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二十二話、脇役も大事さ!クラスメイト!!

マツタケぇぇぇぇぇぇぇ!!!


「えー、それじゃ何か意見のある人ー?」


クラス長(室長とも言う)の坂部舞がチョークで黒板を叩いた



坂部舞(さかべ まい)。あだ名はクラス長。陸上部所属。

背は平均よりやや高め、髪は両サイド三つ編みで眼鏡っ子という古典的な勉学娘

気が強く、面倒見が良いためクラスのリーダー的存在になっている

秋にものすごくオープンな好意を持っているが、例によって鈍感な彼は全く気付いていない。

どうでもいいけど、厚樹の与えた称号は『眼鏡の妖精』・・・意味わからん。





もうすぐに夏休みを控えた、とある日の放課後

本日の『非モテ組の日常』は、我らが1-Dの教室からお送りいたします♪



学生達の貴重な放課後の時間を使い、1年D組の皆は夏休みに開催される『D組サマーイベント』で何をするのか決めている最中だ。


この『D組サマーイベント』という残念な名前のイベントは、夏休みだというのに特に予定がなく、ただ虚しい夏を送るであろう暇人達に、元気と英気を与えてやろう! という、なんともハートウォーミングなイベントである!


イベントといっても僕達のクラスが勝手に企画したため、修学旅行みたいな規則は無く、参加は自由。

大人には一切頼っていないので、こうして放課後念入りに計画を立てているのである



「はい! クラス長!!」


厚樹が勢いよく立ちあがった

クラスの視線が集まる


「お、厚樹。何かいい案あるの?」


教卓の前に立つ、クラス長の坂部舞が、厚樹に向かって言う


「皆でハ○公を見に行こうぜ!!」


・・・また見るつもりか、お前は。流石に2回目は泣かないと思うぞ?

少し間が空いてから、教室内にブーイングの嵐が起こる


「私それもう見たよー! 二回目はいいよ!」

「せっかく皆で行くのに、映画なんてつまんねー」

「ハァーチィイイイイイ!」


クラス長は両手を挙げ「どうどう。」と皆をなだめる

これで皆が大人しくなるのだ。彼女の人望はたいしたものである。


「映画かぁ、確かにいいと思うけど・・・まぁ皆の反応もイマイチということで、とりあえず保留!」


映画の案はすぐに流され、再び皆の意見が飛び交う


「遊園地行きたい!」

「皆でモン○ンやろう! フル○ルを倒しに行こう!!」

「体育祭やろう!」

「UNO! ウーノーォオオオオオ!」

「レスリング大会やろう! つーかキャットファイト!」


真面目な意見もあるのだが、ほとんどが冗談交じりの提案だ。これでは中々決まらないだろう


「はいはーい! わかったから、とりあえず一回皆落ち着いてよー!!」


クラス長の声に一瞬だけ場が静まる

またすぐにざわつき始めるのは目に見えていたのだが


この一瞬の静寂を狙い、今まで沈黙を保っていた奴が一人いたのだ。



『奴』はベランダから教室に顔を出し、叫んだ。



「海っ! だぁぁぁぁぁっぁぁっぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!」


その雄たけびにも似た又二郎の声に皆驚き、教室の中が完全に静まりかえった



「・・・いいな、海」


誰かが呟く


「なるほど、海かぁ・・・」

「楽しそうだねー、皆で海ってー」


それに続くように、クラスの中がまたざわつく



「海かぁ・・・確かに、イイ・・・って! 海なんてどうやって行くのよ!?」


一瞬惚けた顔を見せるクラス長だったが、すぐに現実的な壁にぶち当たってしまったらしく、否定的な態度に変わってしまった

そんな彼女を見た又二郎は人差し指を立て、キザッたらしく「ちっちっち」と三度振る


「ノノノ、確かにクラスの皆で海に行くのは難しい・・・だがな!!!」


「だ、だがな・・・?」


ヤツの自信たっぷりの大声に、クラス長がたじろぐ

・・・かわいそうに。


「海についた時の事を想像してみろ! ・・・さぁ皆さん。目を閉じて、想像してくださーぃ・・・」


「そ、想像・・・?」

「なんだなんだ?」

「目、閉じるのか・・・?」


文句を言いつつも、又二郎の言う通りにするクラスの皆

つくづくノリのいい奴らだな。


「見えるか、皆! 青い空、光り輝く太陽!!」


「おぉ・・・」

「暑くなってきた・・・」


目を閉じた皆の脳内に、青い空と光り輝く太陽が映し出される


「そして、足元には灼熱の砂浜! 気をつけろっ、裸足でいると火傷するぞ!?」


「あちちっ」

「サンダルサンダル!」

「誰か水もってこい!」


目を瞑っているのでわからないが、教室のどこかで何人かが足をバタつかせていた

・・・お前らの想像力は豊か過ぎる。


「安心しろ! 砂浜が熱いなら、目の前の海に飛び込めばいいではないか!?」


「そうだ! そうだ!」

「早く飛び込め! 海だ!」

「馬鹿野郎! 俺が一番乗りだ!」


「おぉっと、いいのか男子諸君? 海に気を取られて・・・ウチの女性陣の水着姿を、忘れてないかっ!?」


「うぉおおおおおおおおおおおおお!?」

「そうだ! 女子の水着姿っ!」


「海は後だな・・・。てめーらガキんちょは水遊びでもやってろ! 俺は女の子と親睦を深めることにするぜぇ!」


とうとう机の上で悶えるヤツも出てきてしまった・・・主に、男子。

ちなみに最後の台詞は厚樹のバカヤロウだ。


「みなぎって来るだろう・・・なんせ、ウチのクラスには! 花も恥らう美少女、秋がいるのだからなっ!!」


「えっ!? ちょ・・・っ!」


僕ですか!?


「いやっほーぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」


「待てや! なんなんだよお前ら!?」


今日でこのクラス嫌いになったよ!? いつか一服盛ったる!!



「ああああああああああき、秋君の・・・水着姿・・・・っ、ですって・・・」


「・・・?」


教卓のほうに視線をやると、クラス長が顔を真っ赤にして何かを呟いていた


「く、クラス長ー?」


「うへ、うへへ・・・・・・っは!? いかんいかん! 動機が最低よっ、男子!」


なんだか知らんが、とりあえず正気に戻ったクラス長が、教卓をバシンっと叩く

同時に女子達からのブーイングが沸き起こる


「ここにいる馬鹿どもに見せる水着はありませーん!」

「男子きもすぎー!」

「でも海は賛成なんだけどな・・・」


「ええぃ、聞け女子達よ! 海といえば、小麦色のイケメン君達がいるかもしれないだろ!? ナンパされたくはないのか!!」


旗色の悪くなった又二郎が慌てて取り繕う

海に行くこと自体は嫌じゃなかったらしい女子達は、あっさりと海賛成派へと寝返る


「きゃー! ナンパだってー!!」

「色黒男子かぁ・・・あたし行きたいかもー!」


「ちょ、ちょっと皆・・・」


いくら人望の厚いクラス長でも、これだけの人数を相手には、何も出来なかった・・・



って事で―――


「D組サマーイベントは・・・海に行きたいと思いまーす!」


「「「「「いやっほぉおぉぉおおおおおおおおおぉぉぉぉおおおぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!」」」」」


・・・海、万歳!


次回、新キャラ紹介!!?






秋:いやぁ、新キャラかー

厚樹:まぁ今更新キャラが出て来たところで、大して活躍できないんだろうな。

又二郎:冷たいな!!!?


厚樹:だってそうだろ?

又二郎:ノノノ、甘いよ君達、作者はこの俺!!つまり今更登場した新キャラエンドもあり得るってことさ!!

秋:ほんっと自分勝手だよな。


又二郎:ま、いいじゃないか!!っはっはっはー!!

秋:そんな事より、お気に入り登録者がまた増えたね。

厚樹:おぉ!そりゃめでたい!


又二郎:そうなんだよー、一人増えたんだよなぁー

秋:どうもありがとう、こんな奴が書いてる小説だけど。

又二郎:どーゆー意味だよ!!?


厚樹:言葉のままだ。それじゃ、次回も新キャラ大量登場?

秋:お気に入り登録した人ありがとう!

又二郎:さらば、兄者!!!!!!!!!!!!!

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