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五十六話、決まらない出し物

理想の世界。

「っはっはっは。そう怒るな秋氏、別に馬鹿にしてるわけじゃないんだ」

「・・・信じろと?」

 もういいよ、有紀に『女顔』のネタで弄られるのは慣れたもんだし。傷つくけど。


「嘘ではない。実際、料理の知識があれば飲食店も楽にできる」

「まぁ、そうだけども・・・」


 なんか釈然としないなぁ。と思っていたところで、


「お待たせいたしました、カルボナーラとミックスピザとから揚げになります」

 先程注文した料理が運ばれてきた


 僕と有紀は二人して目を輝かせる

・・・よかった。正直お腹の虫が暴れまくっていたところだ。


「ようやく来たか。よし、ではまずミックスピザを一切れ・・・」

「待てや、おい。有紀」

 なに自然に盗っていこうとしてるんだこの娘っ子。


「なんだ。一切れくらいいいではないか、秋氏はケチだな」

「うるさいよ、欲しかったら自分で頼むんだね」

「・・・っち。」


 舌打ちしやがりましたよこの娘っ子

・・・まぁいいけどね。僕はこのピザを守るためなら、舌打ちくらい軽くスルーしてやりますよ。


「・・・・・・」



 ・・・ぴ。



「ん? 『ぴ。』ってなんの音―――」



『んぐんぐ・・・おっ、この砂糖のシャリシャリとした触感と』

「ちょっと待てや有紀ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!?」



 まさかここでボイスレコーダーが出てくるとは!? っていうか、なんで持って来てるんだよ!?

 激しく動揺しながら有紀の手を見ると、予想通りその手にはボイスレコーダーが。

・・・お忘れの方もいると思うので一応説明すると、あのボイスレコーダーには僕の『問題発言』が録音されている。詳しくは四十五話参照。


「あー 私もミックスピザが食べたいなー」

「・・・わかったよ! ホラ、一切れあげるから、もう勘弁してください」

「・・・一切れ?」

「どんだけ食い意はってんだお前は!!」


 しかし逆らうことは出来ないので、大人しくピザを二切れ寄こす

・・・くそぅ、いつか締めたる!! 絶対に!!





 ミックスピザ事件の後、僕達は料理をつつきながら改めて創立際の話を進めた


「あ、はいはい! どうせやるなら喫茶店みたいな出店がいいと思います!」


 またも案を出したのは僕。初めての創立祭ということで、実は結構張り切っているのだ

・・・喫茶店とかやってみたかったしね。学園祭+喫茶店=青春。みたいな?


「喫茶店か・・・」

 言いながら、少し思案する有紀


「だめかな?」

「駄目とは言わないが・・・少し難しいな。喫茶店だと客の周りが遅くなるし、そもそも喫茶店を開くような場所が無い」

「なるほど・・・って、場所? そういえば、茶道部ってどこに出店建てるの?」


 よく考えてみると、あの部室の広さでは喫茶店どころか出店すら開けないのでは?

 少し心配になって、そのことも有紀に聞いてみる。


「あぁ。それは大丈夫だよ秋氏、教師もそこまで鬼じゃないからな。顧問が頑張って、運動場の隅っこを借りてくれた」

「そっか、それならいいんだけど・・・ちなみに隅っこってどこ?」

「隅っこは・・・隅っこだ。嫌がらせなほど目立たない場所で、面積も狭いな」


 ・・・鬼だなウチの教師。まぁ、仕方ないといえば仕方ないけど。

 茶道部なんてあるのか無いのかわかんない部活だし、そんな扱いを受けてしまうのも頷ける


「・・・さて、そこを踏まえて喫茶店の案は。さきほど言ったとおり、難しい」

「うぅー・・・まぁ、場所の問題なら仕方ないね・・・」


 とても残念だが、喫茶店を開くのは難しそうだ

 というか、場所の問題が出てきた今、出店を開けるかどうかも怪しい

・・・これは、思っていたより難しいかもしれないなぁ。 








 ・・・いい事を聞いたわ。

 秋達の隣の席で昼食を取っていた坂部舞は、したり顔で笑った



「っふっふっふっふっふ・・・」


 たまたまこのファミレスで涼んでいたら、たまたま秋君がやってきて、たまたま秋君たちの話が聞こえてきて、たまたま―――以下略。


 とにかく! 話は全て聞かせてもらったわ!! あの時、服部有紀が持っていたボイスレコーダー・・・あれで秋君を脅してるって訳ね。

 やっぱり私が睨んだ通りよ、秋君が自主的に入部するはずがないもの! 黒幕は服部有紀で決まり! なぜなら、彼女はとても悪党キャラだから!

っていうか、夏休みに二人っきりで食事なんて羨ま・・・いやいや! なんて不潔なのかしら! ここはクラス長として、バシッと言ってやらなきゃ!!


「・・・しかし、創立祭かぁ」


 彼等の話に出てきた『創立祭』。その創立祭のことで、彼等はすごく悩んでいる様子だ

よく考えたら、ここで秋君を助けてあげれば・・・更に好感度は上がるってこと?


「む、むぅー・・・」


 すぐ隣で、愛しの秋君が困っているというのに、私は何もしないの? ただ「不潔よ!」なんてお説教だけするつもりなの?

・・・ううん。それじゃ駄目。お説教なんてただ邪魔になるだけよ、ここはクラス長としてクラスメイトの悩みを解決してあげるのが、私の役目・・・だよね!!



「よっしゃぁあああああああああああああ!!!!!」


 がたんっ!!

 自分の頬を両手で打ち、気合を入れて立ち上がった

・・・当然周りにいたお客さん達の視線が集まる。もちろん、すぐ隣の秋と有紀の視線も。




「え? ・・・クラス長?」

「坂部舞、だと・・・?」

 二人は私の顔を見ると、訳がわからない様子で呆然となる

・・・まぁ、当然の反応よね。



 そんな二人に向かって、私は叫んだ


「1年D組のクラス長、坂部舞! ・・・私も、協力するわ!!!」





「・・・」

 まだ思考が追いついていない様子の秋。




「・・・」

 とりあえず訳がわからない有紀。





「「・・・は?」」


 二人は、息ぴったりにハモったという・・・


次回、坂部舞の案!







秋:超時空しりとりまだやるの?

厚樹:あぁ、当然だ!なぁさつきちゃん!!

さつき:面倒臭い。


厚樹:何だと!!?

さつき:大体時空しりとりって何?

厚樹:何だと!!?


秋:・・・まぁ、何か知らないけど超時空しりとりは中止で。

厚樹:ふざけんなよ!!俺は続けるからなぁ!!!!!

秋:・・・頑張ってね。


さつき:それじゃ、明日は更新無しだから。

又二郎:今回一回も喋って無いんですけど!!?


厚樹:ってか、さつきちゃんはなにがしたかったんだよぉおおおおおおおお!!?

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