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三十四話、戦う健全男子。

パイロットになるのが夢でした!

敵は1年D組男子全員

ミッションクリア条件、かわうぃー女の子の部屋への侵入、そして楽しい夜を過ごす事。



「敵は皆、殺気立ってる・・・できれば一人で行動なんて、したくはないんだけどな・・・」

なんてことは、言っても仕方が無い

修が謎の失踪をしてしまったため、ここからは一人でどうにかしないといけないのだ

・・・あいつ、SMGの盾にしたこと怒ってんだろうなぁ。


少し反省しながら歩いていると、前方から男達の叫び声が耳に届く



「うおりゃぁあぁぁああ!!!!」

「砕けろおぉぉおおおおお!!!!」

「女子の部屋に行くのはこの俺だあああああああ!!!!」

「ゴッド・フィ○ガァアアアァァァァアアアアアアァァァァァアアアア!!」



「・・・お、やってるな?」

ようやく探し求めていた大乱闘を見つけることができたと、亮は急いで声の方へ向かっていった・・・





「いやぁ、すげーなこいつ等。こりゃ隠れて正解だわ」


廊下で大戦闘を繰り広げる男共を、窓の外から眺めていた厚樹が感心したように言う

その手には屋上から降りているロープが握られていた


「まぁ今夜限りの一大イベントだからね、必死になるのも無理ないよ」

僕も厚樹と同様、屋上から降ろしたロープを握っていた

ちなみにこのロープは給水タンクに結び付けているため、落ちる心配は無い



「まぁ、潰し合うだけ潰しあってくれれば、俺達は楽できるんだけどな。弱った奴等を一網打尽ってやつ?」

「うん。一網打尽の意味、もっかい調べようね・・・」

ずる賢さで厚樹の右に出るものはいないだろうが、一般知識は駄目駄目だった



僕達は今、旅館の屋上から降ろしたロープにつかまり、窓の外側から皆の様子を伺っている最中だ


少し危ないが、最初に考案したSMGを駆使して戦う作戦より

この作戦の方が安全だという厚樹の考えだ

・・・あの集団の中で戦いたくないから、この作戦は大賛成だったよ。



「でもいいの? ここで見ている間に、誰かが女子の部屋に入るかもしれないじゃん?」

「大丈夫だ、ぬかりはねぇ。あの小心者共が、自ら女の子の部屋に入れるわけねーだろ?」

厚樹は「部屋の前でウジウジしてるところを襲っちまえば、こっちもんよ」と一人で納得する


確かにウチのクラスの男子達は、女の子に疎い

そんな彼等が、女の子の部屋に踏み込めるか否か・・・答えは否! 絶対に無理だろう!


「厚樹さんよぉ・・・あんたってやつぁ、なんて残酷なお人なんだ・・・ふぇっふぇっふぇっ」

「ふっ、これがチャラ男の意地ってもんだぜ? 残酷でもなんでも構わな・・・・・・なん、だと・・・っ!?」

勝利を確信し、いい気になっていた筈の厚樹がふと頭上を見た途端、驚愕を顔に浮かべ青ざめる



「どうしたの? 厚樹?」

「い、いや、お前っ、上を見ろ・・・!」


「上・・・?」

頭上を凝視したまま、僕に向かって叫ぶ

先程までの余裕を無くした厚樹に戸惑いながらも、頭上に顔を向けた・・・そこには最悪な光景が





「お前ら、よくもこの俺を撃ちやがったな・・・」

屋上でハサミを片手に、ロープに向かって手を伸ばす修の姿があった


「な、何やってんだよ! てめぇ!!」

「ふざけんな修! 死ぬって! マジで!!」

二人で必死に叫ぶが、その声は怒り狂った修には届かない


「ははは、死ぬがいい!!!!!!」

ハサミの刃をロープに当て、握った柄に力を入れる

・・・くそっ、終わった・・・!!








「死ぬのは、あなたよ」

「っ! 誰だ!!」

突如現れた声に驚いた亮が振り返った

・・・どうやら、ロープは切られなかったらしい。間一髪だった。


「秋君の敵は私の敵。悪いけど、あなたにはここで消えてもらうわ」

「そ、それは・・・LMG(ライトマシンガン)!? っひ! ・・・ひええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


「・・・天誅」


ずががががががっ、ずががががががっ、ずががががががんっ!!!!






「あ・・・危なかったな」

「そ、そうだね・・・でも、いったい誰が助けてくれたのかは謎だね」

過ぎ去っていった恐怖に、僕達は胸を撫で下ろした

てか、誰だったんだろあの人。是非お礼がしたいのだが、暗くて顔が良く見えない。


「さぁて! 廊下の乱闘も収まったみたいだし、俺達もいざ行かん!」

「まぁ、いいか・・・よしっ! 僕達の夢のために、いざ!!」




ぱりぃん!

適当な窓を蹴破った厚樹が、廊下に突入した

・・・後で弁償するんだよな?


厚樹に続いて廊下に飛び移ると、意外な事に辺りは沈黙していた

先程まで乱闘をしていた筈の廊下には、人の声すらしていなかった


「おい、厚樹?」

「なんだこれは・・・?」


そして、僕達は目の当たりにしたのだ・・・本当の恐怖を・・・



辺りを見渡すと、廊下には男達の屍があちらこちらに転がっていた

生き残った奴は居ないらしく、辺りは静まり返っている


「一体、何が? ・・・っ!!」


呆然と突っ立っていた僕の足を、何者かが掴んだ

慌てて足元を見ると、クラスメイトの亮が僕の足を掴んでいた


「あ、秋・・・か?」


「亮!? どうしたの!?」

「早く、逃げろ・・・・・・がはっ」

それだけ言って、亮は動かなくなった


「待て! 死ぬな亮!」

何度身体をゆすっても、亮は返事をしない

僕の足を掴んでいた手には、もう力が入っていなかった・・・


「あ、あきらぁああああああぁぁぁぁぁああああ!!!!!」




「・・・っく、逝っちまったのかよ・・・ちくしょうっ!!!」


だんっ!


僕の背後で、厚樹が悔しそうに壁を叩いた

・・・ついさっきは敵同士だったけど、今思うと、良いやつだった気がするよ、亮。


彼の死を胸にしまってから、厚樹の方を振り返る

どうやら、厚樹のヤツも胸を打たれたらしく、珍しく涙を流していた・・・が


「亮も分まで、僕達が勝と・・・う・・・」

「あぁ、勿の論だ!・・・ってどうした秋?」


「厚樹、後ろ・・・」


「は? 後ろがどうした?」

「早く! 振り返れって!」

厚樹は「なんだよ・・・いいシーンだったのによ」とダルそうに振り返った

・・・そして、固まった



「坂部君の部屋に行くつもりだろう?」

厚樹の背後には、腕を組んで立つ利樹の姿があった

そして、お馴染みのグリグル眼鏡を光らせる

まさかっ・・・この惨状の原因は・・・・・・こいつかっ!?


「ちちち違うぞ! 俺達は、舞ちゃんじゃなく、他の女の子の部屋に行く訳であってだな? 別にお前が心配するようなことは・・・」

「嘘をつけええええええええ!!!!!!!!!!」


「本当だってば・・・っ、あぁ・・・、ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!」



こうして、夜は更けていった・・・



次回、遊園地に繰り出します!!多分。







秋:今日はテストだって?

厚樹:頑張ってこいよ!又二郎!

又二郎:お、おう!頑張るぞこの野郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおののいもこおおおおおおおおお!!


秋:んじゃ、あとがきは短いけどまた次回!!

又二郎:よろしっくううううううううううううううううう!!!!!!

厚樹:うるさいぞお前。

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