1話 ヒーラー募集
この作品は、フィクションであり、名称、組織、人物、等々、現実とは関係ありません。
ので、気軽にお楽しみください。
2030年販売された、
ミラージュ・ファンタジー・オンラインと言う、
ゲームの中での話しの事である。
サービス開始から数年経った頃、
とあるパーティーが、ヒーラーの募集をしていた。
その事は、別に珍しくなく、普通にある事だが、
このパーティーと組んだヒーラー達は、
二度と関係を持たないと言うパーティーらしい。
ファンタジー色の強い、このゲームで、
ヒーラーのいないパーティーは、過酷な事であるのだが、
困った事に、このパーティーの1人を除き、
気にしていないのだ。
その1人は、女狩人のクロである。
「まったく、うちのパーティー、
ポンコツ過ぎだろ!
敵を見ると突っ込む猪突猛進と、
目の悪い魔導師、
味方にパスパレードする奴、」
と、本人達の目の前で、悪態をつくクロ、
そう言われて笑っている2人、
1人は、猪突猛進と言われた、剣士タカ。
岩の様な筋肉の男である。
もう1人が、目の悪い魔導師、ガガ、
長身の男である。
また、問題児でもある。
彼のおかげで、
どれだけ酷い目に遭った事か、
目の悪いのに、遠距離攻撃術を頻繁に使うのだ。
おかげで、
ゴブリンの斥候と思い攻撃して、
寝ているキメラを叩き起こしてしまったのだ。
自分達より3倍はレベルの高いキメラの攻撃で、
タカは、踏み潰され即死、前衛壊滅、
その後他のメンバーは、ひたすら走る羽目になった。
また、
海岸で、トカゲを見つけたと思い、遠距離攻撃術を使い、
そのトカゲが、雷を纏い迫って来たのだが、
その姿は近くに連れ、どんどん大きくなり、
その全貌表した時、全員飛び逃げた。
それは、サンダードラゴンLV90だったのだ。
結果、半日走り続ける事となった。
終始こんな感じの為、
不本意ながら、逃げ足だけは早くなった。
当然、皆責めるが、
「わははははっ、いゃぁ、焦ったなぁ、わはははっ。」
笑って終わりである。
もう1人は、味方パーティーにパスパレードする奴、
軽戦士の、まっちゃである。
「なに言ってる、お前も十分ポンコツだろう、
狩人のくせに。」
そう、彼女クロは、
方向音痴である。
結局、全員ポンコツであった。
彼女は、
正確には、地図が読めないのである。
頭の中で、地図と実際の地形が当てはまらないのだ。
だが、記憶力は良く、一度通った道なら、
間違えない。
そして、
まっちゃだが、彼は髪が緑色の少年のアバターであるが、
プレーヤースキルが高く、
その為、単独で、勝手に動き回り、
自身のレベルが低いので、手に負えないモンスターを、
引き連れて来てしまうのだ。
まっちゃが、一番新しい仲間で、
まだ、レベル一桁である。
とりあえず、このパーティーにヒーラーがいない。
「とにかく、いるだろうヒーラー、」
狩人クロは主張する。
「俺はどっちでもいいけど?」
とガガが言うと間伐入れずにツッコむ。
「お前は後衛だからな!」
「まぁ、いると助かるな。」
剣士タカは同意する。
そして、まっちゃは、一応顔が広い。
「そうは言うけど、来るのか?ヒーラー。
俺の聞いた話しだと、うちのパーティー有名らしいぜ、
ヒーラー達に、、、悪い意味で、、、。」
このパーティーのメンバーは、小さいギルドのメンバーで、
ギルド名は、アイアンホースであるのだが、
このパーティー以外に、ギルマスがいるだけで、
そのギルマスも、このパーティーに入らず、
他のパーティーに参加している。
ただ、
参加しているパーティーが凄い、
日本でも指折りのパーティーで、
レコードパーティーとあだ名される、
数々の記録を打ち立て続ける、
有名なパーティーである。
チーム名は、オリンポスと言う。
ギルマスの名は、シン、
普通は、ハントマスターのジョブをセットしているが、
複数のジョブをカンストしており、
会う度ジョブが違うので驚く、
サブジョブも、複数カンストしている、
いつログインしても居るような、
おそらくゲーム廃人だと思われる。
クロのアバターは、身長146センチと小さく、
まるで、お人形の様な、
美少女キャラである。
ギルマス、シンは、175センチ位の精悍な男性キャラで、
動きも、ベテラン戦士の様である。
このゲームは、フルダイブ型VRMMO RPGなので、
アバターの姿は、変えられても、
動きは、リアルの動きになってしまうので、
シンは、本当の戦士なのかも知れない。
クロ達4人のパーティーは、昼間の酒場で会議をしている?
ところだったが、午後になり、客もぼちぼち入り始めて来た。
このゲームもそうだが、
酒場は、プレーヤー同士の情報交換の場と成っており、
パーティーメンバーの募集などは、
酒場の掲示板に貼るのが普通、と言うのも、
冒険者ギルドの掲示板は、メンバー募集などでも、
有料であるからだ。
だから通常の場合は、酒場の掲示板に貼るのである。
彼等のいる、初心者の町アルスの酒場の常連達は、
鉄馬のポンコツパーティーとあだ名する。
「よっ!今日もやってるな!鉄馬のポンコツ達!」
「まぁ、ぼちぼちねっ。」
ガガとタカは、笑って挨拶をする。
が、クロとまっちゃは、反対の反応で、
むっとしている。
彼等は、アイアンホースのシンを尊敬しており、
ギルドに対して尊敬の念を抱いているが、
彼等は、ポンコツ組に対しては、軽く嫉妬している。
彼等が入れるなら、自分達もと、
アイアンホースに入る希望してをしても、
ギルマスのシンが認めないのだ。
少しシンは変わっており、自身の気に入った者しか、
ギルドに入れないのだ。
そして、
それは極めて稀の為、メンバーが少ないのだ。
その為、軽い嫉妬は仕方ないと2人は笑うのだが、
入って間もない2人は、むっとしてしまうのだ。
クロはとりあえず、会議を決議した。
「いい決定!ヒーラー募集します!」
そう言うと、紙に書いて、酒場の掲示板に貼り出した。
まっちゃは、頭の後ろに腕を組み席を立ち、
その後に、タカとガガが続いた。
「じゃあ、今日は何処に行こうか?」
と、タカが聞いてみる。
「中級の森!」
と、まっちゃが、叫ぶ。
「お前には早いだろう!」
と、クロは叫び返す。
「じゃぁ、中級の森ね。」
と、ガガが答えた。
「ぅおぃ!」
クロは叫び、タカは笑う。
パーティーは酒場を出て、アルスの町の出口まで来て、
「大丈夫だろう、まっちゃなら。」
とタカがクロをなだめ、
ガガは、転移呪文を唱え始めた。
「2人は初めての場所だから、無茶しない事。」
タカは、クロとまっちゃに注意している最中、
中級の森に転移した。
ガガの転移魔法、フィールドジャンプは、
1パーティーを、指定したフィールドの入り口まで、
瞬間移動する魔法である。
このゲームの雰囲気は、
ごく普通のファンタジー世界と言う感じで、
自然の中に人間達が暮らしている世界である。
種族もそれほど多くないが、
定番のエルフ、ドワーフ、ハーフリングなどがいる。
加えて人間の他に、鬼族が、人間の世界にいて、
プレーヤーは、この五種属を選択してアバターを作れる。
それ以外の種族は、大抵モンスター側に登場する世界感である。
タカ、まっちゃは、人族で、ガガは男エルフ、
そしてクロは、鬼族でアバターを作っている。
この中級の森の名は、ゴテンの森、
LV15からLV20くらいが適正であるフィールドである。
入り口から、セーフティーゾーンである、
始まりの広場に出たところ、
クロは、瞳に星を出現させて、まっちゃは、息を呑んだ。
「!すっごぉ〜い!!」
「、、す、すごい、、、。」
その広場から広がる景色は、正に絶景、
見下ろす先に、森は広がり、
その先の遠くに並ぶ山々、山脈の頭あたりは雪化粧され、
それが、ぐるっと囲み、遠くに見える湖、
その青が、さらに、彩りを添える、
そして、
広場側の少し先にに、巨大な滝が轟音を上げ、
近くに川の流れている音が聞こえて、
爽やかな風が、
遠くにあるはずの大滝の飛沫を運んで来る。
圧巻の光景で、
フォトスポットととしても有名である。
その証拠に、
複数のプレーヤー達が、写真を撮ってプレーしている。
その中には、まぁカップルもいる。
「、ちっ、、、リア充、死ね、、」
クロは、途端に不機嫌になり、
タカとガガは、顔を青くし冷や汗を流している。
まっちゃは、走り出しフィールドに出てしまった。
「!ぅおぃ!!!」
「まっちゃめ、やってくれる!」
タカとクロが走り出した。
後からガガが、歩きながら後に続いた。
「まっちゃ、走るなぁLV7なのに、、。」
ガガの言う通り、まっちゃは、
このフィールドの適正レベルより、低いのだが、
ガガは、まっちゃのプレーヤースキルを高く評価している。
タカとクロが後を追いフィールドに出たのだが、
まっちゃは、オオカミと一緒に崖から落ち?
タカは、少し先に見つけたキメラに向かって、
剣を二刀抜き、突進してしまった。
「、な、なに、やってくれてんだ!!!」
後から来たガガが、クロと合流したが、
「、、ガガ、、助けてくれ、、、。」
まっちゃから、パーティーチャットが入って来た。
「仕方ない、クロはタカを追ってくれ!
俺は、まっちゃの方に行く!」
二手に分かれる事となった。
クロは、不安いっぱいで、警戒しまくりながら、
タカを追跡した。
狩人LV17のクロは、追跡スキルを使い、
タカの後を追ったのだが、
途中から、スキルを使う必要がなくなった。
それは、
タカの通った後には、ドロップアイテムが、
そのまま落ちっぱなし、だったのだ。
クロは、アイテムを拾いながら、後を追った。
まっちゃは、LV15のオオカミ3匹を引き連れ、
崖から飛び降りたのは、軽戦士の軽業スキルを試す為で、
崖を無難におり、
オオカミは3匹とも、転落死したので、
まっちゃは、レベルが上がって、
LV8に成っていたのだが、
崖の下は、
モンスターの巣窟だった。
「ガガさん、悪いっ、、。」
「数が多いな、、仕方がない。」
ガガは、LV56だが、MPは無限では無い、
したがって、どう処理するか、考えどころである。
彼は決めた様で、
何やら呪文を唱え始めた。
まっちゃは、モンスターの前に出て、
逃げ回る。
ガガの為に、時間を作るつもりだからだ。
「ははははは!当たらなければ、
どうと言う事は無い!」
スキを見て、攻撃を入れるも、
ダメージ0。
「ははははは!効かなければ、
どうにもならない!」
ガガは、思わず吹いた。
呪文は、初めからやり直しする事となった。
やっと呪文はは、完成した。
「発動、炎雨、ファイヤーレイン!!」
広域に、火の雨が降り、HPの低いモンスターを、
黙らせ、
「からの、炎柱、ファイヤートルネード!」
広域の火災で、出来た上昇気流を利用して、
火災旋風を造り、それに、
ファイヤートルネードを重ねて、MP消費を節約した、
ファイヤーコンボである。
生き残っていたモンスターをまとめて、
竜巻が吸い上げる、これは、ただの竜巻では無く、
炎のである。
モンスターは全て、HPまで吸い上げられたかの様に、
全滅した。
LV20くらいの相手だから、当然ではあるのだけれど、
結果としては、MP消費を最小限で済ませたのである。
結果上々。
ここまでは、、、、
クロは、やっと追いついた。
タカは、LV20のキメラ相手に、
目を血走らせ、痛ぶっていた。
なんでも、キメラに踏み潰され即死した時のトラウマが、
彼を駆り立てるとか、、、。
キメラと見ると、特に見境が無いと言うけど、
クロの目から見て、あまり変わってない様な?
「タカ!援護する!」
すかさず、弓を違えて放つ。
それは、キメラの尻尾?ヘビ?
しっぽヘビの目に刺さった。
毒の全体攻撃は、発動前にキャンセルされた。
間髪入れずタカの剣が、その左剣が、
しっぽヘビの首を切り落とし、
右剣は、キメラの腰を刺し、
それを手掛かりに、背中に上がり、
両剣を使い、背中ヤギの首を落とした。
ここまで来ると、後は、でかいライオンと変わらない。
2人は、攻撃の回転を上げ、
勝負を一気に決めた。
「ざまぁ見ろ!キメラめ!」
「、、、タカ、、、。
あっ!LV上がった!!」
クロは、LV17からLV18になった。
ちなみに、LV41のタカは、
経験値も、大して入らなかった。
2人は、一息ついた後、始まりの広場に戻ったところ、
腕を組んで立っているガガの目の前で、
頭を地面に擦り付け土下座する、まっちゃの姿があった。
「、ぷっ!何まっちゃ、そのざまは、。」
笑うクロが、よく見ると、
2人とも、残りHP1、であった。
「ふ、2人とも!どうしたの?」
聞けば、
レベルが上がって調子に乗った軽戦士が、
あちこちに走り回って、モンスターを集めた挙げ句、
湖の主たる、サンダードラゴンLV60を呼び寄せ、
それを、パスパレードを、ガガにしてしまったのだ。
まっちゃが集めたモンスターとの戦闘中にである。
2人は、なんとかモンスターを倒したものも、
サンダードラゴンには、逃げられ、
所持していた回復アイテムを、全て使い果たしたのだとか。
それは、貴著な復活薬もである。
当然ではあるが、その全てが、まっちゃに使われた。
クロは、2人のステータスを除いて見たら、
まっちゃは、LV13になっており、
戦闘のカオスを、感じさせた。
ちなみに、ガガは、レベルは上がらなかった。
今日の上がりは、ドロップアイテムを含め、
7860G。
消費が、178000G。
そのほとんどが、ガガの出費であった。
「これは、さすがに、、。」
クロとタカの、同情の言葉が、
まっちゃは、ただただ土下座で謝り。
最後に、ガガは叫ぶ、
「うちのパーティー!ヒーラー募集中で〜す!」
その声は、広場に虚しく響く。
「、、またやってるよ、あのパーティー。」
「本当、なんのネタかしらねぇ。」
周りのプレーヤーは、いつもの光景に苦笑していた。
第1話 完




