第九百五十七話 真のプロフェッショナル
来日
暫くしてメキシコのチャンピオンから成田空港に到着予定日をメールでもらい、亜利沙が迎えに行った。
ゲートで待ってると片手を挙げたスーツ姿のマスクマンが現れる。
ホセ・ゴンザレス・ガルシア・ロペス」こと現役チャンピオンベルトホルダーの「ラ・ナチョ」だ。
亜利沙
メキシコではプライベートではして無かったのになんでマスクしてるんだろう?
いきなりのフラッシュと共に数人の記者がチャンピオンに近づく
インタビューを受けているようだ。
数十分後、チャンピオンは解放された様だ。
ボーッと見ていた亜利沙にチャンピオンがダンディーかつ爽やかな香りと共に近づき「Arisa es mi amiga」と挨拶をされて亜利沙はハッとなる。
慌てて英語で「あ、どうも、えっと、どう言う事ですか?」と聞くとチャンピオンはマスクの下でウインクをして見せて「移動しながら話そう」と真っ白な歯でスマイルしながら歩きだした。
「くっ、相変わらず渋いなぁ」
駅に向かう途中のトイレでマスクを外し、ラフなジーンズにTシャツ姿になる。
チャンピオン
まだ、会社のリングも出来て無いんだろう?本格立ち上げの前に一つPRでもしておこうと思ってね、日本のプロレス団体のオファーを受けたんだよ
亜利沙
へー、そうだったんですか
チャンピオン
所属はBukakumono.co.letになってるから安心してくれ
まあ、手続きは着いてからになるが、よろしく頼むよ
亜利沙
どんな所のオファーを受けたんですか?
チャンピオン
あー、名前はなんだったかな?
ルチャスタイルでマスクマンが立ち上げた・・ミキノク?みたいな名だったかな。
かなり熱心に口説かれてね。引退を引き伸ばしてしまったよw
駅に着き電車に乗り込む
何回の乗り換えだい?と聞かれ、最寄りの駅は末広町と言う駅です。本来は乗り換えは一回だけですが一区間だけですので終点から乗り換えずにタクシーに乗ります。と伝えると「この国の交通網は素晴らしいな」と路線図を見て感嘆の声を洩らす。
特に話は無かったがブラックコーヒーを飲む渋いチャンピオンの横顔をガン見してるとチャンピオンは見られ慣れているのか仄かに渋く微笑んだ。
いつの間にか終点の京成上野駅に着く
タクシー乗り場にはあいにく待機車が無かった。
亜利沙が、地下鉄?うーん、どうしようかなと考えていると
チャンピオンは大きな指笛を二度鳴らし、「TAXY!」っと叫ぶと一台のタクシーが滑り込んできた。
「マジっすか!」
チャンピオンが渋い笑顔でドライバーに親指でトランク方向をクイクイっと示すとトランクがガコっと開く、荷物を入れるとバンと閉めて「セニョリータ、お先に」と亜利沙を先に乗せる。
亜利沙
「ああ、渋おじ過ぎる!これはモテるわ」
亜利沙が住所を伝えるとタクシーはスッと走りだした。
車窓から見えるアキバの景色にチャンピオンが一言
「エキサイティングな街だなw楽しみだ」と洩らす。
亜利沙は手短に歓迎の宴の準備がされてる事、ビルは工事中で日中はうるさい
トレーニングルームやバスルームは自由に使ってください。
部屋にはテキトーに飲み物を冷蔵庫に入れてあります。大きめのバスが付いてるのでそちらもどうぞ!明日、外国人登録カードを区役所に作りに行きます。と伝える。
チャンピオン
外国人登録カード?
亜利沙
えっと、通称在留カード、これがあればパスポートを持ち歩かなくてもいいんですよ。
チャンピオン
それはいい!北欧でパスポートを落として大変な目にあった事があるからな
自社ビルに着くとチャンピオンは見上げ、ヒューと口笛を吹く
中々デカいビルじゃ無いか!
チャンピオンが店長になる店を見せ、その後の荷物をチャンピオンの部屋に運びこむ
「宴は何時からだい?」
2時間半後です、呼びにきます。
チャンピオンはトレーニングルームの位置を聞くと一汗かいてからシャワーを浴びさせてもらうよと言いながらTシャツを脱ぎだしたので亜利沙は慌てて部屋を出るのであった。
チャンピオンは全く油断はしてなかった。
普通なら試合まで期間もあり、時差ボケもある中、直ぐに休んでしまう所を体を動かして体内時計を調整する。
経験則やストイックさがそうさせるのか・・だからこそ強者でありチャンピオンなのだろう
トレーニングルームではランニングマシンとチャンピオンの吐息の音が黙々と淡々と響くのであった。
参照 みちのくプロレス https://michipro.jp/
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