。それを消さなければならない。あいつらが復活するのだけは防がなければならなかった。私はあの時、終戦記念に取った写真を手に取った。そこには竜王のサーシャと国王となったシグルド・G・シャーロット、そして、私と魔王、ジャック・L・ブラックが満面の笑みで写っていた。この中で生き残っているのは私とサーシャのみ。そして、私もこの世を去るのだ。サーシャには申し訳なかったが、私はすがすがしい気分だった。


 「シグルド、ジャック。私もすぐそちらに向かうよ。芽生えは確認した。後は彼らに任せよう。何…きっと大丈夫さ。彼らなら、やってくれるさ…」


 私はそう呟いて書斎の奥からこの研究所の破壊スイッチとウイスキーを取り出した。

 残り一杯分だけ残った瓶。これはあの写真に写った私たちが死ぬ前に飲もうと決めた各々の一杯だ。魔王さまも飲めたようだったし、シグルドも飲んでいるだろう。あいつは発酵酒を選択していたから、最高の味だったのではないだろうか。


 私の最後の酒はほとんど血の味しかしなかった。


 それでも、私は飲み干し、空となった酒瓶を空に掲げられたことに感謝した。

 (そうだ。ヤスオ君のこと、あいつらに話してやろう…いい土産話になる。)

 私は意識を失う前にスイッチを押した。その感覚は確かにあった。



 研究所はあらかじめ仕掛けられていた爆弾によって自壊した。その炎によって、その施設に侵入していたゾンビたちは焼き尽くされ、中にいたと思われるモルガンダンテスも以降、消息を絶った。その日、四大英雄と称された女王竜、サーシャが住むといわれた竜神の里も焼け落ち、女王竜も殺された。その四大英雄が亡くなった日を『世界崩壊の日』と後世の人々は呼ぶようになった。


康夫(魔族)編第一章


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ