第九百四十六話 酸っぱ辛い
確かな約束
前回からの続き
次の予定地に移動する為、一旦パナマ共和国を離れる旨を伝え今夜は日本人達が材料を持ち合って教会内晩餐会を開く事を提案するとシスターは笑顔で頷いてくれた。
カストロの案内で市場で魚や肉、野菜に調味料類を購入した。
少し値が張ったが醤油や日本酒も手に入った。
教会の厨房をお借りして日本人達は調理を始めた。
水を始め野菜や魚や肉も生は厳禁なので大きな淡水魚は切り身にし唐揚げにし、牛肉は醤油ベースで角煮にし、野菜類はスープにした。
残った調味料はそのまま厨房に残し、簡単だがこれにパンと子供はコーラ、大人達は赤ワインでシスターには辛口の日本酒を振る舞った。
2、3杯を嗜む程度なので程よく酔ったのだが、シスターは一升瓶を一人で空けてケロッとしていた。
とても美味しいとの事だった。
食事量は十分に子供達を満足させ、中でもコーラが最高!と言っていたがゲップがあちこちで聞こえたのはご愛嬌である。
カストロに渡航手続きが終わり次第に迎えに行くと約束をし、一同は翌日の早朝、次の予定地へ空路で旅立ったのだった。
夕暮れ迫る空港に全員無事に降り立った。
メキシコ合衆国 メキシコ・シティ国際空港である。
林田蒼楽が興奮気味に叫ぶ
「きたー!ルチャの聖地」
ルチャドーラ(メキシカンスタイルの女性プロレスラー)である林田にとってはメキシコは聖地以外の何物でも無い。
林田
早速、ルチャリブレを見に行かないと!
他の者達が先ずはチェックインしないと!と林田を宥めながら、空港内のホテルにチェックインをする。
ホテルで聞くと近場でルチャリブレ(メキシカンスタイルプロレスリング)を夕方からやってると聞く
逸る蒼楽を落ち着かせ、ホテルで食事を摂ってから向かう事で合意する。
夕食はナチョスチップスとタコスであった。
藤井
へー、いきなり料理がガラッと変わったね。
亜里沙
辛いかな?
チュアムはヒョイパク、ひょいぱくと食べながら全然辛く無いと言う
亜里沙
いや、激辛タイ料理に慣れてるチュアムちゃんの辛く無いは辛いからw
丸山が口にナチョスを運ぶのを一瞬、躊躇う
「ええい、いけい」
ナチョスチップスがパリパリと音をたてる。
山根
どう?辛い?
丸山
ん、いや行けるぞ
みんな食べ出すと丸山が「かっらー!」と慌てて飲み物をグビグビ飲みだす。
チュアム以外はしまったっとなった瞬間に口の中がファイヤーする。
慌てて飲み物をグビグビ飲み
飲んで気付くがコロナビールだった。
ふう、辛さに合うねと藤井が言うとみんな納得であった。
中国発のコロナが猛威を振るった時にはコロナビールは関係無いのに売り上げが激減したが何とか復活したのは何よりである。
横を見るとサルサソースにたっぷりのグリーンチリのピクルスをトルティーヤで巻いて、恵方巻の様に黙々と食べるチュアムが目に入る。
全員見てるだけヒリヒリして来る。
こんな感じで夕食をワイワイと楽しく食べるのであった。
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