~直樹(帰還者)編Prologue~
唯一帰還することになるメンバーのリーダーである八神直樹の視点になります。
彼の話ではいろいろ胸糞悪くなるようなキャラがたくさん出てきますが、ご了承ください。
俺が目覚めた場所はなんと地下牢のような場所だった。魔法使いみたいな恰好をしているのが8人ほどいて目つきがきつい同年代の少女がドレスを纏っている。厄介ごとの匂いしかしない。小さい声で『このみすぼらしい者たちが勇者なのですか?』とか言ってやがる。好き勝手言ってくれる。最悪のメンバーだ。大塚朱里、和宮大和、鷺宮みどり、杉野寛太、瀬戸幸助、野々村京子に保木さとるか。なんでこんなメンバーなんだか。鷺宮と保木は最底辺カースト。大和は言わずもがな、大塚は大和にぞっこん。杉野は特になんもないが、瀬戸に関しては骨が砕ける感覚が大好きなサイコパスだ。こんなメンバーで図って過ごすなんて俺の精神衛生的に全くよろしくない。しかも、『勇者』なんて最悪のワードを耳にしてしまった以上、ささっと退散したかった。
「おい。起きろ!」
兵士らしき男が大和のことを槍で軽くつついた。しかし、それはよくなかった。大和はその槍の刃を手で掴み、思いっきり引っ張った。そのせいで兵士は大和に顔面を鷲掴みされ、絶命するまで石牢の床に叩き付けられてしまった。
「俺に喧嘩を売ったんだ。次はどいつがどう死にたい?」
お姫様が悲鳴を上げる。それと同時に牢の扉が開き、威厳たっぷりな男が現れた。頭の冠、紅いマント、豪華そうな剣。明らかに王様なんだろう。
「大変な無礼をお詫びさせてくれ。勇者殿。私たちはこの世界の魔族を駆逐してほしいのだ。それが終わったら、この世界であげられるものなら何でもあげよう。」
「あ?何でもって言ったな?じゃあ、あんたの玉座、地位を渡せって言ってもか?」
「もちろんだ。二言はないよ。」
「とりあえず、武器とかはもらえるんだよな?」
「もちろんだ。それだけじゃない。キミたちに特殊能力を開花させよう。」
「乗った。その前にだ…ここにいた勇者は何人って報告はまだだよな?」
「どうしたのかね?」
「どうしても仲間にほしくない奴がいるんでね。ここで死…」
言い終わる前に俺の首に向かって手を伸ばしてきた。だが、奴はそれを途中で止めた。止めなければ、素早く振り上げた足が奴の頭を捉えるはずだったのに。軽くかする程度の傷しか与えられなかった。




