第九百三十九話 白井黒子
ポンポンと
R5・6・24(土)2230
日本国 東京都 足立区
林田 蒼楽は自宅のアパートでロードマップ、簡単に言えば地図を見ていた。
事の発端は山根の伝説者達に一斉メールの動画で夜間飛行時の夜景が送られてきた事であった。
山根が使えるのは戦略級広域殲滅攻撃魔法と飛行能力である。対して蒼楽が使えるのは絶対予測と半径50km未満の制限付きのテレポートである。
肉眼で見た所にしかテレポート出来無いので使い勝手が悪いと本人は思っていたのだが実験の結果面白い事が分かった。
上を見てテレポし視界に映る先もテレポ出来たのである。
そこでマップを見ながら故郷の北海道 苫小牧市への無料帰省飛び飛びプランを練っていたのであった。
地図を見ながらは蒼楽は気付く
ん、地図と立体とじゃイメージが違くね?
2次元と3次元の違いに気付いたのである。
蒼楽
地面をポンポンと飛ぶより上の高い所をポンポン飛んだ方が距離が短いよね?
地図で言うメルカトル図法と実際の距離が違うみたいな?
何を言ってるかと言うと図面上の最短距離と実測の最短距離では違うと言う事である、例で言えば、地図で日米間の最短距離では太平洋上だが実際の航空機での最短距離はアラスカやベーリング海やアリューシャン列島の方が最短である。
蒼楽
と言う事は一気に上に飛んで高い所をテレポすれば早いって事じゃない?私、あったまいい!
思わず一斉メールで世紀の大発見だと伝えると亜里沙やチュアムの飛行機でよく海外へ行く者と実際に飛んでる山根は冷ややかであった。
他の面々も反応が薄い。
蒼楽
あれ?反応うす!
みんな凄さがわかんないとか?
全員から個別でメールが届く
「多分、みんな知ってるかも」や「上空の方が遮蔽物が無いから遠くまで見れるから」や「何と無くそんな気がしたw」と
蒼楽
え!?
舞い上がってた?
あったま良いどころか頭可哀想な子じゃん・・
山根からアドバイスが来る。
「上空は寒いから防寒対策してから行けよ、おみやヨロ!」
蒼楽
苫小牧名物って製紙工場なんだけど
トイレットペーパーで良いかな?
それでいっか、うん、そうしようw
片付けていた厚着を出して準備に取り掛かる。
実家へのお土産には近所の八百屋で売ってた足立菜をリュックに入れて人の居ない場所に移動する。
片手にコンパスを持って方角を確認する。
蒼楽
じゃ、帰省しよっか
上空を見上げると月明かりが見える。
上に上にとポンポンとテレポを開始する。気が付くと雲の上だった。
お、じゃあ斜め前にっと見える限りにポンポンとテレポして行く。
暫くすると夜間にキラリと湖が見える。
蒼楽
お、福島県の猪苗代湖だよね?
よし、この感じでどんどん行こう!
あっと言う間に関東地方を出て東北地方に侵入していた。
そして、遂に津軽海峡である。
蒼楽
おお、下北半島が分かりやすくて助かる!
このまま、北上して内浦湾を横切って室蘭沖を経由で苫小牧!
そして、実家の前に到着した。
蒼楽
うえ、気持ち悪い
3D酔いした時みたいな
景色がポンポンと変わる度にフワッと自由落下を一瞬体験する。
これを何回も繰り返す、通常では有り得ない体験である。
時計を見ると三十分しか経って無かった。
蒼楽
早すぎw
ただいまぁ!っといきなり玄関から入ると両親と兄は驚く
蒼楽
あ、これお土産の足立菜ね、冷蔵庫入れとくね
家族は皆、戻るなら戻るで連絡ぐらいしろよ!と温かく受け入れるのであった。
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