~直樹(帰還者)編第一章~
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「どうしたんだ、みどり。」
「あれを完成させたら、他のところの柵も強化してほしいって…」
「あー。応えてもいいんじゃないか?でも、あんな高さはいらないだろうな。」
「うん。即席で作ったから、正直、あのクオリティって言われるとちょっとね…」
「だな。あのクオリティは申し訳ないな。」
「みどり姉!ここ、果物がない!果樹園作ろうよ!」
「…あの子の注文のほうが難しそうだな。」
俺とみどりは思わず笑ってしまった。アリサは村の人と仲良くなっていた。それは何のためなのかよくわからなかったが、彼女が楽しそうだったので俺たちは気にしなかった。ただ、その晩、『この村に奴隷商人がよく来るみたいなんだよね。ちょっと気になるから調べてみる。』と言っていたのにはさすがに『やめてなさい。』と言ってしまった。
翌日、俺の魔法で作成したローブにみどりがいろんなエンチャント(たとえば、硬化魔法と称した素材替え(絹からミスリル)や魔力をためやすいようにと各部分に小さな宝石(確認しただけでトパーズやルビー、サファイア、エメラルドのかけらが20は入っていた)を練りこむこと)を行ったものを羽織った。それだけで彼女は何をしに行くのか分かったようだった。
「気を付けてね。」
「昨日は襲撃があったかい?」
「あった。南西の壁を登ろうとしていたみたい。でも、死体があったから、たぶん失敗したんだと思う。」
「死体は?」
「消滅させたよ。超高温で。」
「よし。ならいい。さてと。行ってくる。」
俺は村を出た。森の中に入った瞬間、石が飛んできた。警告のつもりなんだろう。仕方ないから、俺は物理障壁を展開した。そして、同時に周囲に何体いるかを『探知』した。とりあえず、5体。木の上に2体。全く不快感しか覚えない配置だ。もっと奥にいるにもかかわらず、出てこないのだから。大和の相手をしているような気分になる。
『邪魔をするな。』といって広範囲に電撃を流す。木の上にいた奴らは感電し、頭から地面に落下していった。俺はそれがザクロのように割れる前にその着地地点に虚無の空間を生み出し、そこに落ちたのを感覚的に把握してからそれを消した。森の奥に進んでいくとそんなゴブリンが増えてきた。が、どいつも俺の相手にならなかった。森の環境を壊さないように対処する余裕はまだまだあった。




