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【物語】ラーメンファンタジー【あらすじ的に超ざっくり】

作者: 素子枝 朗

ラーメンとファンタジーが好きな作者が書きました。

超お気楽作品ですのでこころのゆとりがあるときにご覧くださいませ。

 ファンタジアラーメン国で長年の諍いが収まらず戦争となった。


「大変だ!トンコツ部隊が来たぞ!みんな逃げろ!うわぁ!」


 街に乗り込んだトンコツ戦車が市民にトンコツスープを浴びせる。

「醤油の民なんて薄っぺらい奴らはこれでもくらいやがれ!ヒャッハー!」

残忍なケルベロムトンコツ戦士たちにより、醤油スープの妖精たちはトンコツスープを浴びせられ、美しい羽も脂でドロドロになり、その臭いにのたうちまわり、倒れて行った。


 ラーメンの国の大多数の醤油スープ妖精たちは、武闘派のトンコツ獣人の奇襲に逆らう暇もなく制圧された。


『トンコツでなければラーメンではなし』とまで言っても逆らえない程の力をファンタジアラーメン議会にも及ぼし、この国はトンコツの臭いあふれる空気をよどませた。


 からくも密かに逃げ切った醤油妖精民の中に、ラーメン議会穏健派の息子、醤油妖精王子ナルティオが紛れていた。


 醤油王子ナルティオには側近の昆布と煮干しがついていた。


「王子、国の半分はトンコツに制圧されておりますが、まだ地方には塩ラーメン自治区がふんばり、北には味噌共和軍が控えています。ひとまず北へ向かいましょう」

北出身の昆布爺が王子に話す。

王子は若い顔に苦渋の色を濃くしつつも、爺の教えに従った。


 ファンタジアラーメン国は、あらゆるラーメンを認める思想で仲良くみんなが暮らしていたのに……。

『こだわりトンコツ派』の動きを止められなかったことが悔やまれる。

議長、つまりナルティオの父はどうなってしまったのか……。

 

 ナルティオは自分を逃がした両親を心配した。



 一方、トンコツ軍も一枚岩の様に見えたが…密かに『醤油トンコツ』派の御庭番衆がナルティオ王子を捜索していた。

 醤油王子は醤油トンコツ党、焦がしニンニクの精ガリクソンの甥でもあった。王子の母から密使で命乞いを受けていたのだ。


 ガリクソンはトンコツ党に属していたが、その中でも穏健派リーダー格だ。はじめはこの反乱に意見をしていたため武闘派のチャーシュードラゴン一族から監視されている。

 彼自身はあまり表だって動けないが、トンコツと醤油の和平に向けて命を捨ててでも使命を果たそうと決心していた。

 ガリクソンもトンコツドラゴンも北の味噌共和軍がどう出るか気になっていた。

 しかし、味噌共和軍は自陣から動かない。トンコツ軍の動きに気づいて味噌グリフたちはバタードワーフとコーン狐たちと共に北のラーメン神が棲むと伝説のカンスイ山脈に移動した。

 

 天然の要塞はトンコツのスープですら凍え、脂も固める。トンコツ軍もうかつに手は出せない。


 味噌の知らせにも間に合わず、北に行けなかった塩人魚たちは沖に自治区を置き避難していた。もともと一番穏やかな性質の塩人魚たちにトンコツに抵抗する武力はなかった。


 塩人魚達は味噌のことが気がかりで、海の彼方にあるソーキーランドに使者をおくり相談をした。


 そこでソーキ-王から『虹のレンゲ』を貸してもらう。そして、この神器は他に『虹の丼』『虹の箸』がそろうことでカンスイ神の力を開くのだ。

『虹の箸』はトンコツ軍が確保していたが、その意味には気づいていない。虹の丼は、ショウガ仙人クレナイが持っていた。


 虹のレンゲを持つ塩人魚は必死にカンスイ山を目指すが、トンコツ軍に見つかりこってりスープを浴びて倒れる。ちょうど居合わせたナルティオ王子がそれを助けた。

塩人魚ソルチルから虹の神器の話を聞いたナルティオは一緒に旅をすることにした。まずショウガ仙人を探すことにした。



 ショウガ仙人クレナイはどこにいるのか、どんな姿なのかはわからない。

「ソーキー王は仙人は静かな場所と甘い物とラーメン餃子半チャーハン定食を好むと言っていました」と、塩人魚ソルチルは自分の美しく長い髪を贄にして、召喚魔法を使う事にした。


 ソルチルは魔法陣を地面に描き、髪と塩ラーメン餃子半チャーハン定食とデザートの杏仁豆腐を陣の中央に配置、呪文を唱えた。


 白い煙と共に、現れたのは魔法陣中央に黄金の丼を頭に被った老人。彼はあぐらをかき、定食のデザートまで食べ終えていた。


「ワシを呼び寄せるとは、小娘も大したものじゃ」とショウガ仙人クレナイはアッサリと虹の丼をソルチルに渡した。


 仙人クレナイは争いは好まないのだが、トンコツ軍の件に対して「カンスイ山のラーメン神の意思を仰ぐべき。虹の箸はワシの千里眼ではトンコツ軍総督、チャーシュードラゴンのガンコーヤジィが持っておる。しかし、そこにはトンコツ結界が張っておりワシでも行けぬ、すまぬ」と話した。


 そこに、ガリクソンの御庭番衆がやって来て、王子の保護を話した。

王子はラーメン国の和平のために、虹の神器を揃える、かくかくしかじか、と御庭番衆に話した。

 御庭番衆は承知して、隊長の海苔蔵が王子に着く事にして、残りの御庭番衆はガリクソンにこの件を伝える事にするため戻った。



 この時点で、王子の仲間は昆布爺、煮干し爺、塩人魚ソルチル、御庭番海苔蔵。


 ひとまず北のカンスイ山、味噌共和軍を目指す事にした。


 一方、御庭番衆から王子と虹の神器の話を聞いたガリクソンは、トンコツ軍総督ガンコーヤジィから虹の箸を奪う事にした。

 虹の箸は『議長の証』として、ナルティオ王子の父、シャイナチク議長が持っていたのだが、ガンコーヤジィが奪ったのだ。


 シャイナチク議長は権利を剥奪され、しかし、屈服も知っているであろう秘密も吐き出さないため、議長の妻と共に投獄されていた。もちろんナルティオ王子の事も言うはずがなかった。


 ガリクソンは議長とは血縁に当たるので、監視が常に着いてる。

 虹の箸を奪うチャンスは一度きりだろう。


 ガリクソンは御庭番衆に指示をして監視を倒し、ガンコーヤジィから虹の箸を奪うと最後の御庭番である昆布蔵に手渡し、ガンコーヤジィから抹殺された。

 ガンコーヤジィは『あの箸には秘密がある!追え!』とトンコツ軍虐殺部隊に指示をした。


 昆布蔵は必死にナルティオ王子の元にかけ馳せ、海苔蔵と共にトンコツ虐殺部隊と戦い、散った。


 王子は悔しい思いを持ちつつ、虹の神器を持ち、味噌共和軍防衛エリアに入った。


 味噌共和軍は王子やソルチル一行を温かく迎えた。

虹の神器の話を聞いた共和軍隊長ホウレンは『実は神器はもう一つある、それがこれだ』と虹のコップを差し出した。


 味噌グリフ一族に『友好の証』として代々受け継がれたものであった。


 こうしてナルティオ王子、ソルチル、ホウレンたちはカンスイ山に虹の神器を捧げて祈った。


 するとカンスイ山の頂きに黄金の光と共に一機の巨大ロボットが降り立った。

 白い機体に白い羽を持つ、美しい姿。


仙人クレナイは「あれは…伝説の勇者トリガラーシュじゃ!」と言った。


 トリガラーシュはナルティオ王子を乗り手に選んだ。


 ナルティオ王子はトリガラーシュに乗り込む。トリガラーシュと王子の和平を望むオーラ、人々の和平を望むオーラを増幅させ、白い機体はトンコツ軍へ向かう。


 トンコツ軍は総力をあげてトリガラーシュを落とそうとするが、無敵のトリガラーシュにはかなわない。


 いよいよ、ガンコーヤジィのいる議事堂を落とそうとした時


ナルティオ王子の目に、議事堂の屋根に縛り付けられた両親の姿が飛び込んで来た。



 シャイナチク議長は白い機体を見て全てを悟った。全てを妻と共に覚悟した。


しかし、ナルティオ王子はさすがに手を出せなかった。



 トンコツ軍に返り討ちされるかという瞬間。


民衆の祈りがトリガラーシュにバリアオーラを起こした。

味噌共和軍が総力をあげて、トリガラーシュの援助と、各地に飛んで、国民に祈るように伝えたのだ。


 バリアオーラは祈りを増幅し、それがまた国民全てに伝わっていく。


 醤油も、塩も、トンコツも、味噌も、全ての心が和平の祈りを送った。


 ガンコーヤジィはそれでも負けまいと軍に指示を出そうとした。

それを止めたのは愛する息子、カエタマールだった。

「父上、もうやめましょう。トンコツの誇りをこれ以上自らをドロドロスープにする事はありません」と穏やかに言った。


カエタマールはトンコツオーラの中でしか生きられないため、父のガンコーヤジィが国をトンコツオーラで満たそうとしたのだ。


 ガンコーヤジィは崩れ落ちる。


  トリガラーシュから降りてガンコーヤジィと対面したナルティオ王子はカエタマールからも話を聞き、共に和平の約束を交わした。


トリガラーシュの祈りのオーラでカエタマールの体も治った。

 涙を流して感謝したガンコーヤジィは出家して全国にお詫びの旅をする事にした。


ラーメン国に平和が戻り、またいろんなラーメンがいきいきと暮らせるようになったとさ。



(了)



乱文拙作をご覧くださりありがとうございました。

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