表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『この滅び行く世界に祝福を』  作者: 早稲農家
21/144

~直樹(帰還者)編第一章~

直樹編第一章開始です。

 俺たちは顔を魔法で変えた後、馬車を途中にあった商業都市で売却した。荷物が少なくなったので全員が馬で移動したほうが早いという話になったのだ。そのため、俺たちは馬を3頭買い、それで王国からはるか離れた場所に来ていた。乗馬は最初はなれないと厳しかったのだが、俺以外は経験者だったという意地の問題で俺は数日でモノにした。『直樹兄って負けず嫌いだね。』とアリサに言われた時は『うっせえ。』としか返せなかった。

 休憩を入れながら着いた村の住民はなんとなく表情が暗かった。

 俺と鷺宮…みどりはこの村に滞在するのはやめようと考えていたのだが、アリサはどうしてもこの村に滞在したいと言ったのだ。その理由は『この人たちが村を捨てないようにするため。』だというのだから、俺たちはあきれるしかなかった。


 「で、あなたがたは何なんですか?」

 「しがない旅人です。いろんな場所を回って住めそうな場所を探しているんですよ。」

 「で、ここに定住したいとおっしゃるんですか?」

 「そういう解釈で問題ありません。で、一つお聞きしたいことがあるんです。」

 「なんです?」

 「この村の人たちが恐れているのは何なんですか?」

 「ああ…ゴブリンだよ。奴らが毎晩畑や牧場を襲うんだ。」

 「人型の魔物か…知能は高そう。しかも、村の四方八方から襲ってくるって感じよね。」

 「対策は簡単だが、そいつらは駆除しないといけないな。」

 「対策してくださるんですか?」


 俺はうなずいた。とりあえず、みどりには村の周りに岩でできた100 mぐらいの壁をその日中に完成させるように指示し、俺はそいつらの巣のありかを探ることにした。馬を使って村の周りを一周したところでその巣が2つあることが分かった。しかも、隔日で襲ってきていたのだ。その周期がずれていたため、村人たちは毎日襲われていたのだった。

 とりあえず、一方が洞窟に、もう一方が森の中に巣を作っているようだったので帰る前に魔力の少なかった洞窟のほうに入っていった。そこにはオークがいた。しかし、数は少なかった。3世帯ぐらいかと思ったが、そこのリーダー格はもっと少ないと言った。


 「何の用フゴ。」

 「…こんな少ない家族で襲ったところであまり収穫なさそうだが、この近くの村を襲っているそうじゃないか。それをやめてほしかったからここに来た。」

 「俺たちを殺すつもりフゴ?」

 「…争うつもりがあったら、真っ先に攻撃を仕掛けてくると思ったんだが、そうしなかったところから推測するにあんたら、限界だろ?」

 「フゴ。そんなこと言いに来たのなら、怒るフゴ。」

 「…とりあえず、村の飢饉はあんたらが原因だとは思わないでおく。で、向かい側の山にいるゴブリンは話が通じるか?」

 「あいつらにはいろいろ奪われたフゴ。もともと、あそこは俺たちのすみかだったフゴ。」

 「…そうか。もし、俺があそこのゴブリンどもを駆逐するって言ったらどうする。」

 「協力するフゴ。あいつらにあの森を渡したまんまなんて許せないフゴ。」

 「そうか。今日は話ができてよかったよ。」


 俺はその洞窟を後にした。あの洞窟は掘られたような跡があった。そう考えると彼らの発言にはあながちウソがなさそうだと思っていた。そんな収穫を手にした俺が村に戻るとみどりが何人もの人に囲まれ、ものすごく困り果てていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ