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想いの詩(仮題)

想いの花

作者: 浮き雲



こころを水にたとえれば 想いは水に落ちる花


波紋を広げ、鮮やかに 時を彩るものばかり




想いの花は、おかしくも 蕾で落ちる花なれば


育つ、育たず、それさえも 水の揺らぎにたくすだけ




想いの花の彩りは 移ろうことが定めゆえ


時の流れに掉さして とどむることぞ能わざる




想いは、やがて、消ゆるとも ときに、なごりを残すもの


花が実となり結ぶごと 散れば棘のみ残すごと




消えゆくものを哀しめば 過去に囚われ、生きられず


生きてみようと、踏み出せば 無常の風のさらうだけ




すべてが過去に流れ去り すべてのいまをさらえども


それでも残る想いあり まことの花と人の言う




まことの花は色褪せず こころの淵にとどまりて


涼やかに咲く、その色を こころの糸に移しゆく




こころの糸のかき鳴らす 哀しき音や、歓びは


いつしか、すべて融け合いて やさしき詩を奏でゆく






「まことの花」は世阿弥の言葉から転用しています。本来は、「時分の花」と対比的に使われる言葉です。芸に生きる方々は、今も昔も、若い頃は容姿の美しさが占めるウエイトが大きくなります。それが、「時分の花=その時々の芸の花」です。しかし、年を取り、容姿が衰えても、なお、その人の芸に魅入られることもあります。それは、その人が芸を磨き、たくさんの「まことの花」を得たからだと思います。

こころも、たぶん、同じなのではなかろうかと思います。色々な感動で、心を豊かにして、枯れることない花を咲かせることができれば素敵な人生になりそうです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 散っていっても何かを残せる花、素敵ですね。枯れない花も枯れていった花にも風情があるんだろうなと思いました。
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