六十八話、集結!1年D組の名物メンバー!?
うーぱーるーぱー
馬鹿だった。その一言に尽きる
なにゆえ僕等は隣町まで来て喧嘩をしてしまったのか。
・・・そう、それは僕が馬鹿だったからだ。
厚樹がキレることなんて日常茶飯事だし、軽くあしらっておけば良かったものを。つい、悪ノリしてしまった
そこは僕が悪かったよ。でも、これだけ言わせてください・・・
・・・非は、厚樹にあったと。
「どうでもいいけど、痛い・・・」
そんなことを考えながら、ふらふらと歩く
「あぁー、痛ぇ。痛ぇよ秋ー」
「うるさい、死ね」
隣では僕と同様に傷だらけの厚樹がふらふらと歩いていた
・・・なんというか、自業自得だよ。
「おーい! 着いたよ二人ともー!」
「・・・着いたってさ」
「やっとかよ、なんか長い道のりだったな」
美咲の声に顔を上げる
いつの間にか皆の最後尾に来ていた僕達は、前方の女子陣を見た
僕等の到着を待っている皆の向こう側に、本日のお目当てであるラーメン屋『海ノ麺』が見える
「おー、ホントだ。もう目の前だねラーメン屋」
「だな。女の子を待たせるのもアレだし、とっとと行こうぜ秋」
厚樹の言葉に「いえっさ!」と返事をしてから、僕達は駆け足で皆の元へ向かった
「いらっしゃいませー・・・ってなんでお前等がこんなところにぃぃぃいいいいいいいいいいい!?」
入店した僕等を出迎えたのは、相変わらず声のでかい又二郎だった
・・・って、なんでコイツがここに!?
「うぉおお!? 又二郎!!?」
「お、おまっ、なにやってんのさ!?」
予想外すぎる人物の登場に、この場の全員が驚く
「おぉ! 久しぶりに会ったね又二郎!」
「ホントね。そういえば、夏休みに入ってから初めて会ったんじゃない?」
「はぁ!? なにを言うか! 俺はD組サマーイベントにも参加してたんだぞ!?」
美咲、さつきの言葉に食いつく又二郎
「そうなの? それじゃイベントの時、私と会った記憶ある?」
「それは・・・っ! ・・・なんか、記憶に無いのですが」
・・・おいおい。
久々に『1年D組の名物メンバー』が揃ったことに感動を覚えつつ、わいわいと騒ぎ始めた
そんな僕達を見て、呆れ顔の有紀とよくわかっていない様子の未来。
「また増えたな・・・なんとなく、神の悪意を感じる」
「って言うか、すごい偶然だねー!」
「意図的な、だが」
「・・・ドユコト?」
「・・・なんでもない」
・・・とまぁ、そんなこんなで。又二郎に席へ案内してもらった
六人一緒に座れる席が無かったので、カウンター席で食べることになった
右から有紀、未来、僕、厚樹、美咲、さつきの順に座る
・・・美咲の隣に座った厚樹が、心なしか嬉しそうです。
「とりあえずまぁ、メニューでも見ますか」
そう言いながら、目の前のメニュー表に手を伸ばした・・・その時。
「なんか秋君がいたぁぁぁああぁぁぁああああああああああああああああああああ!?」
「うわっ、なに!?」
背後から突然、物凄い叫び声が聞こえてきた!?
一体なんだと、後ろを振り返る・・・なんと、そこにいたのはクラス長だった
「って、クラス長!?」
「あああああ秋君よね!? なんで!? ・・・っは、まさかこれは、運命ってやつ!?」
厚樹達、又二郎と来て・・・今度はクラス長か! なんなんだ今日は!?
「確かに、運命かもしれない・・・」
「秋君がデスティニー宣言んんんんんんんんんんんんんんんッ!!!??」
・・・というか、なんですかそのハイテンション。
「・・・ここまで来ると偶然と通り越して、逆に怖いわね」
と、さつき。
「だねー! っていうか、ここまで来るとさ! 次どんな偶然が起こっても絶対動じないよね! 偶然耐性ってヤツ?」
言ってる意味は良くわからないが、とりあえず興奮気味の美咲が言った
「あ、わかる! 偶然耐性上がってるよね絶対!」
・・・わかるのか、未来。
「・・・F○のステータスみたいに言うな」
「有紀ちゃんこそ、ゲームに例えるのは如何なもんかと・・・」
とりあえずまぁ、皆驚いていた。
そんな僕達の下へ、一人の女性がやってくる
「あのぅ。お久しぶりです、皆さん」
そう言って、女性は深々と頭を下げた
・・・一体誰だろう。と首をかしげる僕達。
そこで真っ先に反応したのが、美女大好きの厚樹だった
「お久しぶりです! あの時はお世話になりました!」
「え? 知ってるの厚樹?」
僕がそう聞くと、
「いや。とりあえず言ってみただけだ」
・・・うざ。
「あー・・・えっと。ちょっといいかしら? 私が説明しても」
目の前の女性が誰なのか全くわかっていない僕達。それを見かねたクラス長が、挙手しながらそう言った
もちろん、それを断る筈も無く「どうぞどうぞ」と揃って答えた
「きっと、驚くと思うんだけど・・・この人、この間私達が宿泊した旅館の・・・女将さんよ」
『この間』というのは、D組サマーイベントのことだろう
この女性は、その時に宿泊した・・・旅館の・・・
「・・・ふふ。皆さんはきっと、覚えてないですよね?」
・・・女将、さん・・・?
「「「「「嘘―――――――――――――ッ!!?」」」」」
・・・偶然耐性、上がってませんでした・・・。
次回、ラーメンデートそのろく!
又二郎:おぉ!見たまえ君達!!
秋:なにさ?
厚樹:なんだよ?
又二郎:お気に入り登録者の数を!
秋:・・・?・・・おぉ!増えてらっしゃる!!
厚樹:まじか!?うおぉ!!ホントだ!
又二郎:ふぅ・・・久々の感動だな・・・
秋:だな・・・
厚樹:あぁ・・・
又二郎:ありがとう読者!
秋:永遠に感謝!
厚樹:また次回会おう!!アデュ!!