三十二話、イベント、遂に旅館編へ突入!
クリスマス!サンタは居るんだよ!!
海を満喫した僕達1年D組一同は、海から程遠くないところにある旅館へと移動した
見るからにとても高級そうな旅館なのだが残念。この作者ではとても説明できなかった。
とても高級そうな『海の見える露天風呂』で疲れを癒し、
とても高級そうな『海の幸たっぷり。高級海鮮づくし』という夕食を食べて、
とても高級そうな部屋で、とても高級そうなお茶を一杯いただいていた、秋と厚樹の表情はいつに無く真剣だった・・・
部屋に置かれた時計が午後8時を指し示したと同時に
手に持った茶碗をちゃぶ台の上に置き、僕は一つの提案する
「さて、そろそろ良い時間だし遊びに行こうか厚樹」
黙ってお茶をすすっていた厚樹が僕の提案を聞いて不敵に笑った
「・・・そりゃ当然、男の部屋じゃないよな秋?」
「当り前だのクラッカー。僕とて健全男子の一員、お邪魔するのは・・・美女のいる部屋のみ!」
「流石秋だ。今のお前、輝いて見えるぜ」
「ふっ、やはりこんな顔でも僕は男ってことか・・・」
「その通りだ。それじゃお互い恥らうことなく、お部屋にお邪魔したい子の名前を挙げていこうじゃないか」
「わかった。まずは僕から―――」
イベントの夜は、長くなりそうだ・・・
萩又二郎、塚原利樹の部屋にて
「やはり坂部君の部屋にはお邪魔しておこうと思うんだが・・・どうだろう?」
ちゃぶ台の前に腕を組んで座っていた塚原利樹は又二郎にたずねる
「お前の意見はわかった。実に予想通りだ」
向かい側でバスケ漫画を読んでいた又二郎が顔を上げる
「しかし残念ながら俺はめがねっ子属性ではない。だから他の候補もあげておきたいのだが、いいか?」
「僕は坂部君一筋なんだが・・・まぁいいだろう。お前の好みも知っておきたい」
「そうか、それじゃあ―――」
こうして二人の会議が始まった・・・
他のクラスメイト(男子)の部屋にて
「やっぱ、浅田未来、服部有紀のペアは外せないよな・・・ずずず」
そう言って藤林亮は熱いお茶をすすった
「女子勢力では最強と言われた1年D組の中でもあの二人はかなりレベルが高い。俺としてもその意見には賛成だ・・・ふーっ」
向かい側に腰掛けている武田修がお茶をさましながら答える
藤林亮
中々のイケメン、そこそこ成績優秀、バスケ部所属、影が薄い。
あれだ、クラスメイトAとか言われそうな感じのヤツである
以上、説明終わり。
武田修
ルックス普通、成績普通、バスケ部所属、影が薄い。
あれだ、クラスメイトBとか言われそうな感じのヤツである。
以上、説明終わり。
「あぁ。だがどうやって彼女達の部屋にお邪魔するかだ」
亮がお椀を机に置き考える
向かい側にいた修も普段使わない頭をフル回転させ計画煉るがいい案は浮かばない
「俺の予想では美咲、さつき、未来、有紀・・・そしてマニアックな連中はクラス長。この辺りは皆が狙っているだろうからな、迂闊に近寄ると相手に殺られる」
「そうだな。同じ事を考えているのはどこの部屋の連中も同じだろう」
彼らは既に感じていたのだ
この旅館に漂う男達の殺気を。
思わず背筋が震えたが、それでも二人は不敵に笑う
「なるほど・・・今夜は全員敵ってことか」
「そういうことだ。やれやれ、今夜は長くなりそうだぜ」
「あ。そうだ亮」
修が良い案を思いついたらしくポンと手を打つ
「いっそのこと秋で我慢しとくか? 一応美少女(?)だろ?」
「お、いいなそれ・・・っていやいやいや! 駄目だ! それは駄目だ!」
一瞬揺らいでしまったが、慌てて頭を振り、邪念を追い出す
・・・ヤツは男だ! あんな顔してるけど、秋は男だ! マンだ!
「だよなー。一応俺達にもプライドってヤツがあるからなー」
「馬鹿なこと言ってないで、さっさと計画を練るぞ!」
健全男子達の夜は続く!
他のクラスメイト(女子)の部屋にて
「ねー どうする有紀ー? やっぱり部屋とか移動したほうがいいのかな!?」
ちゃぶ台の上に持参したお菓子を広げながら浅田未来は楽しそうに言う
「・・・甘いわ未来。こーゆーのは行くより待つべき・・・ずずず」
服部有紀は冷静に返してから熱いお茶を冷ましもせずにすする
浅田未来
身体は小柄で、いつも元気に教室や廊下を
ひょこひょこ動き回っていることから通称『D組の子猫』と言われている
厚樹の付けた称号は『ロとリの付く美少女を卒業した、美少女! 片目隠し!』である・・・訳がわからん。
髪は茶髪で、長さはミディアム
彼女の特徴である前髪は、左側だけかなり長く、左目は前髪で隠れてしまっている状態だ
どうでもいいが、厚樹が言うにはその前髪がポイントらしい。
小柄な背丈と、元気に教室を動き回るという子猫体質な未来は、男女共に人気がある
服部有紀と一緒に茶道部に入部していて、日々部活動にいそしんでいる
中学の頃、同じクラスの秋に恋心を抱いたが、想いは全く伝わらずそのまま撃沈したという伝説は有紀との二人だけの秘密である
これまたどうでも良いが、胸が無いのを本人は結構気にしているようだ。
服部有紀
一言で言ってしまえば、無敵キャラ? 的な。
背は高め、性格は冷酷非道でドS・・・ごほん、性格は冷静
厚樹から与えられた称号は『ブリザード・ガール(発音良く)』
これは、まぁ。ぴったりな称号だと思った。
有紀のするどい目つきは、軟弱な草食系男子を奮い立たせ
氷のような透き通った声には、厚樹のようなバカを魅了する
・・・その結果、男子から結構人気がある。
実は柔道初段で、プロレス好きという意外な一面もある彼女は、
未来の周りに群がる野獣のような男どもを、プロレス技で成敗するのが最近の日課である。
髪は黒毛のショート
先程説明したとおり、部活は茶道部に所属している
・・・ちなみにスタイルは最高。
以上、新ヒロインの紹介終わり!
「えー待つの!? 誰も来なかったらせっかくのイベントが勿体無いよ!!」
「はい。未来、これを食べなさい」
「え? マシュマロ? あ、あーん・・・」
未来は膨れっ面で講義するが、有紀にマシュマロを口に入れられた途端
「あまーぃ♪」と、瞬時にとろけるような笑顔になった
その表情を見て満足げに微笑んだ有紀は話を続ける
「大丈夫だ未来。だってもう、早い奴は動き始めてるからな」
「動き始めてる・・・? って、有紀? 木刀なんかもって、どこ行くの!?」
「ちょっとそこまで行ってくる。未来はそこで待っているといい」
「え、え? ・・・ちょっと! すぐ戻ってきてよ!?」
「はいはいすぐ済むから」
そう言って去年修学旅行で買った木刀(持参)を手に取り、有紀は部屋の出入り口へ向かった
そのすぐ後に・・・
「おやおや萩又二郎。人の部屋の前でなにをやっているのかな?」
「うぉお! そっちから開けてくるとは!? ・・・ハァーイ! コンバンワー! 皆のアイドル、又二郎様が遊びに来たぜー!! ・・・ってちょ!? 木刀!? ひぎゃあああああああ!!!」
ぼごぉ! ぐしゃっ! ばこっ! ごしゃぁ!!
・・・という物騒な音が聞こえてきたが、とりあえず未来は気にしないことにした。
「んー 秋君は誰の部屋に行くのかなー ・・・もしゃもしゃ」
『元』好きな人のことを考えながら、未来はお菓子を頬張っていた・・・
次回、旅館!
秋:新キャラ増えすぎたんじゃない?
厚樹:そうだぞ!一気に四人ってどうなんだ!!
又二郎:いや、だってこのくらい出さないと文化祭とか先に待ってるイベントが出来ないじゃん?
秋:・・・まぁそれもそうだけどさ。
又二郎:ま、全てはこの俺に任せておくがいいさ!っはっはっは!!
厚樹:・・・あの自信はそこから湧いてくるんだ?
秋:さぁ?
厚樹:てか、文化祭とかそんな先のイベントまで、続いてるのかこの小説・・・
秋:それは・・・アイツ次第かな・・・
又二郎:ふぅっはっはっはっはっは・・・ごほごほぉっ!!!