第九十四話 スマイル0円
甘いな!
林田遊撃隊はサイサイトンの国境付近で足留めをくらっていた。
サイサイトン国軍はしっかりと防御隊形の布陣で馬防柵や拒馬、堀、土塁に落とし穴にぬかるみ等等を作り防御に徹していた。
林田 蒼楽
うーん、ここからは黒色教連合の本隊だね、何か指示が有るのか時間稼ぎをしてるみたいね。
一騎討ちの名乗りをあげると、弓矢や投石が雨のように飛んで来るだけ。
えっと、どうしよ?
タンナンカーン
林田様、この場は個の武力だけでは難しいです。
敵部隊の数を削らねば・・多過ぎます。
何か、いい方法無い?
うーん、いい方法・・ですか?
あの、恐れながら!とケロロの面を横に付けた最年長のじいちゃんが発言を求める。
林田 蒼楽
なになに、どぞどぞ!
ケロロ
御家芸とも言える戦法が有るのですが・・ごにょごにょ
林田 蒼楽
ほう、流石は軍曹!ソレいこう!
・
・
・
所変わって、ヨンコク大陸 エッヒメンズの地
トークシーマン国のマスジトに宿泊時に是非にお立ち寄りをと言われニイハマーン国のマスジトに立ち寄り、歓待を受けた。
ニイハマーンのマスジトを出て数日、現在、イヨイヨ国を通過中であった。
戦乱に苦しむ人々はアビィン 亜里沙が来訪する事で黒色教連合は転進し、争いが無くなって行く奇跡を目の当たりにした。
紛う事無き本物の聖者、疑う余地無しである。
タカショタ
亜里沙様、既に最前線に入っている為、予断を許さない状況下です。
先発のヒーデキンから次のオオッス国で暫く宿泊をしマサッカネンさんを待ちます。との事です。
輿の上で道中、民達からの供物の蜜柑を食べながら、わかった、一個あげると蜜柑を渡す。
タカショタ
おお!聖なる蜜柑、ありがたき幸せ、我が家の家宝に、いや、ナールトンの国宝に致します。
アビィン 亜里沙
いやいや、食べてよ、傷んじゃうじゃない。
蜜柑はミカンだし、聖なるって・・(笑)
なんの危機感も無く、ピクニック気分の亜里沙は今、一つ、戦争がピンと来ない。
平和な日本にいたからか他人事だった。
ただ、ボロ布を着た人々が自分周りに増えてきたのは感じていた。
ねぅ、タカショタ
はい、亜里沙様、なんでしょうか?
食べ物のゆとりは有るの?
はい、各地、各国から供物として潤沢な程に御座います。
オオッス国に着いたら、炊き出しをしましょ、着の身着のままの人が多いから、きっと空腹だと思うの、私も同じ物で良いから
タカショタは号泣状態
さっ、流石は黒の女王様、民草の事を考え、自らも清貧でと!クゥー!後で広く伝えます!
アビィン 亜里沙は、号泣のタカショタを見て、泣き過ぎだよ感受性が豊かだなぁとハンカチを渡すと恐れ多くて使え無いと涙まみれの鼻水まみれが可笑しくなった。
周りからは戦地で有っても微笑みを絶やさない、本物の聖者にしか見えていなかったのであった。
参照
新居浜市
https://www.city.niihama.lg.jp




