表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/74

四十七話、茶道部部室を後にして

って『ン』じゃん!?

りんご!!

「はぁ・・・なにが『頼みごとの内容は、明日連絡する。また部室で会おう』だよ・・・」

 茶道部部室から出る時、有紀に言われた言葉を思い出して、大きくため息をつく

・・・明日また、あの部室に来いってかぁ。嫌だなぁ。



「おっしゃー! すぱっしゅー!!! バスケ、ラァァァァァーブ!」


「・・・お? この声は」

 憂鬱な気分で廊下を歩いていると、体育館の方から聞き覚えのある声が聞こえてきた

又二郎か。そういえば海に行った時以来会ってなかったな


 久しぶりに、あいつのバカ面でも拝んでくるか・・・

この憂鬱な気分を切り替えるため、又二郎のいる体育館へ足を運んだ



「・・・おじゃましまーす」

 体育館の出入り口から顔だけを出して、中の様子を窺うと

バスケ部やバレー部の皆さんが、必死に練習をしていた

・・・な、なんだっ、この眩しすぎる光景は! 帰宅部の僕には、とても眩しい!!


 こ、これが・・・本当の部活動ってヤツか!?

この光景を、茶道部の皆さんに見せてやりたいよ!!


「だ、だれか・・・っ、サングラスを!!」

「おーい? ・・・おーい、秋ー?」


 一人でふざけている所に、ジャージ姿の男が近づいてきた

「・・・え? うわっ、クラスメイトA!?」

 見ると、そいつは見知ったクラスメイトだった。藤林亮、みんなー覚えてるかー? 旅行編で活躍してたけどー?


「だ、誰がクラスメイトAだ!! 亮だっつの!」

「ごめんぬごめんぬ。んで、どうしたの亮?」


「こっちの台詞だ。体育館の前で何暴れてんだ?」

「いや、光り輝く光景に悶えていただけで・・・って言ってもわかんないよね。バスケ部員の亮には」

 そう言うと、亮は「はぁ・・・?」とよくわかっていないような顔をする

いいよいいよ。この気持ちは、駄目人間だけのモノだからねー


「っていうか、こんな時間までやってるんだね。運動部は」

「まぁそうだな、大体いつもこのくらいだな」

 おいおい、朝から晩まで・・・って。茶道部なんて朝からお菓子食べて、ゲームやって、好きな時間に帰れるんだぞ? この違いってどうですか。


「大変だな、亮・・・」

「まあな。っていうか、お前はなんで学校に―――」



 その時だった・・・


「秋!? なっ、なんでここに・・・ちょっとそこで待ってなさい!!」


「え?」「は?」


 亮が言いかけた時、体育館の向こう側から聞き覚えのある声が・・・って!

ああああ姉!? 今朝毒死したはずの姉が、こっちに向かって走ってくる!? 死霊! 死霊か!? 誰かイタコを呼んでください!


「おおお、おい!? 何だか知らんが、じゃあな! がんばれよ秋!!」

 その鬼気迫る姉の様子に、隣にいた亮が逃げてしまった


「えっ、ちょ!? 見捨てんなよ!!」



「あ、秋ーっ! はぁっ・・・ぜはー、ぜはっー!」


 その場に一人残された僕の元へ、姉がたどり着いた

・・・『ぜはーっ』て。もっと女の子らしい息の切らせ方があるだろーに


 どうやら怒っている風ではないので、恐る恐る声をかける

「ど、どうしたの? そんなに焦って?」

「・・・ちょっと来なさい!」


 ・・・は? と、聞き返す間もなく僕の腕を掴んで、体育館の中へ引き込む姉

ちょっとちょっと! なんなんだよ一体!?

そのままバスケ部のコートを抜け、バレー部が練習している奥側のコートへ、ぐいぐいと腕を引かれ・・・って おいおい、そんな目立つことするから、皆見てるじゃないか!


 たどり着いたのは、体育館の隅っこ

そこまで来てようやく腕を開放した姉は、少し心配そうな表情で口を開いた


「えっと・・・秋。あんた今朝のこと覚えてる?」

 今朝って、あぁ。あの殺人現場のアレか

・・・そういえば、茶道部の一件が強すぎて忘れてた。


「うん」と頷く

「そっか・・・それじゃあ、秋は・・・食べたの? 身体に異常はある? あるなら、今すぐ病院に・・・」

「い、いや! 食べてないから! 大丈夫!」


 なるほど。今朝の一件から、ずっと家に居なかった僕を心配していたわけだ

姉の意外な優しさを垣間見て、思わず笑顔になる


「そ、そうなの? なら安心ね。でも、あたしは・・・うぇぇぇぇっ」

 例の『核』の味を思い出したのか、一気に顔が青くなる姉

・・・どんな味だったのか。


「か、体に異常は?」

 そう聞いた僕に、姉は「特になし!」と、苦笑いでグーサイン


よ、よかった・・・

・・・っていうか、又二郎に会いに来たんだけど。会話しなかったなぁ。


次回、バレー部!



又二郎:え!?アレ!?俺の出番は!!?

秋:なんだよ、いきなり・・・

又二郎:いやいやいや、なんで俺に会いに来たのに、クラスメイトAと喋ってんの真鍋さん!?


秋:真鍋さんとか言うな。

又二郎:いや、でもさぁ!!


厚樹:・・・おい。又二郎。

又二郎:ん?どうした脇役?

厚樹:誰が脇役だウルァアアアアアアアアアアアアア!!!


又二郎:うごぉ!!


厚樹:台詞があっただけでもましだと思え! 俺なんて、ここ最近全く登場して無いんだぞ!! この人気キャラの俺様が! 全く! 出て無いんだよ!!


秋:っはっはっは。まぁ、そんなときもあるよね。人気キャラの厚樹君?

厚樹:秋ィ・・・俺と変われヤァアアアアアアアアアアア!!!

秋:っは! 来るなら来い! 返り討ちにしてやるよ!!


秋 厚樹:うおぉおおおおおおおおおお!!!!


又二郎:仲良く、喧嘩しな・・・さらば!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ