表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/74

五十五話、お久しぶりです。ファミレスです。

飛行機の移動距離。

 夏休みももうすぐ終わりを告げてしまう今日この頃。


 僕は久しぶりに、毎度お世話になっているファミレスへと訪れていた

自分の向かい側には、メニュー表とにらめっこ中の有紀・・・なんと、今日は彼女と二人きりだった


 いや、でもまぁ。一緒にお茶しようとか、そんなラブコメチックなものではなく

例の『創立祭』についての計画を練るためにだ。他意はない、断じて。






 ―――この時の僕は、激しく動揺していた!!

 朝起きたら新着メールに有紀からのメッセージがあって

 内容は『ファミレスで一緒にお茶しよう』って・・・これってデートのお誘い!!?

な、なんだ!? この、今まで感じた事のないときめきは・・・これが、これが恋ってやつかぁあああああ!!!!



 ・・・


 ・・・・・・


 ・・・・・・・・・。



「・・・モノローグで遊ばないでね?」

「ん? あぁ、すまん」

 有紀は悪びれた様子もなく、再びメニュー表に目を向けた



 さて、さきほどのモノローグが有紀の捏造であることはわかって貰えただろう

ちなみに彼女の言っていることは大半が捏造だが、今朝有紀からメールで呼び出されたことは事実だ


「で、今日呼び出したのはあれでしょ? 創立祭の計画をたてるってことだよね?」

「その通りだ。この夏休みが終わる前には、具体的な案を固めておきたい。

 我々は人数が極力少ないからな、早く準備しておくに越したことは無い」


「なるほどね、それじゃあ早速・・・」


「待て。その前に何か頼もう」

「お、いいね。そうしよっか」


 実は今朝から何も食べていなかったので、有紀の提案に賛成する

・・・朝食はどうしたって? 朝っぱらから呼び出されたせいで、なにも食べられなかったんだよ。



「私はカルボナーラにしよう。秋氏は決まったか?」


 さっきからメニュー表を見ていた有紀は、既に注文を決めていたらしい

・・・ちょっとちょっと、こっちはメニューすら見てないんだけど。


「ちょ、早いよ有紀。えっと・・・僕は・・・」

「ふん。優柔不断だな、早く決めろ」

 うるさいよ。


 やる事がなくなった有紀は「暇だ」と訴えかけるように、僕のメニュー表をゆさゆさと揺する

 ・・・じ、地味にうざいな。やめれ。


「あぁもう。じゃ、僕はミックスピザでいいや」

「・・・おぉ?」

 『ピザ』と言う単語にピクリと反応する有紀

「わざわざピザを頼むとは、それは私にも一切れ分けてくれると言うことか?」


 なにを言ってるんですか、この食い意地の権化は?

有紀の言葉をスルーしつつ「・・・それとから揚げ。」と追加のメニューを決めた


 有紀は「冗談だ」と言って笑うと、近くを通りかかった店員を呼び止める

 呼ばれて駆けてきた店員に、先程選んだメニューを注文する。なんと僕の分まで。

・・・以外にいいところもあるんだなぁ。アレかな、恩を売っておいてそのお礼にピザを一切れ頂戴するとか。


「うーむ」

 ・・・ありえなくも無い。


「・・・? どうした秋氏?」

 一人で真剣に考えていると、有紀に顔を覗き込まれた

いかんいかん。今の心中を悟られるわけにはいかない、とりあえず適当に話を逸らすか


「い、いや。創立祭のこと考えててさ!」

「おぉー 妙に張り切っているな秋氏。不自然なほどに」

 ・・・・うぐ、鋭い。

 一瞬バレたのかと思ったが、有紀はそれ以上は追求してこなかった

多分、僕を追求することよりも創立祭の話を進めたかったのだろう。ちょっと感心。


「確かに、もう夏休みも残り僅か。そろそろ案を練り始めたほうがいいだろう」


「ちなみに有紀は、なにか良い案あるの?」

「無い。全く、全然、これっぽっちも」

 ・・・一から決めろって事ですか。


「さいですか・・・それじゃ、今から決めるって事?」

「そういう事だ。秋氏、早速だが良い案をくれ」


 そういって期待の眼差しを向けてくる有紀だが、あいにく良い案なんて無い

「そんないきなりは無理だって」

「そんなこと言わないでよドラ○もーん・・・」

 ドラ○もんて。

・・・仕方ない。まずは適当にいろいろと案を出していこうか。



「やっぱり、屋台は外せないと思うんだ」

 最初に出した案に「まぁ、王道だな」と頷く有紀

「屋台なら少なからず人は来る・・・だが、それだと競争率は激しいのではないか?」

「う、確かに。」


 学生の感覚で言うと『お祭り=屋台』。それは創立祭でも同じことだ

きっと、ほとんどの出し物が屋台になってしまうだろう。そうなると、競争率は凄まじいことになる。


「で、でも、そこはほら! 面白い屋台を出せばいいんだよ! 要するに、発想が大事ってことさ!」

「面白い屋台か。確かに意外性があれば、自然と人目は引けるだろうな。ちなみに秋氏はどんな屋台がいいんだ?」

「飲食店!!」

 即答する僕に「秋氏らしいな」と呆れた様子の有紀

・・・悪かったね、僕の中では『屋台=飲食店』なんだよ。


「飲食店を提案するということは、秋氏は料理が得意と?」

「いや、そういうことでは・・・」

 ただ単に、飲食店以外思いつかなかっただけなんだけどね

 そう思いながら「人並みには。」と答えると、有紀は僅かに微笑んだ


「ふむ、流石だな秋氏。乙女スキルの一つである料理ができるとは、感心感心」

「ちょいちょい、そんな褒めないで・・・ってウォーイ!?」

 乙女スキルっておい。


次回、まだファミレス!








厚樹:おぃおぃ、書き貯めが無くなってるけどどうしたんだ?

秋:おぃおぃ、お気に入り登録者が一人減ってるけどどうし・・・

又二郎:ええぃうるさいわ者共!!


秋:だって本当の事じゃん?

厚樹:そうだそうだ!!

又二郎:うおおおおおおおおおおお!!もっと頑張りますからぁ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ