六十九話、店長vs有紀!?
パスケットボールにはなにが詰まっているのかな?・・・夢と汗と青春です!
先日宿泊した旅館の女将さんが、突然自分の高校の保険医になった。って言われたらどうする?
・・・驚くよね? 当然だよね? だったら、お約束通り驚くことにしよう。
皆さんいきますよー? せーの・・・っ
「「「「「「なんだってぇええええええええええええええええええええええ!!!?」」」」」」
綺麗にハモった僕等の叫び声が、店内に響き渡る
それを聞いたクラス長と女将さんは「やっぱり」といった様子で笑った。
そこで更に女将さんが、
「ちなみに、この店の店長はウチの旦那です♪」
「「「「「なんだっ・・・―――」」」」」
「お前らぁ!! 人の店で騒いでんじゃねぇ!!!」
もう一度綺麗にハモろうとしたところで、厨房からの怒声に止められてしまう
驚いて厨房の方を見ると、鬼の形相でこちらを睨みつけてくる男の人がいた。
・・・正直、鬼の形相どころではない。その先のもっと恐ろしいナニカを感じてしまった。
「ひぃ・・・ご、ごめんなさい!」
真っ先に謝る未来。可哀想に。
そんな未来を見て「頼むぜおい・・・」と男の人は頬を掻いた
「もぅ、あなた! 子供をいじめるのはやめなさい!」
「よ、よっちゃん・・・スマン。」
よっちゃんて。
まさか、この男の人が・・・旦那、なんだろうなぁ・・・『あなた』って呼んでたし。
「あの。この極道ヅラの男が、店長兼旦那さんですか?」
わかっているとは思うが、念のために確認する有紀。
それを聞いた店長さんが「誰が極道ヅラだ」とぼやいたが、完全スルー
・・・あぁ、多分。未来を怖がらせたから、ちょっと不機嫌なんだな有紀のヤツ。
「そうですよ。この極道ヅラがウチの旦那兼、この店の店長です」
「か、勘弁してくれよ。よっちゃん・・・」
女将さんにまで言われ、傷心する店長さんに有紀はなんと追い討ちをかける
「ふん。極道ヅラで愛想の無い店長が経営するラーメン屋がこんなに流行っているとは驚きだ。すると、ここのラーメンはさぞ美味いのだろうな?」
・・・有紀さん。あんた、ちょっと不機嫌ってレベルじゃないですよね?
この言葉には流石の店長もカチンと来たらしく、有紀に対して挑戦的な態度で言い返す
「お? 言うじゃねぇかネエちゃん、わかった。今すぐラーメン食わせてやっからよ・・・この店が流行ってる理由を、その舌に教えてやるぜ」
「・・・わかった。では、期待しておこう」
「そうしな。ホラ、とっとと注文してくれよ」
バチバチバチバチッ!!!
そんなやり取りを交わす二人の間に、激しい火花が飛び散っていた・・・
そんなこんなで・・・
このラーメン屋に来て散々驚かされた僕達はようやくメニュー表に目を通していた
ようやく。というか、なんかもぉいろいろ驚きすぎて、どうでも良くなったというのが本音である。
「あれ? なんかラーメン一種類しかないね?」
ページの無いペラペラなメニュー表を見ながら、厚樹に言う
ちなみに、裏面にはサブメニューがつらつらと書かれているのだが、麺類は『海鮮ラーメン』のみ。
「そうだな? んー・・・今日はとんこつな気分だったのになぁ。まぁ仕方ね、俺は海鮮ラーメンでいいや」
「というか、それ以外選択肢がないしね。僕も海鮮ラーメンひとつ」
「それでは、私も海鮮ラーメンをいただこう」
僕と厚樹の話を聞いていた有紀が、迷わず言う
「あ! あたしもそれで!」
次に美咲。
ここまではあっさり注文が決まっていったのだが。残りの二人は、なにを頼むか少々頭を悩ませていた。
「え、えっと・・・海鮮ラーメンと・・・杏仁豆腐・・・いやいや、ここは大福という選択も・・・」
と、ぶつぶつ悩むさつき。
「どうしよ、あたしは・・・あんみつ・・・? それとも、季節限定アイス・・・いやでも、そんなに食べられるかな・・・?」
同じく苦悩する未来。
・・・あぁ。確かこの二人って、甘党組だったね。
「あのさ、未来。よかったらお互い違うヤツ頼んで、分けっこしない?」
「あ! いいよ!! そうしよそうしよ! えっとね、あたしはあんみつが食べたいんだけど、いいかな?」
「もちろんよ。私は杏仁豆腐がいいんだけど、大丈夫よね?」
「うん! 大丈夫だよ、杏仁豆腐好きだもん!」
笑顔で言った未来の言葉に「決まりね」と頷くさつき
・・・どうやら、納得のいく注文が出来たようだ。
「なぁ、秋・・・」
そんな二人のやり取りを見ていた厚樹が、肘でつついてくる
「なんだよ?」
そう言うと、厚樹は声を潜めて・・・
「今のやり取り、乙女チックだったな。俺、感動した」
・・・知るか!!
次回、夏休み終了!
秋:夏休み終了!?
厚樹:まじでか!?
又二郎:そういうことだ。次で夏休み編を、終わらせちゃる!!
秋:どんな急展開にするつもりだよ・・・?
厚樹:お前、適当に終わらせるのだけはやめてくれよ?
又二郎:ノノノ。それは大丈夫だ、今更だし。
秋 厚樹:今更ってオイ!!?