第1話 魔王様、告白される。
初投稿です。よろしくお願いします。
「ダァぁぁあぁー!ダメだ‼︎仕事が終わらない!」
そんな悲惨な叫びをあげたのは、何十人かの魔王軍の幹部が座っている長い机のお誕生日席に座っている美しいぐらい深い黒色の髪をボサボサにして何重もの黒い隈を目の下に作っているこの男は、この世界の魔王リュートである。
「おい魔王様!急に大声を出すんじゃねーよ!集中が切れたじゃねーか!」
ふわふわの巻き毛で白髪の男、ビンは普段は物静かで温厚な性格の持ち主だが今では仕事のストレスの限界で今ではもう別人と化してしまった。
「よさんかビン!お前のいつもの冷静さは何処に行ってしまったのだ!」
白髪のふわふわの巻き毛のひときわ大きな声で怒鳴ったこの男は、ビンの兄のダン。規則に厳しくすぐに怒鳴るクセがある。
「うるせぇんだよ!そんな大声出さなくても聞こえるわ!!!」
ビンはもう別人のようだ。
「二人とも煩わしいですよ。騒ぐ暇があるなら手を動かしなさい。ニエル殿を見習ったらどうですか?」
そう冷たく言い放ったのは眼鏡の水色のサラサラな髪を後ろで細く三つ編みをした男、トリニはリュートのすぐ側に座っている男を指さした。
ニエルはこの世の者ではないような声を出していたが、手は動き続けていた。
ニエルは魔王の側近で昔からリュートにつかえてきた、一番の古株である。
「あのぉ...ニエル様は大丈夫なのですか?」
控えめに手を挙げて発言したこの男は、コナーと言う者だ。
リュートや他の幹部たちもこの世の者でないような
声を出し続けていたニエルが流石に心配になり、リュートが声をかけることにした。
「お、おいニエル?大丈夫か?少し休んできたらどうだ?」
恐る恐る声をかけたが手は止まったものの返事が返ってこない。
長い沈黙の後、ニエルは急にリュートの肩に手を掴んだ。
「うぉ?!なんだどうした?!」
そして
「魔王様、私は貴方のことがとてもとても大好きだったのですよ?」
「は?」
疲れ切ったニエルの口から出た言葉は長年つかえてきた魔王への愛の告白だった。




