~直樹(帰還者)編Prologue~
よく考えたら、大和みたいな友人は全くいないことに気づいてしまった。
なんで気に喰わないから殺すという発想の人物ができてしまったんだろう…
「…いつから起きてた?」
「てめえがこっちに殺気を飛ばした瞬間だよ。大和。」
「はあ。イライラするぜ!」
王様は驚きを隠せてなかった。とりあえず、こいつの機嫌だけは絶対に損ねないようにって思っているんだろう。それは正解だよ。間違っても機嫌を損ねたら最後、あんたは死ぬ。間違いなくな。そう思いながら、俺の近くにいた3人を起こした。
そうして起きた俺たちは王様に案内されるまま、玉座にきた。そこで大臣のような男が俺たちに珠に触れるように言った。それこそが特殊能力というか特殊職業の称号を与えるらしい。俺もそれに触れた。その瞬間、全く異質の力が体の中から湧き上がってきた。
「さあ。キミたちの職業や能力値をこのボードに記録させてほしい。」
「いいぜ。貸せよ。」
大和の奴。ノリノリじゃないか。厄介な気しかしない。俺はそれを受け取り、自分のステータスを確認した。記載された職業は『マスターウィザード』で基本ステータスは基本4桁後半。魔力だけは1万5千近い値だった。ここまであれば勇者扱いされるだろう。大臣も大和のステータスを見てすぐ、『『ヒーロー』です。』って言いながら渡している。だけど、このままじゃ、こいつらと一緒に行動しないといけない。悪いがそれだけはごめんだ。僕はそのボードに触れ、すべてのステータスを約100分の1にした上、職業を『メイジ』にしてしまった。それを大臣に渡すと彼は驚愕していた。王様もそれを受け取り、衝撃を受けたような顔でこっちを見た。
「そこの少年。これは真か?」
「えっと…細工できるようなものなの?」
「幻惑魔法の最高位魔法『詐称』でも不可能だ。」
ああ。その通りさ。俺が使ったのはその2つ上。『存在改変』で俺のステータスを一旦下げて職業を付け替えた後、そのボードを上書きしただけ。今の時点ではもう元のステータスに戻っている。さて。どう出てくれるかな?
「こんなステータス。見たことない。子ども以下だぞ。」
「お…王様!異常事態です!」
判決待ちの状態だったのに大臣が騒ぎやがった。しかも、さっきのボードを王様に渡した瞬間、王様の表情も真っ青になっていった。なんかあったのだろうと思った瞬間、王様が兵士を呼び、何かを伝えた。
「まさか…『亡国の魔女』がここに紛れていたとはな!」
王様は鷺宮を指さした。




