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トルバドーれ! ライナーノーツ  作者: 袴田八峰


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06.ヤダ!

■06.ヤダ!■


 【リリース】:第三幕 四席


 【作詞】:ポメロ


 【作曲】:ポメロ


 【V.】:ポメロ


 【熱情の名前】:不快感


 【熱情の形状】:弾けて転がって暴れまわる不定形


 【内容】:

 

  ポメロが挫折の夜に産み落とした「不快感」の結晶。

  ポメロの声と、それに呼応するように駄々を捏ねるギターの掛け合いから始まる。

  スラッシュ奏法による粒立った音圧と、癇癪を表現した高速鳴動。

  構成や理論を無視し、ただ「嫌だ」という感覚を叩きつける剥き出しの呪詛。



 【歌詞抜粋】:


  「ヤダ!」「嫌だ!」「ヤダ!」「ヤダヤダヤダ!」「嫌だ!」「ヤダ!」

  「いーーやーーだっ!」「……ヤダ!!」


  苦みの強い野菜、

  服にひっつくトゲトゲの種子、

  続く大雨、

  臭い便所。



 メルダック(本編ボツデータからサルベージ):

 

   なによ、あのガキ。

   

   最初はペラッペラの音で、一山いくらの「お怒りパンク」かと思ったわよ。

   十三番舞台の掃除婦だって、もう少しマシな絶叫をあげるわ。

   

   でも、Aメロに入った瞬間……時空が爆ぜた。

   

   あれは暴力じゃない。悲しみでも、怒りでもない。

   ただの、純粋で、原色の……【不快感】という名の結晶体。

   

   アータ、分かってる?

   

   普通、表現者ってのは「分かってほしい」とか「愛してほしい」とか、

   薄汚い下心を音に乗せるものなのよ。

   でもあの子、アーシのことなんて欠片も見てなかった。

   

   路傍の石っころを蹴飛ばすみたいに、その剥き出しの不快感を

   アーシの顔面に叩きつけて、そのままさっさと通り過ぎていった。

   

   ……屈辱だわ。

   

   海千山千のアーシが、ただの生理的拒絶に中てられて、

   ソファの革を毟るほど悶かされるなんて。

   

   イケなかったわよ。

   当然でしょ。

   

   中身をぐちゃぐちゃに弄り回しておいて、最後は「不快感でした」なんて、

   すんとした顔で答え合わせ?

   

   ……アハッ、笑えるわ。

   

   いいわ、合格よ。文句なし。

   

   こんなんファンになるしか選択肢ないじゃない。

   

   あの子のあの「ヤダ!」は、伝統派の連中が一生かかっても解けない、

   サイテーにイカレた【暴虐しぐさ】だわ。

   

   


 

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