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一話・春の朝

春眠、暁を覚えず。


とは上手い言葉だ。さすが、昔の人はいいことを言う。

実際に体験すると分かるが、春の暖かい日ざしに包まれながら心地よく目を覚まし、顔を洗い、歯を磨くなんて並大抵の精神力ではこなせるはずがないのだ。

そして俺はそんなに強靱な精神力を持ち合わせていない。



つまり、二度寝をするという結論に至るわけだ。



ではおやすみ。


グッバイ、太陽。


















「くぉーらー!春にい!なに二度寝してんの〜!」

ガバッ!と布団を剥がされる。


春樹

「うぉっ!寒っ!」


今年の春は寒いらしい。



「春にい、今日始業式でしょ!?もう八時過ぎてるよ!遅刻だよ!ち・こ・く!」


あーそうそう。そういえば今日は始業…




春樹

「ってぅおい!!それを早く言わんかー!」

「さっきからずっと言ってましたけど〜?もう外で真樹奈さん待ってるんだから早くしてあげたら?

 私はもう行かないといけないから!

 じゃ〜ね〜!」


そう言い残すと萌はピュン!といった感じの勢いで部屋から出ていった。




さて、着替えながら萌について説明しよう。


九条萌。俺の一個下の妹。桜ケ丘高校に近い場所にある美咲中学に通っている。ちなみに、俺と真樹奈もそこの出身。


毎朝起こしに来る。

まぁなんだかんだいって兄が起きるまで家にいてくれるんだから良い妹なんじゃないかと思ってる。




あれ、下のズボンどこいった?




身長は低め、っていうか服だけ替えれば小学生で通るんじゃないだろうか。


部活は手芸部。

暗いところと雷が苦手。

好きなものはパフェと猫。

俺が知ってるのはこのくらい。




さてと、行きますか。




朝飯は気合いでカバーするとして、昼は学食でいいか…。金あったかなぁ?



玄関を出たところで声をかけられた。







真樹奈

「もうっ!遅いよ!?今日は始業式なのに…」


春樹

「まぁまぁ…。そんな怒るなよ〜。近いんだから早歩きしてけば全然間に合うって。」




真樹奈

「何言ってるの〜!!始業式は普通の時より30分早く行かなきゃいけないって先生が言ってたでしょ!」






…。







春樹

「…走る?」


真樹奈

「当たり前でしょ〜!」




…はい。






朝から走ることになった。




いや、自業自得なのだが。



こんな時間まで俺を待っていてくれたのは誰なのかというと、俺の家の隣に住んでいて、幼馴染でもある、巴真樹奈だ。

夜は窓越しに会話〜なんてことはないから変な妄想はしないでいただきたい。






いや、少しはするか…。




部屋は向かいだと言っておくぜ。









俺と同じく美咲中学出身。

ていうか生まれた頃からほとんど一緒に過ごしてきた気がする。うん、だから幼馴染なんだけど。


小学校から中学校までずっと同じクラスだった。


唯一離れたのは中学の時、俺は陸上部だったけど、真樹奈は吹奏楽部だったこと。それくらいしかない。


小さい頃は俺にベッタリだった気がする。


思えばあの頃は可愛かった…。






…いや、今でも十分に可愛いんだが。俺の傍においておくのが勿体ないくらい。


なんだろう?感覚の麻痺?


ずっと傍にいるとその本当の価値に気付かない、って言うじゃん?


今だって、さすがにベッタリまではいかないが、結構一緒に居る時間は多いほうだと思う。




女の子っていうよりは、妹みたいな感じだな。


でも、それはあっちも同じだろう。







最近は高校に入ったら吹奏楽部に入るように!と、しつこい勧誘が続いている。



入ってやってもいいと思うけど、陸上部に入るかどうかで気持ちが揺らいでいるのが現状だ。









真樹奈

「ねぇ、まだ朝ご飯食べてないでしょ?」


走りながら真樹奈が聞く。


春樹

「ご名答!」



真樹奈

「自慢して言うことじゃないの!

 えと、サンドイッチならあるけど、食べる?」


春樹

「おぉ!さすが真樹奈!」


真樹奈

「朝の余りだから気にしないで。で、食べるの?」



春樹

「じゃ、遠慮なく。」










うむ、やはり真樹奈のサンドイッチは旨かった。










桜ケ丘高校前


真樹奈

「はっ、はっ、疲れたぁ…」


春樹

「良かった。間に合ったな。」




真樹奈

「な、なんで平気なの!?

 …十分くらい走りっぱなしだったのに…。」


ぜぇぜぇと息を乱しながら真樹奈が聞く。




春樹

「おま、当たり前だろ。

 俺、中学三年間長距離の選手やってたんだぞ?これでもエースだぞ?」




真樹奈

「そっか…そだった…。

 でも、高校は吹奏楽部に入るって…。」



春樹

「はいはい。後でな。」






真樹奈がぶーぶー言ってたような気もしたが、気にしない気にしない。


この後、クラス分けを見に行ったらまた真樹奈と同じクラスだった。


…やっぱなんかあんのかな。






そしてクラスに滑り込み、出席も終えて、始業式に向かった。


面倒なので省略。




校長

「え〜私は毎日玉葱を五個食べています」







校長w




司会進行役の教師

「え〜これにて始業式を終了とします。3年生は後ろから、2年生は前から出なさい。

…1年生は少し待っているように。」







ん?



春樹

「なぁ真樹奈。」


真樹奈

「うん。何かあるのかな?」


春樹

「いや、俺も分からん…。」







待つこと五分。


司会進行役(?)の生徒

「では、これより、新入生歓迎会を執り行います!」













こうして俺を桜ケ丘高校吹奏楽部に導いたイベントが始まったのだった。





文才が無くてすいませんです。さっそく萌と真樹奈が被りそうな気がします。更新頻度は一週間に一回くらいです。見守っていただけたら幸いです。では、今後もよろしくお願いします。十四万宮

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