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間話 妹観察日記

 妹。それは、持たざる者達は羨望し渇望するもの。持つ者達はその暴虐ぶりに頭を悩ませながら、創作に出てくる妹キャラを見て血涙を流させるものである。持たざる者たちが考える妹とは、幻想と虚構によって彩られた偶像なのである。

 では、とある家庭の妹の一日を見てみよう。


201X/02/XX

0640  

 日曜日だというのに彼女の朝は早い。低血圧らしく、目覚ましを止めてから、30分近く動かない。ようやく動くと、寝間着のまま部屋から出て行く。何をしに行くのだろうか?


0720

 寝間着のまま洗面所に現れる。どこか眠そうな表情を見せながら鏡の前で棒立ちになったまま数分間鏡と向き合う。その後、顔を洗い、歯を磨く。それを終えると、洗面所から出て行った。


0750

 居間のソファで寝ている彼女を見つけた。ここで寝るくらいであれば、この時間まで部屋で寝ていればよいのではないだろうか?その辺りを考えない辺り、馬鹿なのかもしれない。


0825

 二度寝から起床する。緩慢な動きでTVのリモコンを取ると、ソファで横になったまま国民的少女向けアニメを見始める。途中で舌足らずな、がんばれ、の声が聞こえたような気がしたが気のせいだろう。


0905

台所に向かう。冷蔵庫を開けると納豆を取り出し、しっかりと箸で練る。練り終えると、置いてあった唐揚げにレモンをかけてから、納豆を持って何処かへと向かっていく。


1130

 兄と一緒に朝と昼を合わせて摂る。唐揚げが好物なのか、唐揚げを口に含んだ時には硬い表情を綻ばせていた。後片付けは兄に投げるようだ。


1240

 自室からプラモデルを持って居間へとやって来る。TVを見ていた兄の横に座ると箱を開けてプラモデルの組み立てを始める。


1720

 兄が台所へと向かう。台所に立つ兄をソファからチラチラと覗いている。10分程度それを行うと飽きたのか、手元のスマートフォンを触り始める。特に連絡が来ていなかったらしく、スマートフォンを放り投げ、TVを見始めた。


1830

祖父母が帰宅する。玄関にまで迎えに行った彼女は、大きな荷物を持たされて居間へと戻ってきた。兄が笑いながら指を指して笑っていたら、脛を蹴られたようだ。悶えているさまがとても痛々しい。


1900

 四人で食事を始める。野菜が嫌いらしく、残していたのを三人から指摘され、渋々食べていた。食事を終えると、台所へと食器を持っていく。祖父母の前では、兄と二人の時と違って多少は常識的になるようだ。


2000

 風呂へと向かう。彼女の【検閲済】。

 30分ほどで風呂から出ると、部屋へと戻っていく。


2100

 PCを立ち上げてゲームを始める。戦車のTPSゲームのようだ。撃破されると奇声を上げながら頭を掻き毟る。一時間ほど続けた所で、涙目になりながら部屋から出て行った。何かあったのだろうか?


2300

 どこか清々しい顔で部屋へと戻ってきた。先程、隣の部屋から、何かを叩く音がしたが、それで気が晴れたのだろうか?隣の部屋の彼女の兄に何があったかは我々の情報網では知ることが出来なかった。


2400

 床につく。ゲームやプラモデルなど、サブカルに興味が有るのだから寝るのはもっと遅いのかと思っていたが、そんなこともなくこの時間に就寝した。


 彼女の一日を見ていただいた諸氏にはお分かりいただけるだろうが、用事のない時の妹というのは、大体の場合は中年のおっさんと大して変わらない行動をするのだ。ただし、一歩でも外へと出れば、彼女たちは外用の仮面を被って、中年のおっさんという内面を曝け出すことなく日々を過ごしているのである。友人の妹という存在は、妹の居ない者にとっては羨んでしまう事もある。しかし、兄という存在であるのはそこまで甘くないことだと、ほんの少しでも覚えておいてくれると、友人との無用な喧嘩は避けられるだろう。

 今回は山なしオチ無しな感じの間話でした。

 深夜の訳の分からないテンションの時に書いた作品なので、ブックマークをしてくれた人が居た時には「!!!???!??」といった感じになっていました。

 今後も、色々とよろしくお願いします。

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