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七十三話、宇宙革命的馬鹿

しまった、本気で『ん』で終わった。

 放課後。僕、厚樹、さつき、美咲の四人は未来と有紀のいる茶道部部室へとやって来ていた

 ちなみに又二郎は体育館でバスケにいそしんでいるため来ていない。休み明けで部活は休みだというのに、熱心なヤツである。



 又二郎の話はさておき、狭いことでお馴染みの部室に六人も入っているので普段に増して狭く感じていた


「狭いっつーか、暑すぎんだろ」

 額の汗をぬぐいながら厚樹が言う

・・・確かに、扇風機一台しか置いてないこの部室は死ぬほど暑い。


 文句を垂れた厚樹を一瞥した有紀が不機嫌そうに、

「文句を言いたいのは私のほうだ。この狭い部室に四人も押しかけてくるとは」

「だ、だってよぉ普通文化系の部室って冷房とかガンガン効いてるイメージあったから、んなこと気にしなかったんだよ」


「・・・そこは秋氏の説明不足だな」

 いきなり怒りの矛先が向けられた!


「ちょ! なんで僕のせい!?」

「秋氏はこの部室に冷房が無いことを知っていただろう、それなのに皆が集まる場所をここに選んだのは秋氏が馬鹿だからだ」


 そう言われると確かに僕が悪いのだが、あの時はテンパってたから仕方が無い

 厚樹たちにあれだけ迫られている時に冷房のことまで気が回らなかったのだ。


「そうだぞ馬鹿秋! お前のせいで俺達がクソ暑い思いしてんだからな!」

「馬鹿で悪かったね・・・」


 くそう。僕に非がある分、まともに言い返すことが出来ない。


「ふん。前々から馬鹿だと思ってはいたが、まさかここまで馬鹿だったとはな。もはや大馬鹿だ」

「有紀ちゃん、こいつは大馬鹿なんて言葉じゃ足りねぇよ。宇宙革命的馬鹿とでも言っておこうか」


「・・・面目ないです」


 ・・・こいつ等、僕が言い返せないのをいいことに散々言いおって!

 僕が馬鹿なのは認めるが、厚樹にだけは言われたくない!! 『宇宙革命的馬鹿』なんてアホらしい単語を使うお前にだけは!!



「あのー・・・お取り込み中悪いんだけど、ちょっといいかなー?」


 僕達の醜いやり取りを傍観していた美咲が遠慮がちに挙手した

 厚樹達は文句を止めて美咲のほうに視線を向ける。ありがとう、おかげで助かったと心の中で両手を合わせた


「どうした美咲ちゃん?」

 厚樹が聞くと、

「いや。さつきと未来ちゃんが干からびてるんだけど」

 と言って畳の上でうつ伏せになっているさつきと未来を指差す。


「水・・・水を・・・」


 と、さつき。

 今の哀れな姿はとてもヒロインとは思えません。てか、ミイラ?


「助けて・・・死んじゃう・・・」


 その向かい側で、同じくミイラ状態の未来。こちらもヒロインらしからぬ惨状である。 

 ・・・確かにこれは重症だ。


「提案なんだけど、話し合いするなら学食でいいんじゃない? あそこなら冷房も効いてるだろうし」


「そうだな。ここで死人が出てもらっても困る」

 美咲の提案にうなずく有紀。

 もちろんこの部屋にいる皆が彼女の意見に賛成だ。暑いし。


「なに・・・移動するの・・・?」

 朦朧としながらも、話は聞いていたらしいさつきが僕等に聞いてきた


「そうだぞさつき殿。秋氏が学食でジュースを奢ってくれるらしいから、早く生き返るといい」

「・・・ジュースっ!」

 有紀の言葉を聞いた途端、勢い良く飛び起きた

 奢るなんて一言も言ってないんだけど。まぁいいか。


「うぅ・・・あたしもジュース欲しい・・・」

 今度は未来が朦朧としながら顔を上げた


「未来ちゃん! 秋くんが奢ってくれるから安心したまえ!」

「やた!!」

 美咲に励まされ未来のほうも復活した

 何気に出費が増えたことは黙認しよう。ジュース二本くらいどうってことはないし。



 そう考えながら財布の中を確認する僕の元に厚樹がやってくる


「おい宇宙革命的馬鹿! 俺にもジュース奢れよ!!」


 ・・・お前は干からびろ!!


次回、白状!




秋:おいおい、しりとり終わっちゃったよ。どうすんの?

又二郎:不覚・・・素で『ん』をつけてしまった・・・

厚樹:もっかい始めればいいんじゃね?『ん』から。


又二郎:よし、そうしよう。


秋:・・・待てや!? ないだろ『ん』から始まる単語!?

又二郎:ふん。宇宙革命的馬鹿のお前には想像もできんだろうが、俺にはできる!!『ん』から始まる単語くらいなぁ!!


秋:誰が宇宙革命的馬鹿だ!

厚樹:どうどう。落ち着けって秋、どうせ口先だけだ。

秋:・・・それもそうだね。アイツは口先から生まれたといっても過言じゃないヤツだからね。


又二郎:HAHAHA、なんとでも言え!次回の前書きで、俺の素晴らしさをわからせてやろうぞ!!


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