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十六話、休日前にて、前編。

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「ふふふ。どうだ秋、決まってるだろ?」

「やりすぎじゃない?」


 厚樹の眉毛に触れると、短すぎる眉毛がちくちくと僕の指をなでる。


「あっはっは! 男はこれくらい薄くないと今時っぽく見えないんだよ!!」

「今時っぽくねぇ」


 どっちかと言えば、それは今時じゃなくて何世紀か昔っぽいぞ……ほら、白亜紀にいた爬虫類的な。

 僕は浮かれまくっている厚樹を横目に、小さくため息をついた。



 今日は土曜日。授業は午前で終了するのだが、部活をやっている生徒達は普段と同様に夜中まで学校に残る羽目になる。

 つまり今日さえ乗り越えれば、後に待つのは日曜日というわけだ。

 いやぁ、帰宅部でよかったと心から思うね。


 そして朝から上機嫌な厚樹と一緒に登校している最中なのだが。

 このバカは明日の事で頭がいっぱいならしく、明日のために整えた眉毛を上機嫌で自慢してばかりいる。

 整えるというか、全部刈り取られたというか。そもそもこいつは前髪が長いので、自慢されるまで全く気が付かなかったのだが。


「あぁー! 早く美咲ちゃんにこの眉毛見せてやりたいなぁー、っはっはっは!」

「お前ってヤツはホントに単純な」


 駄目だ。もう完全に浮かれてやがる。

 同じ通学路を歩いている学生達がいるというのに、何の恥じらいも無く自分の想い人の名を口にしていた。

 ……おめでたい脳味噌だなぁ。


「眉毛無いのがそんなにかっこいいのー?」

「あったりまえだのクラッ○ー!!」


 満面の笑みでそう言われると、かえって清々しくもあるが。

 厚樹君、その台詞は今時っぽくないぞ?


「でも松○は眉毛濃くてもかっこいいじゃん。」


 僕は最近流行ってる『荒らし』のメンバーの一人を例にあげてみた。

 『荒らし』と言うのは僕の姉が大ファンの最近超人気の五人組の……まぁいいや。


「馬鹿野郎、あれは別だ! ほかのメンバーはそんなに濃くねーだろ!?」

「そうだけどさー」


 二人で眉毛議論を繰り広げていると、前を歩いていた僕達の高校の制服を着込んだ女子高生の話が聞こえてきた。

 普段なら全く気にも留めないのだが、なんと彼女達の話題も眉毛の話だった。


「ねぇねぇ、眉毛の薄い人ってどう思うー?」

「眉毛ー?」


 なんという偶然。厚樹と顔を見合わせて約1秒、素早くアイコンタクトをとった僕達は彼女達の背後に忍び寄る。

 ……盗み聞きとか言うな! 聞こえてきたものは仕方が無いんだ! 誰だって気になるだろ!?


「えー、そうだねーまぁ濃すぎるよりマシじゃない?」

「だよねー」


 女の子の言葉を聞いた厚樹が「よっしゃぁー」と小さく拳を握る。

 ……うざ。


「でも薄すぎるのはどうかと思うけどなぁ」

「そうだね、全剃りとかあり得ないもんねー」


 そう言って女子高生二人組はクスクスと笑い合っていた。

 そこまで聞いて満足した僕達は、彼女達からそそくさと離れる。



「聞きました奥さん? 全剃りはきもいんですって、キ・モ・イ!」


 込み上げてくる笑いを押し殺しながら隣を見ると、厚樹の姿は消えていた。

 ……え、あれ? どこいった?


「おーい、厚樹ー?」


 どこかに行ってしまったのだろうか、とあたりを見渡すと、厚樹が近くの公衆トイレに駆け込む姿が目に入った。


「全くあのバカは」


 僕は財布を鞄から取り出し、近くの自販機で缶コーヒーを買ってから公衆トイレの近くでプルタブを空けた。


「お前は前髪が長いから気にしなくてもいいのにさぁ」


 アイツは昔から周りの目を気にし過ぎるきらいがある。まぁ見てるこっちは面白いからいいけど。


 缶コーヒーが空になるのと同時に厚樹が帰ってきた。

 近くの空き缶入れに缶を放り投げてから、厚樹の傍まで歩いていく。


「よ、よぉ。悪いな、急に腹の調子がよぉ……」


 僕は申し訳なさそうに頭を掻く厚樹の言葉を聞きなが、らちりとヤツの眉を覗き込む。

 ふ、ふさふさになっていた。リーブ2○もびっくりだろう。


「厚樹、眉毛が……」

「さぁ学校行くぞ! クラスメイト達が俺のイカした顔を見たがっている筈だ!!」


 全部言い終わる前に、厚樹は駈け出した。


「お前眉毛いつもの長さに戻ってんじゃん! トイレで何をしていた!?」


 世の中は、不思議で溢れていた。

 ってか遅刻しそうなんだけど。



次回、勉学にいそしむ!





又二郎:・・・おぅぃえ。うぇーぃ・・・


秋:・・・ねぇ、あいつどうかしたの?

厚樹:さぁ?


又二郎:おぉ、居たのかお前ら・・・

秋:まぁあとがきには大抵居るからね。

厚樹:てか今更だな。


又二郎:そうか・・・なぁ、暇なら俺の悩みを聞いてくれないか?

秋:却下。

厚樹:耳が腐る。


又二郎:酷!!?

秋:お前の悩みなんて大したこと無いからさ。

厚樹:そうだそうだ。


又二郎:ノノノ、今回は真剣さ!めちゃ真剣だよ!?

厚樹:ほぉ、そこまで言うなら言ってみろ。


又二郎:いやさ、小説評価が上がっていくのは嬉しいんだけどさー

秋:まぁお気に入り登録者3人になったからね。


又二郎:うん、でもさ!感想が未だにひとつも来てないんだよ!!!

厚樹:贅沢言うなや。

秋:この小説は初めから、『小説を読○う』ってサイトの片隅でそよそよ書いて行こうって決めてたじゃん。


厚樹:え!まじそれ!?

秋:そうだよ、だからこんな朝っぱらに毎回更新して・・・

又二郎:だああああ!うるせぇ馬鹿やろおおおおおかみおとこおおおおお!!!


秋:・・・帰って行ったね。

厚樹:だな、よほど悲しかったんだろうな。


秋:んじゃ、そーゆー事で!お気に入り登録してくれた人達ありがとう!

厚樹:これからもひっそり書き続けるからな!!


秋:応援よろしく!!

厚樹:アデュオス!!

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