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二十七話、UNOと宿題と危険な運転

留守番電話!!!!

「UNO!!」

バスの中で厚樹が叫ぶ


「何だと!? いつの間にっ!?」

「HAHAHA、実力だぜ、お嬢さん?」


驚く美咲を軽くあしらった厚樹は残り一枚になったカードで顔を仰ぎながら足を組んだ





今は塚原家から海へとバスで移動中である

僕と厚樹とさつきと美咲の四人に珍しくクラス長をメンバーに加え、五人でUNOをやっている最中だ



現在のUNOの戦況・・・


僕とさつきは既にあがっていて

残りの厚樹、美咲、クラス長の三人は意地でも勝ちたいという意気込みでUNOをやっている。



「っく・・・やるわね厚樹! でもこれはクラス長としての意地よ! なんとしても勝つわ!! ・・・あぁもう赤が無い!」

「舞ちゃん! 悪いけどあたしは勝つ!! 見よ・・・UNO!!」

美咲も手札の残りが一枚になり、未だ手札が4枚の坂部舞は絶体絶命。


「まぁ先にあがるのは俺だけどな? ほれ・・・これで終わり―――」



「うおおおおおおおおおおおお!! 坂部くぅぅぅんんんんんんん!!!!」


キィーーーーーーーーーーーッ!!!!



「うぉ!?」

「な、何?」

「あぁっカードが!」


厚樹が最後のカードを出そうとした時。バスがいきなり急カーブした

車内の全員がバランスを崩し、当然僕達のUNOもバスの床に散乱する。



すぐにバスが体制を立て直したと思いきや、今度は運転席の方から聞き覚えのある声が響いた


「坂部君! 大丈夫か!? 君が負ける姿は、見たくない!!」

・・・運転手が誰だか知ったこっちゃないが『グルグル眼鏡のガリ勉マッチョ』の声に似てるな。


「ちょっと運転手さん!? 安全運転でお願いします!!」

クラス長が運転席に向かって叫ぶと「はっ!? すいませぬ!」と詫びて、再び安全運転を開始した



この急カーブのせいでUNOが中止になってしまったのは言うまでもない・・・






皆で散乱したカードを拾い集めている最中、僕はあることを思い出した


「あ、そうだクラス長」

隣でカードを拾っていたクラス長に声をかける


「え!? な、何?」

「クラス長、僕の課題預かっててくれたんだよね? ありがとう」


「い、いやいやいやいやいやいや! いいのよっ、別に!?」

「それにしても、クラス長も大変だね? 忘れ物の管理までしてるなんて」


「ぁぅ・・・そ、それは、嘘なんだけど・・・ぃや、その」

「・・・ん? どうしたの?」


褒め言葉で言ったつもりだったのだが

何故かクラス長はぼそぼそと何かを呟きながら俯いてしまった

・・・な、なんだ?


「・・・っは!? そうだ!」

落胆したのかと思えば、今度は目を輝かせて鞄の中を漁り始める

一体、どうしたというのか。



「そうそう、それでね? 実は秋君の宿題やっておいたりしちゃって・・・はい、じゃーん!」

鞄から取り出した課題一式を嬉しそうに差し出してくる


「え、ホント?」

それを受け取り中を開くと、綺麗な字で全ての問題が埋めてあった

ちゃんと答え合わせまでしてある。流石。


「でも、なんで・・・?」

「え? ・・・あ、ほら。今まで私が預かってたから、課題が進まなかったでしょ? その分をやっておいたっていうか、なんていうか・・・」


その分って・・・全部?


「なんか悪いなぁ・・・」

クラス長は「気にしないで」と言うが、僕としては是非お礼がしたかった。



「聞き捨てならんなぁ、秋さんよぉ?」

「・・・は?」


 そんなことを考えていると、横から沸いてきた厚樹が僕の課題を取り上げる


「おぉー、すげえ! 羨ましすぎるぞ秋!? なぁ舞ちゃん、俺の宿題も・・・」

「それは嫌。」


「なんでだよ!!!??」

「まぁいいじゃん厚樹、宿題は自分でやるものだよ?」

「お前な! 人にやってもらっといてそりゃ無いわ!!」

図星なので無視。



「ありがとクラス長。ホントに助かったよ」

おかげで残りの夏休みが遊びたい放題だ。


クラス長は「い、いいのよ! そんな事! ・・・うへへ」と照れくさそうに笑いながら、カード拾いを再開する



・・・うーむ。

彼女のほんのり赤い横顔を見ながら、どんなお礼をしようかな。と頭を悩ませるのであった・・・








「海だあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

「青いぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

「イヤッフーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


更衣室で着替えを済ませた男子一同は一斉に海へ駆けて行く

未だ女子は着替え中なので、辺りにはムサイ男しかいないが。それでも僕達のテンションは上々である。


「うっし行くぞ秋! この必殺遊び人、西山厚樹が出遅れるわけにはいかん!!」

厚樹も今すぐ駆け出したくて仕方ないようだ

・・・流石、必殺遊び人。


「それはいいよ? 僕だって、今すぐ駈け出したいんだけどさ?」


しかし・・・そんな皆とは反対に、僕の気分はあまりよろしくなかった。



「どうした秋!? わ、忘れ物か!?」

「・・・」

あくまで、しらばっくれるつもりか・・・それなら・・・


「なんで僕の方見ないの?」


そう言った途端に「う・・・」と口ごもる厚樹。


「そういえば、着替えてる時からずっと、男子達が僕の事避けてるんだけど」

「うう・・・」


じりじりじり・・・

後ずさる厚樹に詰め寄る


「まさかとは思うけど・・・僕が女みたいな顔してるから、こっちを見れないと? 僕の海パン姿は、見れないってことかな??」

「いや・・・ま、まさかそんな訳ねーだろ?」



「厚樹ぃ・・・」

「っく! すまん秋!!」


・・・しゅだっ!!


「なっ!」


厚樹に掴みかかろうとした瞬間。

ヤツは全速力で駆け出した・・・そのまま振り返ることなく一言、



「あばよとっさーん!」

「・・・くだばれー!!」

返事も虚しく、厚樹の背中は小さくなっていた・・・



「・・・・・・気に入らない」


さて、これからどうしようか・・・


次回、海!







又二郎:ふぅ、今週は書き貯め書いたぜ。

秋:お疲れ様

厚樹:んで何話先まで書いたんだ?


又二郎:・・・2話先。

秋:馬鹿でしょ?

厚樹:まぁそんだけあれば今週は乗り切れるんじゃないか?


又二郎:だろ!?俺頑張ったんだぞ!!

秋:威張るなよ。

又二郎:なんだと貴様!頑張ったんだ、威張って何が悪い!!


厚樹:まぁ苦労するのはお前だから、俺達には関係ないんだけどな。

又二郎:っ、酷い!!


秋:ってことで皆じゃあね!

厚樹:オディオ・・・


又二郎:待つよろし。

秋:なんだよ。


又二郎:・・・実はしばらく俺の出番が無いんだよ。

厚樹:だからどうした。

秋:皆また次回会おうぜ!!!


又二郎:何か言ってくれよお前らああああああああああああああああああああ!!!!

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