第九百四十一話 少年
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租税回避ビジネス
R5・8・27(日)1130
パナマ共和国 トキュメン国際空港付近
パナマに無事入国した面々は驚いていた。
幽霊会社用の私書箱専門業者が多いのである。
山根麻衣子
すげーな、住所とポストだけかよ
やっぱ聞くと見るとじゃ違うな
チュアム
ですね、ここまであからさまだと凄いですね。
会社の案内役のスーツを着た厳つい男の胸元にホルスターが見える。
丸山
こっちじゃ当たり前かぁ
英語の出来る亜利沙が色々と聞いているが日本の小金持ちの通訳と思われたのか南米訛りの英語で「騙して稼ごう」と持ちかけられる。
やはり海外は油断ならない。
笑顔で案内を聞き、その場を後にする。
亜利沙
ふー、空港内で食事にしませんか?
藤井
あ、もうそんな時間ですね。
何だか疲れた見たいだけど大丈夫?
みんなで空港に向かいながら話す
亜利沙
「金持ってるなら騙して金取ってやろうぜ」って持ちかけられた。後、俺の女になれば良い思いさせてやるってさ!ふざけんなって!!
みんな、お金は持ち歩いて無いって言ったから引いた見たい。
山根
油断できねぇな、小金の為に殺されかねないな
丸山
一人では来れんなぁ
空港に着くまでの間色んな人々が「ハロー」や「ニイハオ」と話しかけてくる。
空港内のカフェでパンとちょっとの野菜とソーセージが乗ったプレートを日本円で約3500円出して食べる。
ちなみにパナマはバルボアと言う通貨単位であるが実質ドル紙幣やセント硬貨が使用され、1バルボアは1ドル固定だそうだ。
チュアム
うーん、あんまり美味しく無い、でも美味しい店を探し出す勇気が無い。
信頼できる現地人がいれば良いんだけどね。
山根
ま、不便なのを含めて楽しむしかねーなw
昼食後、ガイドを雇って明日は観光する方針で一致した。
本日は早めにホテルにチェックインし、近場で食べる事にした。
ホテルで近場で美味い店はあるか?と聞くと日本人だと言ってるのにチャイニーズレストランを紹介されたが他には?と聞くと現地人がよく行く店があるとの事だった。
後で言って見ると屋台だった・・
近くにいた子供の少年に亜利沙が英語で「食事を食わせてやるから値段を聞け」と言うと店に飛んで行くとメニューを持って来る。
丸山
メニューに値段書いてるじゃ無いかw
まあ、これも縁じゃな
少年はしきりに持ち帰りも良いかと聞くので良いと言うと満面の笑みを溢す。どうも家族に持って帰りたい様だ
アロースと言う米が主食で他には2度揚げバナナやトルティーヤ、芋類でキャッサバやタロ、マランガ、ヤムと言った物を食べるとの事
おかずはアメリカとスペイン料理が混ざった様な感じの味でビーフステーキが語源のビステクや鶏肉の煮込みやフライドチキンに魚を揚げた物を頼み、テキーラやコロナビールで乾杯し、みんなでワイワイと食べた。
出国後で一番美味しい食べ物であった。
少年は11歳でカストロと言う名だった。
パナマでは多い名前だそうだ
東洋人の女性メインの団体が珍しく片言の英語で色々と聞いてくる
「お前らは中国人か?」、「何しにきた?」、「いつまでいる?」、「金持ちか?」、「日本はどんな所だ?」、「忍者や侍はいるか?」、「日本のアニメは大好きだ!」、「日本に行きたい!」、「富士山見たい!」、「日本料理食べたい!」との事であった。
ただ、話しをよく聞くと日本料理を中華料理と間違えている様だった。まあ、こんなモンだろう
形だけの事務所を探してると言うとウチの家はどうだ?と猛プッシュしてくる。
あまりにもの熱意に明日、案内してもらう事にした。
こうして、ガイドを自然と雇えたのは僥倖である。
明日、昼にホテルの前で待ってると約束付けると持ち帰りの大量の料理を抱えてカストロは帰って行ったのであった。




